ポルトガルサッカーリーグに進出する日本企業。 | パーソナルトレーナー/写真作家 古川貴久 【Personal Trainer / Photoartist】 Takahisa Furukawa

パーソナルトレーナー/写真作家 古川貴久 【Personal Trainer / Photoartist】 Takahisa Furukawa

◆ピラティス・マスターストレッチ・ウェイトトレーニング
◆ポルトガル写真、東京浅草写真

近年、ポルトガルのサッカーリーグが

日本でも注目を浴びるようになり、

選手だけでなく、

チームスタッフにおいても、

日本人がポルトガルに渡るケースが

増えてきています。

また日本の企業が

ポルトガルのクラブの株式を

70~80%取得して経営権そのものを獲得し、

ポルトガルでビジネスを始めようとする

動きも出てきています。

 

昨季は2部でリーグ最下位に沈み

今季は3部からのスタートとなる

UDオリヴェイレンセ、

そして今季から日本人がオーナーとなり

新たなスタートを切る

同じく3部のアナディアFC。

ポルトガルの3部リーグは

対戦が地区ごとにグループ分けされており、

UDオリヴェイレンセとアナディアFCは

同グループでホーム&アウェーの

直接対決が実現します。

チーム成績がどうなるにせよ、

クラブ経営がビジネスとして成功するよう、

ポルトガルサッカーを知る人間の一人として

健闘を祈っています。

 

今季から両クラブとも、

日本からの選手留学生を募り、

またアナディアFCの方は

クラブ経営を学ぶ

インターン生の募集を開始しました。

日本人からのキャッシュを

収入源の一つとして、

クラブの資金を賄っていこうという

方針が見えます。

正直、日本人オーナーという特権を

宣伝広告として利用して、

日本人も顧客にしながら

収益を得ていかなければ、

真っ当で手堅いビジネスの運営は

ポルトガルでは困難でしょう。

ただでなくてもこの新型コロナ禍で、

どのチームもチケット収入や

スポンサー収入はあまり期待が出来ません。

ポルトガルのサッカーリーグ自体、

2部はおろか、1部でさえも

毎年黒字経営をしているのは

国内最大のトップクラブである

ベンフィカのみと

言われているくらいなので、

ドメスティックな視点だけでは

まともな経営は厳しいと思います。

 

アナディアFCの

日本人オーナーの方のSNSで、

ファイナンスの部分での

考え方の違いが大きい、

という投稿を拝見しました。

私は以前、2016年だったと思いますが、

当時1部にいたエストリル・プライアという

チーム(今季から1部復帰)の試合を見に

スタジアムを訪れたことがあります。

試合当日、当日券を買おうと

チケット売り場を訪れても

いっこうに開く気配がありませんでした。

しびれを切らして、

スタジアムの裏手入口から入り、

スタッフと思われる人物に聞いたところ、

売店に行けばあるよ、と教えてくれました。

売店とは日本のコンビニほどの大きさの、

クラブのグッズなどが

売られているところで、

中に入り尋ねると、

笑顔でチケットを手渡されました。

いくら?と聞いたのですが、

両手を横に広げ、首を傾げながら、

もちろんタダだよ、という返答。

ラッキーという思いと、

1部のチームなのに大丈夫か?

という怪訝と、複雑な気持ちで

チケットを受け取った記憶があります。

スタジアムのすぐ横には

アカデミーなどで使用されるであろう

コートが数面隣接されていて、

ここからの収入も大きいのだろうと

察しがつきましたが、

にしてもプロ選手、コーチ、スタッフの

給料をどう賄っていくのだろうか、

チケットの販売ももっときっちりと

行っていくべきではないだろうか、

そう感じさせられる一幕でした。

1部のトップ4のクラブはともかく、

中堅下位のチームの経営意識は

そういったもので、

どのチームも大差はないと思われます。

アカデミーで才能ある選手を育てたり、

他から安くて良い選手を仕入れて、

成長したところで高く買い取ってくれる

クラブに売却する、というコンセプトは、

中堅下位のチームにとって

長く続く経営の常套手段ではありますが、

それも毎年不確実で、

手堅い運営方法とは言えません。

 

詳細は分かりませんが、

一時期のシンガポールに

その流れがあったように、

ポルトガルは欧州の中でも

比較的ビザの発給がされやすく、

また海外挑戦を果たしたい

日本人選手にとっても、

ポルトガルリーグは

欧州でのステップアップの場として

最適な選択肢の一つという点でも、

ポルトガルが注目されるのは

理解は出来ます。

ただ、ポルトガルサッカーは

欧州の中でも

常にマイナーであってほしい、

あまり日が当たらず、

そこで燻るそれぞれのエネルギーが

魅力であってほしい、

と勝手ながら個人的には思います。

 

今後も選手を含めた

日本人のサッカー関係者が

ポルトガルに渡航する機会が

増えていくのか分かりませんが、

どうであれ、日本の企業が

ポルトガルのサッカービジネスに

本格的に参入することで、

ポルトガルサッカー界にとって得られる

メリットもまた大きいかもしれません。

日本人の手堅く、

きめ細かいビジネス手法が

ポルトガルサッカー界の発展や、

さらにはポルトガルと日本、両国の

友好関係に結びついていってくれれば、

それはそれでWin-Winではないでしょうか。