レスターの物語 [4] 何が起こったか 修正版 | レスター・レヴェンソン(セドナメソッド創始者)の珠玉の言葉

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セドナメソッド創始者、レスター・レヴェンソンがセッションで話した内容で大切だと思ったポイントを訳しています。
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朝、レスターはすっかり休息し、リフレッシュした気分で、とても早い時間に目が覚めた。目が覚めてから最初に思ったのは「ああ、あの時何が起こったんだろう?」という事だった。彼は自分の粘り強さに苦笑しながらベッドから出て、シャワーを浴びにいった。朝食の用意をしている間、彼の思考は頭の中を占めている問いの答えを探索し続けていた。

「さて、あの時に何が起こったんだろう?あの時に共通していた特徴は何だろう?サイ、ミルトン、それからジュン、ネッティ…何が共通していたんだろう?どことなく愛情が関わっていると分かっていたが、彼は最初どういう形で共通しているかが見えなかった。最終的に答えが分かった時、その答えがあまりに単純で純粋で、完璧な答えだったので、なぜ今まで分からなかったのだろうと彼は思った。

「幸せとは私が誰かを愛している時に感じていたのだ!」各々の状況において、彼が他人に対して愛情を強く感じていた時、その時こそ、その彼自身が愛を感じている事から幸せがもたらされていたのだと理解した。

今や、誰かから愛される事が答えではないという事が彼には明確だった。たとえ人が彼を愛したとしても、彼が愛を感じていないなら、彼は幸せにはならないだろうという事が分かるようになっていた。彼らや彼女らの愛情は彼ら自身を幸せにするかもしれないが、レスターを幸せにはしないし、幸せに出来るものではなかったのだ。これは新しく驚くような概念だったし、彼は直感的に正しいと分かっていたとはいえ、昔からの科学的思考のトレーニングの習慣は、この概念をテストする事なしに受け入れる事が出来なかった。そこで、彼は過去を眺めた。彼が愛されていて幸せだった時の事を思い出し、幸福は他の人間が彼を愛している必要はないと理解した。

彼は逆の面、つまり不幸せだった時の事も考察した。今、彼は何をみるべきか知ってい た。その時、彼が愛していなかった事は明白だった。彼は、その当時ネッティとジュンと同じように彼女達を愛していると思っていたのだった。彼は彼女達を愛し、必要とし、望んでいたのだった。彼は今考えていた。それは愛だったのかと・・。違う、なぜなら苦しんでいたのだから。彼は彼女達が愛してくれなかった時の心の痛みを経験していた。たとえ彼がそれを愛と呼んでいたとしても、実は彼女達を完璧に所有したいと望んでいて、幸せになるためには彼女達の全ての愛が必要だと思っていただけだった。

これこそが解決への手がかりだった。彼はずっと「(愛を)望んでいる状態」又は、愛の欠如を経験していたのだった。誰か他の人が愛を運んでくれる事を期待しながら、彼を幸せにしてくれる人を待ち続けながら…。これが、あまりにも馬鹿馬鹿しい事に思えて、彼は笑わずにはいられなかった。誰か他の人が彼を幸せにする事が出来ると思っていた事はこの世で最もおかしな事のように思えた。誰も彼をどうこうさせるなんて事は出来ないというのは、自分が誰よりも知っていたのである。彼はいつもプライドを持ち、頑固で、自分の事は自分でしてきて、他人や何かを必要とした事がないのは十分分かっていたのだ。「冗談もいい加減にしてもらいたいよ!」と彼は思った。真実は、彼はいつも愛を欲しがっていて、それを他人からもらわなければならないと思っていたのだった。笑いながら涙が頬を伝っていた。これまで生まれてこのかた、ずっと探してきたものは自分自身の内側にあった事に気づき、彼は笑わざるをえなかった。頭に乗せている事に気づかずに、あちこち眼鏡を探し回っているうっかり博士のように彼は生きてきたのだった。

「ひどい話だ」と彼は思いつつ涙を拭いた。「今までこんな事が分からなかったなんて…。今までの時間を、何年もの時間を無駄にしてきたなんて…何たる事だ」

「でも、待てよ。もし幸せというものが、オレが他の人へ愛を感じている時なのだとしたら、幸せというのはオレの内側に存在する感覚という事なのか・・」

「そして、もし過去に愛を感じていなかったとしたら、まあ、過去は変えられない事は分かっているが、オレ自身のその時の感覚を今変える事は出来ないものだろうか?愛の感覚を今変えられるかな?」彼は試してみる事にした。もっとも最近の不幸せだった事 について考えた。それは病院を退院した日だった。

「まず、あの日、オレは愛の欠如を経験したか?」彼は自問した。

「そうだ」彼は声を出して答えた。「誰一人としてオレの事を気にしちゃいなかった。看護師も、事務員も、シュルツ先生でさえもだ。あいつらはお構いなしだった。オレが具合が悪いのに、やつらは私を放り出し、死ぬために家に帰したのだ。やつらは自分達の失敗を見ないで済むからな…冗談じゃない。やつらは皆地獄行きだ」 彼は自分の激しい声にショックを受けた。彼の体は怒りで震え、体が弱々しく感じた。彼は本当に医師を憎んでいた。その憎しみが胸の中で焼けるように感じられた。彼は思った。「何てことだ、確かにこれじゃ愛ではないな」

「さあ、これを変えられるかな?」彼は自問した。「先生に対して、この憎しみを愛に変えられるかな?」

「いいや、無理だ」彼は思った。「何で愛に変えなければならないんだ?先生は愛を受けるに値するような事を何かしたか?」

「それは問題じゃない」彼は自分でそれに答えた。「問題は彼が愛を受けるに値するかどうかじゃあない。問題はお前が愛に変えられるかだ。ただ嫌悪の感覚を愛の感覚に変える事が可能か?それも他人の恩恵のためにではなく、お前自身のために」

そんな考えが頭をかすめると、彼は何かが胸から解き放たれたのを感じた。穏やかに緩む、溶けるような感覚で、焼けるような感覚は無くなっていた。最初、彼はそれを信じられなかった。あまりにも簡単なように思えたので、もう1度シュルツ医師との病院でのやり取りを頭に描いてみた。驚いた事に、前に感じた強烈な焼けるような憎しみよりも、軽い憤りが生じただけだった。彼は同じ事がもう1度出来るか考えた。

「ええと、今どうやったんだっけ?…ああ、そうだ。怒りの感覚を愛の感覚に変えられるかな?」胸の中で怒りが解けるのを感じながら、彼は一人静かに笑った。それで怒りは完全になくなり、彼は幸せだった。もう1度シュルツ医師の事を考え、彼の姿を頭に描いたが、幸せに感じていた。愛情さえ感じていた。最後に会った時の事再体験しながら、シュルツ医師が彼に言わなければならなかった事を言うのを嫌がっていたのが、今の彼には分かった。働き盛りの若い男性に余命いくばくもない事を告げなければならなかったその医師の苦悩を彼は感じる事が出来たのである。「シュルツ先生、全くあなたという人は・・・」彼はニコッとしながらこう言った。「愛していますよ」

「さて、これで1つ終った」彼は考えた。「もし私の理論が正しければ、全ての事に効果がある筈だ」彼ははやる思いで他の時について試みた。その結果は一定して同じものだった。もし反抗心や怒り、嫌悪の感覚を愛に変えられるかどうか自問する度に、何かが解けるプロセスが生じた。

その人物に対して愛だけを感じるようになるまで何度も何度も繰り返さなければならない場合もあった。ある時は、全てのプロセスが1,2分しかかからなかった事もあれば、ある特定の人物や出来事に彼の感覚が愛以外になくなるまで何時間もかかる事もあった。しかし、彼は根気強くそれぞれの人や出来事に対して完全に終るまで留まり続けた。

彼の人生全体が少しずつ切れ切れに見直された。1つずつ、彼は古い心の痛みや 失望した事全てを愛に変えた。心の痛みが少しずつ減っていくと、彼は自分が丈夫になていく感じがし始めていた。今まで生きてきた中で一番幸せに感じていた。そして、それぞれ新しく事が修正されるとより一層幸福感が増すのを感じながら、そのプロセスを続けていった。

彼はベッドに向うのを止めていた。なぜなら、あまりにもエネルギーが満ち溢れていたので横になどなっていられなかったのである。疲れたと思ったら、椅子でウトウトし、1時間かそこら後に目覚め、プロセスを再開するのであった。あまりにも彼の人生には正されるべき事が多かったので、ありとあらゆる所を見るまでこのプロセスを止めたくなかったのである。

レスター・レベンソン1
レスター・レベンソンさん 出典:http://lesterlevenson.org/