
Pop LiFe Pop FiLe #67
1960年代のポップ・アイコンといわれた女性歌手たちが、80年代に乞われてコラボした曲を。題して
60's Iconic Girls in the 80's!
SANDIE SHAW with THE SMITHS / Hand In Grove (1984)
1982年にイギリス・マンチェスターで結成されたバンド、ザ・スミスは、80年代のインディ・ロックを象徴する存在です。そのスミスが60年代英国のポップ・アイコン、サンディ・ショーを誘って録音した曲が「Hand In Grove」です。コラボレーションは計3曲で実現しています。
サンディ・ショーは60年代後半のムーヴメント、スウィンギン・ロンドンを象徴する歌手のひとりです。モッズ系のファッション・アイコンでした。ステージ上を、裸足で歌うことで知られた彼女は、当時のロンドンで人気を博していたんですね。ジャニス・ジョプリンもライヴ映像に裸足になって歌う姿が残されていますが、サンディ・ショーは "裸足の女王" と言われていたようです。
スミスにとってサンディ・ショーは憧れの存在だったんですね。モリッシーとジョニー・マーは、「サンディー・ショーの伝説はまだ終わっていない」と手紙を書いて共演を申し込んだとのこと。とりわけ、60年代ポップスに精通していたバンドのギタリスト、ジョニー・マーの要望が大きかったのではないかと想像します。
この曲は、モリッシーの歌うヴァージョンもありますが、こちらのほうが好きです。ジョニー・マー独特の流れるように弾くギターに乗って歌うサンディ・ショー。ジョニー・マーはどういった気持ちだったでしょうか。
スウィンギン・ロンドンについての過去記事、よかったら
☆ マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!
☆ マリー・クヮントのファーコート
EDDIE MONEY with RONNIE SPECTOR / Take Me Home Tonight (1987)
個人的な話が先に来て申し訳ないのですが、ロニー・スペクターは僕にとっても憧れの歌手です。初めてロネッツを聴いて以来、あの声、歌唱に魅了されています。フィル・スペクターの "ウォール・オブ・サウンド"時代からソロ時代まで、ほとんどのアルバムを聴いています。
ロニー・スペクターは、1963年にロネッツのメンバーとしてデビューしたアメリカのシンガーです。当時、イギリスでも人気があり、ビートルズやストーンズのメンバーたちがロニー・スペクターに熱を上げていたというのは有名な話です。ブルース・スプリングスティーンも、ロニー・スペクターの大ファンとして知られています。
人種的なルーツから見ると。R&B のジャンルに行くのが普通ですが、彼女は自身のことを「ずっとロックン・ロール・サイドの女」と言っています。確かに黒っぽさはあまり感じません。ちなみに彼女のルーツには、ブラック、スパニッシュ、ホワイトの他に、日本人の血も混ざっているとのこと。
1986年、エディ・マネーのMVに登場するロニー・スペクターを見た時には驚きました。変わらぬあの声で「Be my little baby」と歌っているわけですから。しかもあの「Oh,Oh, Oh~ 」の声までも。活動は続けていたのだとは思いますが、ネットなどないあの時代、情報は乏しかったんですね。
当然のことながら、エディ・マネーはずっとロニー・スペクターの大ファンだったそうです。彼女へのトリビュートの意味もあったそうです。「くそ~っ うまくやりやがった!」と悔しがったアーティストはきっと何人もいたはずです。この曲はエディ・マネー、キャリア最高の全米4位に到達しています。
PET SHOP BOYS with Dusty SPRINGFIELD / What Have I Done To Deserve This (1987)
ダスティ・スプリングフィールドは、1960年代に数々のヒット曲を出した、イギリスを代表する女性シンガーです。60年代後半に台頭したグルービーな音楽の流れにはありませんが、特徴的なメゾソプラノによる情緒的で哀愁ある歌唱によって、白人史上最高のソウルシンガーと呼ばれるほどの評価を得ています。69年発表のアルバム『Dusty In Memphis』は、アデルやエイミーワインハウスにも影響を与えたブルー・アイド・ソウル作品として高く評価されています。こちらはお薦めしておきます。
その後、同性愛者であることを知られるのをおそれた彼女は、アメリカで隠遁生活に入ってしまいます。ドラッグやアルコール依存にも繋がったようです。公に同性愛者であることを発表して、それが活動に何の影響も及ぼさないという時代ではなかったんですね。
低迷していた彼女を再び表舞台引っ張りあげたのが、彼女の音楽を長く敬愛していたペット・ショップ・ボーイズのメンバー、ニール・テナントです。共演を申し込んだんですね。共演曲「What Have I Done To Deserve This」は英米で大ヒット。ドラマティックな復活となりました。彼女にしてみたら賭けであったと思います。
その後、8年ぶりとなるアルバム『Reputation』を発表。こちらもヒットしています。
