12月31日、大みそかの気ぜわしい時期
「行ってきます」と言うはずだったご主人が、
そのまま帰ってこなかった朝。
突然の心筋梗塞。
社長であり、
夫であり、
子どもたちの父親。
奥様は48歳。
子どもは高校生と中学生。
正直、
何から手をつけたらいいのか分からない。
涙も出ない。
考えようとしても、頭が真っ白。
役所の手続き、
学校への連絡、
親族への連絡。
それだけで精一杯。
これは、決して特別な話ではありません。
私自身、
15歳のときに父を亡くしています。
兄は大学生、
私は高校1年生。
母はあとからこう言いました。
「3年くらい、ほとんど記憶がない」
将来への不安、
子どもたちをちゃんと育てられるのか、
そのことばかり考えていたそうです。
そんな状態で、
家族のことと、会社のことを同時に考える。
それができる奥様が、
いったいどれくらいいるでしょうか。
このケースでは、さらに問題が重なります。
法人契約の生命保険で、
受取人が「法人」になっている場合。
社長が亡くなると、
・次の代表者を決め
・登記をして
・新代表名義で請求
これが終わらないと、
保険金は受け取れません。
でも、
パニック状態の奥様に、
そこまで求めるのは酷です。
その間にも、
給料の支払い、
借入の返済、
支払期限は待ってくれません。
じゃあ、どうすればいいのか
解決策は、
「事前に決めて、共有しておくこと」です。
難しいことは要りません。
まずは、この3つだけ。
✔ 法人保険の「受取人」は誰か
✔ 社長に万一があった時、誰が代表になる想定か
✔ その内容を、奥様(ご家族)が知っているか
この3点が、
紙に残っているかどうか。
これだけで、
保険金が
「あるはずのお金」なのか
「本当に使えるお金」なのかが変わります。
さらに言うなら、
奥様が“判断しなくていい仕組み”を作っておくこと。
・誰に電話すればいいか
・誰が手続きを進めるか
・どの専門家につなぐか
これを
事前に決めておくだけで、
奥様は「決断」から解放されます。
保険は、
節税のための道具ではありません。
一番つらい瞬間に、
残された人を守れるかどうか。
そこまで考えて、
初めて意味を持ちます。
もし、
「うちはそこまで考えていなかったかも」
そう感じたなら。
それは、
気づけた“今”が一番いいタイミングです。
万一の時、
奥様が一人で抱え込まないように。
そして、
子どもたちの時間が止まらないように。
保険屋は、
その“間に立つ存在”でありたい。
私は、そう思っています。