
先日、池袋のタワーレコードでアデルの新作アルバム『30』をやっと購入。 今年はもうこれでおしまい! と思っていたのですが、好きなSHAGのイラストが目に入り、もう一枚買ってしまいました。
『AFTERNOON SOFT ROCK』 と題された、ソフトロックばかりを23曲集めたコンピレーションCDです。SHAGのイラストをイメージとしてジャケットに使用したというわけです。タワーレコードの企画・選曲によるSHAGイラストのコンピレーションは他に2枚、11月に同時にリリースされています。
『CHILLOUT ACOUSTIC』 『NIGHTTIME JAZZY GROOVE』、それぞれのコンセプトのもとコンパイルされたCDです。

ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS / Don't Go Breaking My Heart (1968)
ソフトロックと言えば、『ロジャー・ニコルズ & ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ』 というアルバムを挙げないわけにはいかないでしょう。洗練を伴った甘美なメロディと美しいハーモニーは、ソフトロックのイメージそのものと言っても良いのでは。
90年代半ば頃、僕は新宿にあったある外資系CDストアに勤めていたのですが、ソフトロックという括りはその時代に登場したと記憶しています。 売り場で特集展開をしていましたからね。ロジャー・ニコルズのアルバムもその中の一枚です。 ロジャー・ニコルズって、本国アメリカではあまり売れていなくて、初CD化は日本でした。
ピチカート・ファイヴの小西さんをはじめとした、ブームにもなった渋谷系と言われたアーティストたちが、聴き手としてメロディやハーモニーが美しく、かつ洗練されたポップミュージックを発掘し嗜好していたというのも、カテゴライズ化の一因としてはあったと思います。ソフトロックというのは、日本で生まれた単なる ”くくり" とも言えますが、このコンピレーションはすごくいい内容です。 "ロック" と言うより、"ソフト" を強調した音楽だと解釈したほうが良いかと思います。
レコード会社や店舗など売る側の人間は、新たな "ジャンル" が生まれれば、埋もれていた曲の中から同じテイストを持った曲を掘り起こして一箇所に集めて展開し、「今はこれがブームだ!」 として拡販出来るわけで、商売としてはありがたいんですね。結果として、多くの隠れた名曲を掘り起こして音楽ファンに提供出来たわけですからそれで良かったと思うし、現在はカテゴリーのひとつとして定着しましたよね。

THE COWSILLS / The Rain, The Park And Other Thing (1967)
メンバーが家族によって構成された、いわゆるファミリーグループです。 以前に “雨の歌特集” として梅雨時に取りあげたことがあります。邦題は「雨に消えた初恋」。 いかにもオールディーズ的なタイトルですが、好きな曲なので再度選びました。
この曲が収録されていたのには少々驚きです。 これまでソフトロックとしては意識していなかったので。 ですがメロディもハーモニーも素晴らしく、確かにこれはソフトロックかも。声が若いのですが、メンバー皆 若い。兄弟の中には8歳の少女もいます。付き添い?のお母さんまで参加! 大家族みんなで演奏して歌うという姿からは、当時のアメリカのテレビドラマで見た中流家庭を想像してしまいます。
JOSH AGLE SHAG
アルバムジャケットにイラストを提供したJOSH AGLE (SHAG)について少しだけ。 シャグ(SHAG) は1962年、アメリカ・カリフォルニア州シエラマダ出身のイラストレーター。 本名はJOSH AGLE。名前の中の4文字を取り、いつからかサインには SHAG と記すようになったとのこと。 南カリフォルニア在住。現在イラストレーターとして引っ張りだこのようです。とても洒落ていてユーモアもあって魅力的なイラストです。
そんなSHAGの作風が好きなんですよね。 このブログでも2013年に一度記事にしています。それ以前から輸入書籍でイラスト本を探していたのですが、見つけるまでにとても苦労しました。おそらく現在のほうが入手しやすいかと思います。
女性へのクリスマスプレゼントとしてはお薦めのものですが、そんなことをここで言われても もう遅いよ! という声がどこからか聞こえてきそうです。(p_-)
NICK DeCARO & ORCHESTRA / I'm Gonna Make You Love Me (1969)
ニック・デカロはアレンジャーとして名高い人です。 山下達郎氏のラジオ番組を聴いているとちょこちょこと名前が出てきます。影響を受けたようです。 実はそれでこの人に興味を持ったのですが。
作風を言葉で表すならソフト&メロウ。元祖AORのようにも言われている人です。 「I'm Gonna Make You Love Me」 は、アレンジャー、プロデューサーとして知られたニック・デカロの、本人名義で出した初めてのアルバム 『ハッピーハート』に収録された曲です。
3曲のみの紹介記事でしたが、こういった音楽が気に入ったならば、『AFTERNOON SOFT ROCK』の他の収録曲も好きになると思います。やはり静かな午後の時間に、紅茶でも飲みながらリラックスして聴く音楽ということになるのでしょうか。
本ブログ、今年最後の曲です。(^^)

みなさま 良いクリスマスを
そして良い年をお迎えください。
