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Get Up And Go !

音楽を中心に、映画、文芸、スポーツ など・・・。

より高く! より深く! けれど優雅に・・・ 冗談も好きなんですけどね (*゚.゚)ゞ







ROCK FEEL, ROCK FIELD #12
6月9日は ロックの日。 日本のロックで行きます。
10代の頃にロックを聴き始めた頃、ロックはアメリカとイギリスの音楽であり、 日本のそれはイミテーションで本物ではない、と思っていました。とは言え、日本というロック村にもロックを感じたバンドがいくつかあったのは確かです。 ロックとは何ぞやという定義づけはさておいて、個人的に好きであったバンド、ARBの曲をいくつか。

BOYS & GIRLS (1981)
ARBは1978年にプロデビュー。 当初はアイドル系のバンドとして、事務所主導でメンバーが集められた、いわゆる作られたバンドです。それがメンバーの資質自体がそうであったのか、あるいは当時のパンクロックによって醸成された東京の雰囲気がそうさせたのか、彼らの音楽は先鋭化していきます。

僕が最初に聴いたのは、1980年リリースの2nd・アルバム『BAD NEWS』です。モノトーンで貫かれたシャープなロックに変貌していました。3rd・アルバムの『BOYS & GIRLS』の頃には、さらにメッセージ性の強いロックとなっていました。このアルバムの発売時に、いまはもうない久保講堂で行われたライヴに行ってます。 同年に新宿ロフトでのライヴも体験しています。 あの頃のARBのライヴは、まだ10代であった僕にとっては体験という言葉がふさわしい、特異な雰囲気のライヴでした。





あの時期のARBの魅力は、田中一郎の切れ味鋭いギターワークに、ボトムで支えるキースのシンプルなロックン・ロール・ドラム。 そこに石橋凌の先鋭的な歌詞によるロック・ヴォイスが乗る。と言ったところでしょうか。 ARBの音楽は、「ぜい肉をそぎ落とした」という表現が使われていましたが、これは頷けます。

そういったわけでライヴでの客には、、ツンツン・ヘアーにブラックジーンズ。 さらに安全ピンと言ういわゆるパンクスも多かったんですね。演奏する側にも、対峙するキッズたちにも緊張感があり、笑顔はほとんどなかったと記憶しています。石橋凌の眼光は鋭かったし、ドラムのキースもベースのサンジも怒っているような表情でしたからね。





PEACE & LOVE (1987)
ARBは、メンバーチェンジを繰り返しながら進化していったバンドです。ギタリストが2代目の斉藤光浩から白浜久に代わる頃には、音的にはかなりの変化が見られました。白浜久はサウンド面全体での貢献のみならず、作曲・作詞面でも大きく貢献しています。石橋凌との両頭で、バンドの舵取りをしていたと言ってもよい時期だと思います。

10枚目のアルバム『ROCK OVER JAPAN』は、この時代の傑作にあげたいです。シンプルなギター・ロックでなくなったARBを、批判的に捉えるファンもいたようですが、石橋凌自身が「パンクスだったあの頃とは違う」といった旨のことを話していました。

「PEACE & LOVE」。 SNS、LGBT、リベラル. . . などの言葉を投入して歌詞を書き加えれば、この曲は「PEACE&LOVE 2025」としてリメイク出来そうです。





悪い奴ほどよく眠る (1998)
ARBのライヴには通算10回ぐらいは行ってます。 学生時の友達がビクター音産の宣伝担当として働いていたため、関係者を装って会場に入れてもらったことも何度かあります。

ARBは1990年に一度解散していますが、10月27日に国立競技場第一体育館で行われた解散ツアー最後のコンサートにも参加しています。自分の中ではこの時点でARBは完結しているので、1998年の再結成以後のライヴには行ってません。いい曲もあるので、意固地にならず一度ぐらいライヴに行っても良かったかな、と今は少し後悔していますが。

1998年の再結成第一弾のアルバム『REAL LIFE』では、石橋凌(Vo),キース(Ds)の他に、内藤幸也(G)、EBI(B)という若い新しい血を入れています。EBIというのは、ユニコーンのメンバーであったベーシストです。

「悪い奴ほどよく眠る」。 黒澤監督の映画に同タイトルの作品が有りますが、大の映画ファンである石橋凌はそのタイトルに触発されたのかも。黒澤監督の映画のほうは1960年公開なので、ツラの皮の厚い奴はいつの時代にもいるということでしょう。ツラの皮が厚いから悪いことをするのか。現在ではサイコパスという言葉もありますね。

右往左往という言葉がありますが、今や右に行ったり左に行ったりと簡単に方向を変えてしまう輩が多いんですよね。恥の感覚がないんだね。中道などという、悪びれる様子もなく行ったり来たりが出来る便利な言葉もありますからね。いい奴だと思っていたらそいつが一番ワルだった。北野武の映画のコピーじゃないけど、実は全員悪人。まったく何を信じていいのやら。教えて!池上さん (^o^)/
と、最後は音楽と関係ない内容となってしまいました。
(^_^;)




ARBは、2006年の石橋凌の脱退表明により活動を停止。役者としてはドラマや映画でよく見かけます。音楽活動もしているようです。キースの体調はどうなのでしょうか。今年2月の「Birthday NIGHT 2025」ではドラムを叩いたようですが気になっています。

メンバーチェンジを繰り返したARBでしたが、ひとつ確かに言えることがあります。キースのビート(鼓動)の上に、凌のヴォイス(魂)が乗った時、それがARBの音楽だということです。