『地下鉄のザジ』
1960年 フランス
ルイ・マル作品は、本作の前に、『死刑台のエレベーター』『恋人たち』『鬼火』を見ていたので、ルイ・マル=モノクロームの陰鬱でゆったりとした世界という印象だったのですが、この映画がいい意味で裏切ってくれました
何しろ主人公ザジのこの可愛さ
田舎からパリへやってきた少女ザジ
彼女の願いは地下鉄に乗ること
けれども地下鉄はスト中!
退屈のあまり街へ飛び出したザジは次々と騒動に巻き込まれていく
少しもじっとしていないザジの可愛さもさることながら、ザジが出会う人たちが皆魅力的
フィリップ・ノワレ演じる、ホモ・バーのストリッパーのガブリエル叔父さん、その友人のタクシー狂シャルル、色気違いの未亡人ムアック、レズビアンの男役マルスリーヌ
皆奇人変人で、だけどパリの街の中生き生きとしている
そして、ザジが巡るめくるめくパリの街
クリニャンクールの蚤の市、モンマルトルの丘、セーヌ河、蝋人形館、ビル・アケム橋、そして、エッフェル塔を見てザジは一言、
「イカす街」!!
スラップスティック・コメディの傑作です