愛する人
愛してくれる人

大切だと思う人
大切にしてくれる人

自分の気持ち
揺れるココロ


誰の手を取ればいいのだろう

誰と歩んで行けばいいのだろう



私はすごく自分勝手で
傷つくのが怖くて

代わりに
私の大切な人達を傷つけていた。









風邪を引いてしまい、ここ一週間寝込んでいました。

海外生活で風邪を引くと
薬や病院の問題などで
色々と心細くなるもの。

三日間何も口に出来ない程
体調が悪く
熱も出て、咳も止まらず
苦しい夜を過ごしていました。



彼に風邪を移してはいけないから
リビングで一人で寝ようと
私は一人で布団をひいた。


そんな私を横目に見ながら
彼は手招きをした。

「大丈夫だから、こっちへおいで。」

頭がぼーっとする中
彼の優しい声に引き寄せられて
彼の腕の中へ入る。

「でも、咳もすごいし、移ったら大変。。」

喉が痛くて声を出すのも苦しい。。
彼は私の頭を撫でながら

「俺はそんなヤワじゃないから大丈夫。
 今日もここで寝なさい。」

そう言って抱きしめてくれた。
私は彼のベットにそのまま倒れこんだ。

彼はいつものように腕枕をして
私を抱きしめてくれている。

彼は寝る時、上半身は何も着ない時が多い。
私は温かい彼の胸に顔をうずめる。

昔からサッカーをしているからか
筋肉質な厚い胸板。
彼のすべすべした肌が
とても気持ちが良くて心地良い。

彼はずっと頭を撫でてくれている。

私は彼の腕の中が好き。
他の誰よりも
彼の腕の中が好き。
眠くなくても彼に腕枕をされると
不思議と眠くなってしまう。


薄れゆく意識の中で
ただ、彼のぬくもりを感じていた。












彼の部屋に案内されて
アパートの階段を上って行くと
さっきまで彼の足元に居たネコが
彼の後を慌てて付いて来た。

ネコは雨に濡れ、びしゃびしゃになっている。
そのままでは風邪を引いてしまうかもしれない。。

私はハンドバックからハンカチをだして
ネコの身体を拭きながら
彼に聞いた。

「このネコは貴方が飼っているの?」

すると彼は
少しはにかみながら

「違うんだけど、今朝から部屋の前にいて、なぜか懐かれちゃって。
 さっきなんか部屋まで入ってきたんだ。」

と、少し困った顔で言った。

「俺も今日この部屋出るのに、どうしようか。。」

彼も引越し先が決まっていて
今日から本格的に新しい部屋で過ごすらしい。
今日はTVの件と、部屋の大掃除の為に戻っただけ。



部屋の前まで来ると
彼は付いて来たネコに
指をさしながら命令した。

「Stay!」

言われてネコは
その場でジッとした。

彼は少し悲しげな顔をして言った。

「多分、捨て猫なんだろうな。。。
 ひとなつっこいし、言う事聞くし。。」



ネコに懐かれる人や
動物から懐かれる人は
優しい人が多いと
私は思う。
動物に対して
優しく出来る人は
人にも優しく出来る人だと思う。



彼は本当に優しい人で
その後も私は
彼の優しさに
沢山触れる事になる。












車から降りて
部屋へ向かう時に
私は彼に自己紹介をした。
すると彼は私に言った。
「話はよく聞いてるよ。フィアンセだってね。」


『フィアンセ。。』
間違いではない。
彼とは結婚したいとお互い話していたし
将来の計画も色々立てていた。
けれど、まだ正式にプロポーズされた訳ではない。
私は嬉しい気持ちと複雑な気持ちが入り混じっていた。



『コレカラ ドウナルカワカラナイ』



彼氏を愛しているのに
言いようのない不安が私を襲った。


彼を見て、彼と話をして
彼の笑顔を見て。
彼の笑った顔が
とても優しい顔で
たまらなく素敵だった。



ファインセの友達。
歯止めを利かせようとしているのか。



「フィアンセ」
と言う言葉が
私に大きく圧し掛かっていた。










彼らは就職の為に
住み慣れた大学街を出て
会社の近くの街に引っ越をした。

彼氏の家の近くに
彼も部屋を借りていた。
車でわずか10分ほどの距離。

アメリカに住んでいる彼らは
当初二人でルームシェアをしようと
二人で部屋を探していた。
まだその友達に会ったことのない私は
ルームシェアに反対した。
私が彼氏に会いに
何ヶ月もアメリカに訪れるときに
他の人も一緒に暮らすのは
何か違う気がしていたからだ。

結果、彼らは別々に暮らすことになった。

今思えば
もし彼らが一緒に住んでいたら
私達はどうなっていたのだろうかと
考えてしまう。
もしかしたら
今も良い友達で
いられたのかも知れないと。