ポルトガルのフットボールがなぜ成功し、
強豪国となったのか、という
ヤフーニュースの記事を読みました。
記事の内容は期待していたほど
深くありませんでしたが、
ポルトガルのフットボールが
なぜこれほどまで強いのかについては、
何度か現地で生活をしている
私にとっても謎の一つです。
日本人にはあまり知られていない
ところもあると思いますが、
ポルトガルのフットボールはここ数年、
各分野において大きな結果を残しています。
フットボールのフル代表においては
ユーロとネーションズリーグを制覇しているし、
フットサルでもビーチサッカーでも
ユーロを獲っています。
男子だけではなく、女子も強い。
なぜでしょうか。
中国やインドなどは例外として、
フットボールが文化になっていることと
掛け合わせで国の人口が多いことも
フットボール強豪国の条件になっていますが、
記事にもあったように、
ポルトガルの人口は日本のわずか12分の1。
またポルトガルにも貧富の差は存在し、
失業率も高いですが、
例えば同じポルトガル語圏の
ブラジルのようなひっ迫感はありません。
私は以前、
ブラジルに短期留学をした経験がありますが、
そこには明らかな貧富の差があり、
フットボールは金を稼ぐために
一番有効であり効率的で、
また人生において必要なツールとして
人々の生活の中に根付いていました。
ポルトガルでもフットボールは
全てのスポーツ・エンタメの中心に
太い幹として存在していることは
間違いないのですが、
ブラジルほどの強い依存は感じられない。
それでも優秀な選手や監督が国内で育ち、
国外へ羽ばたいていくのはなぜでしょうか。
こう言っては元も子もありませんが、
正直私には分かりません。
プロの各クラブがユースアカデミーを設立し、
地元の子供たちの選手育成と教育に
積極的に投資をしているのは
何もポルトガルに限ったことではなく、
ヨーロッパではごく当たり前のことでしょう。
今や情報過多の時代で、
地理的にも陸続きのEU圏内において、
ポルトガルだけが特別なことを
行っているわけではありません。
言えることは、長年のこういった
各クラブの努力の積み重ねが、
今この国で大きく実を結んでいる
ということではないでしょうか。
幼い頃から地元クラブのユースで育てられて
プロになるという流れは、
日本では主流ではなく、
学校教育の中の部活イコールスポーツ
という感覚が
まだまだ根強くあるかもしれません。
それが悪いというわけではありませんが、
体罰が未だに問題になっているようでは
欧州の成長、進化には
とても追い付けないでしょう。
指導者についても、
ポルトガルは優秀なコーチを
次々に輩出しています。
モウリーニョ、ビラス・ボアスは有名ですが、
マルコ・シルバ、
リカルド・サ・ピント、
パウロ・フォンセカ、
ヌーノ・エスピーリト・サント、
そして今季スポルティングを率いた
ルーベン・アモリムなど、
多くのポルトガル人コーチが
国内外で結果を残しています。
日本の指導者ライセンスと
海外ライセンスとの互換性が希薄なのも
大きな課題ですが、
日本人で指導者を目指す方々が
欧州にもっともっと進出していく流れが
出来てくれば、
日本もまたさらに違った進化を
するかもしれません。
指導者の海外進出の増加は、
日本のフットボールの更なる進化において
絶対条件のように思います。
2016年のポルトガルのユーロ制覇の時、
私はAlameda(アラメダ)に設置された
パブリックビューイングで、
ポルトガル人たちと一緒に勝利を喜びました。
決勝の対フランス戦、圧倒的不利の中、
エデルのゴールが決まった瞬間の
暴動のような歓喜の騒ぎはもの凄かった。
次の日、メトロのホームに座っていると、
電光掲示板には
Parabens!(おめでとう)の文字が。
そして流れてきたユーロ優勝を称える
アナウンス。
どこからともなく静かな歓声が上がり、
それがホーム全体に広がった景色を
今でも覚えています。
日本がアジアカップで優勝しても、
次の日に山手線のホームで
こういったことは決して起きない。
これがその国において
フットボールが文化になっていること、
必要とされていることなんだと
感じさせられたワンシーンでした。
