私の主人は結構年上で、

名前を聞いた事がない人はいないと思うくらい有名な会社に勤めています。



仕事もやりがいがあるみたいだし充実してます。



家族サービスもそれなりにしてくれてます。



Hの相性だっていいし、スキンシップもします。



なのに私はどうして旬を好きになってしまったんだろう。



刺激が欲しかったのか、愛されてるって実感が欲しかったのか。



今冷静になって考えてみるとよく分からない・・・



主人に好きだよ、とか愛してるよって言われたのっていつが最後だったっけ。



たまに「ちゃんと私の事みてくれてる?好き?」



って聞くと、



「う~ん、今は家族愛って感じかな。」



「そうじゃなくて、恋人の時みたいに好き?」



「恋人だった時よりも愛は大きいよ、格上げされて家族愛なんだよ。」



「ふ~ん」



何か違う・・・もちろん私だって娘が生まれてから母の顔になって生む前とは変わったと思うけど。


それでも変わらず、「女」として見て欲しい。




ママとしてじゃなくて妻としてじゃなくて・・・



こんな穏やかに暮らさせてもらっててこんな事望んだらいけないのかな。

わがままかな。



こんな風にちょっと思い始めてた頃に旬に出会ったんだよね。




旬は年下で美容師さん。



私も主人と同じ会社に勤めていたので目にする男の人といえば、パソコンに向かって仕事してる人ばかり。

有名大学を出て、一流会社に入って、でも仕事はやらされてるって感じでしてる人がほとんど。




旬を見て自分の好きな事を仕事にして生き生きとしてる人を久しぶりに見た気がした。



それで私は何となく気になるようになっちゃったのかな。



美容師さんだから当たり前なんだけど、

旬は色々褒めてくれてキレイにしてくれる。



メールでも沢山褒めてくれるし、大好きだよっていつも言ってくれる。



愛されてるって実感が嬉しくてどんどん好きになっちゃったのかな。



逆に考えれば旬だってそうなのかも知れないな。



旬は今の奥さんに愛情ないって言ってるしHもしてないって言ってるけど、




結婚した時はそんな事なくて今の私にしてるみたいに沢山愛を送ってたんだろうな。




でも何で急に愛情がなくなったんだろう。



子供が生まれたからかな。

不倫する人って奥さんが自分に構ってくれなくなって寂しくてするって聞いた事あるし。



じゃあ私じゃなくても誰でもよかったんだろうな。

今度勇気を出して聞いてみようかな。

聞いてもどうせうまい事言われちゃいそうだけど。



色々分析してみても今はもうお互いいなくちゃならない存在になっちゃったんだよね。

たとえ始まりは誰でもよかったとしても・・・

恋なんてみんなそうだよね、きっと。














翌日弟に旬のメアドを聞いてメールをした。


「○○の姉です。昨日はいろいろありがとうございました。もう少し爪が延びたらネイルしてもらいたいです。お仕事頑張って下さいね」


どこか期待しつつも当たりさわりのないお礼のメールをした。


夜になってメールが帰って来た。


「かおりさんに喜んで貰えると凄い嬉しいです。またちょくちょくメール下さいね」


ちょくちょくねぇ・・・
メールして欲しいような感じもするしホントに普通に次回連絡してから行けるように教えてくれたのかなと悩む。


「迷惑じゃなければしますよ。でも奥さんに見られたらびみょ~じゃないですか?別に怪しくないんですけど」


「迷惑よりむしろ嬉しい。奥さんと一緒にいること滅多にないし。見られても怪しくないし。」


確かに・・・
きっと美容師さんだから女の子のスタッフの方が多いから気にならないんだろうな。
家も携帯見ないし。
まっ、たまにはメールしようかな。


そう思いながら気付けば何度もメールのやりとりをするようになっていた。
回を重ねるごとにいつの間にかタメ口になっていた。

ある日旬が


「今メイクの勉強しててかおりさんが嫌じゃなかったらモデルになって欲しいな。ダメかなぁ?」


と聞いて来た。


うわっ、この人やっぱり遊んでるな。
そうやって女の子誘うんだ。
もちろん私の答は


「恥ずかしいから嫌です。それにモデル出来るような顔してないよ。もっとかわいい子沢山いるじゃん」


すると


「そっかぁ。なかなかいいモデルに会えなくて困っててやっとみつかったと思ったんだけどダメかぁ・・・時間こっちで作るでもダメ?子供いても大丈夫だよ。」


あ~、やっぱ女って褒められると弱いなぁ。
お世辞だと思いつつもつい嬉しくなってしまう。
しかも娘も一緒なら怪しい事にはならないだろう。


「う~ん、娘も一緒でよければいいよ。どこでするの?」


「ありがとう!お店が終わってからか家かな。お店だと夜遅くなるから家の方がいいかも。お昼作るよ。」


家・・・・
行って大丈夫か・・・・
娘もいるし大丈夫だろう・・・
しかもご飯作ってくれるなんて私にとっては久しぶりだったから嬉しかった。
これも家に呼ぶ作戦かなと疑いながらも、


「分かった。ご飯楽しみにしてるね。じゃあお昼くらいに行くね。」


「よかった!ありがとう。」


そして私は結婚して初めて男の人の家に遊びに行ったのです。


2月の出会いから8ヶ月。



純粋に旬の美容師としても技術にひかれて、

私は何度か髪を切ってもらいに行った。



10月初旬、同じように髪を切ってもらいに行った。

主人に美容院まで送ってもらって。



もしお休みだったらやめにしようと思っていた。



お店に入るとすぐに旬が迎えてくれた。



「今からカットお願いできますか?」


「いいですよ」



娘は主人がみてくれる。



いつもの様に、「今日はどうしますか?」という会話をする。



その会話の中でさらっと、



「会えて嬉しいです。」と言われた。



ん?今何て言った?と思いながら愛想笑いをしてごまかす。



「急に来ちゃってごめんなさい」と言うと、



「いえいえ、会えるだけで嬉しいです。」と、照れながら言った。



ん?また変な事言ってるぞ。

きっと、この人みんなにそう言うんだな。とまたスルー



カラーもしてもらう事になって、準備中にまた、



「緊張します」と照れながら言った。



ん?どういう意味だ?普段カラーはあんまりしないからか!?

それともこの人誰にでも言ってるのか?



ネイルをお試しで1本してくれるというのでカラーの途中でしてもらった。



どの指にするんだろうと思ってたら、

左の薬指にしてくれた。

(後から聞くと、結婚指輪に対抗したかったらしい。)



本格的なネイルが初めてな私はウキウキした。




カラーが終わって、セットする時に、

小さな声で、


「今度来る時事前に連絡出来るように電話番号教えましょうか?旦那さんに怒られちゃうかな」


「え?それは大丈夫ですけど、教えてもらっちゃっていいんですか?」


「うん。じゃあ後で渡します。」


「・・・はい」



お会計の時にお店の案内の裏に電話番号を書いて渡された。


私は小さな声で


「あっ、でも電話はしにくいかも・・・アドレスの方が・・・」 


「じゃあ、○○(弟)にアドレス聞いて下さい」


「分かりました」



その紙を何となく主人に見られたくないと思ってお財布にそっと隠した。