量子跳躍(Quantum leap:クォンタム・リープ)という言葉があります。
もともとは量子力学という物理学の用語で、量子が瞬間的にその状態を著しく変えることを言います。
素粒子の世界においては、量子(素粒子)は、長い時間を経てゆっくりとその姿を変化させていくのではなく、一瞬でその状態を変えることがあるのです。
例えていうならば、一瞬で100円玉が500円玉に変わったとか、男が女に変わったとか。
そんな手品みたいなことが、素粒子の世界では起こるのです。
そこから転じて、ビジネスの世界で、大躍進する、大転換をする、といった意味で使われることもあります。
一般に、仕事でも勉強でも、時間をかけ学んでいくと、その習熟度合いは右肩上がりになると言われています。
例えば、小学生が、毎日毎日漢字の勉強を積み重ねていけば、次第に読み書きできる漢字の数が増えていく、といったようなものです。
普通はこのように、学習量に比例して、習熟度は上がっていきます。
ところが、実際には、いくら学習しても、なかなか習熟度が上がってこない場合があります。
これは、頭を使う学習の分野だけでなく、身体を使ったスポーツトレーニングの分野でも同じように起こります。
繰り返し繰り返し学習したり、トレーニングしても、目に見えるような成果が現れてこない、こういったときは、学習やトレーニングを続けるのがいやになってきますね。
ところで、子供の頃、初めて自転車に乗れたことを思い出してみましょう。
おそらく、最初からすんなりと乗れた人は少ないと思います。
何度も転げながら練習をされたことと思います。
そして何度も練習をしたある日、突然、自転車に乗れるようになったのではないでしょうか。
これは、習熟度が緩やかな右肩上がりではなく、突然、ギューンと上昇したことを意味しています。
最初に述べた、量子跳躍が起こったのです。
このことは、尺取り虫の歩み方に似ているかも知れません。
尺取り虫は、緩やかに歩むのではなく、身体を前後に大きく曲げながら、一足飛びに歩んでいきます。
何度も繰り返して学習したりトレーニングしても、目に見えるような効果が現れてこないとき、そのときは、力を溜めているところなのかも知れません。
それでも、学習やトレーニングを続けていくと、溜まった力は、ある時、突然、大きく外に放たれます。
ちょうど尺取り虫が身体を曲げ終わった後、大きく前に進むように。
そのとき、緩やかな右上がりの線を描くのではなく、大きくジャンプしたような軌跡を描くのです。
そこで、1つの壁を乗り越えたことが自覚できます。
乗り越えた後で、振り返って見る壁は、小さく見えます。
乗り越える前は、そびえ立つ絶壁のように見えたのに。
初めて自転車に乗れたとき、そんな感じがしませんでしたか?
努力は裏切らないと言います。
その後で起こる、量子跳躍を信じて、今の作業や仕事を続けてみませんか。
きっといいことが待っていますよ。![]()