イニシエーション・ラブ
ランキングがそこそこ高いのに、売れるのにかなりの時間がかかりました。
- 乾 くるみ
- イニシエーション・ラブ
とあるブログで紹介されていたのを知っていたし、
帯に「驚愕の仕掛け」などと書かれていたので、どんなものかと読んでみた。
・・・うーーん。
すごいといえばすごいけれど、私の好みにはあまり合わない仕掛けでした。
TV番組の「IQサプリ」を思わせるような、すごいけど、素直に感心するというよりは、「騙された」と悔しい気持ちになるような謎掛け。
それ以上に、居心地の悪い気分にさせられたのは1980年代の風俗描写。
私自身がまさにその時代を生きていた(=著者は私と同じ年でした)にもかかわらず、懐かしい気持ちにさせられるかといえば、そういうことは全くなくて、あの時代の安っぽさばかりが目に付き、私がこの本の登場人物とかぶるような体験をしたというわけでもないのに、彼ら彼女らの幼く行き当たりばったりの行動に
うんざりさせられてしまったのでした。
若い世代の人が読んだら、この古臭さが新鮮なものとして感じられるのかもしれませんが、私には単なる古ぼけてダサくて格好悪い風俗にしか思えませんでした。
私って、青春時代に何らかのコンプレックスを持っているのかもしれない。と、気付かされた本でした。