
11月5日、アバのニューアルバム 『ヴォヤージ』 がリリースされました! 1981年のアルバム 『ザ・ヴィジターズ』 以来の40年ぶりとなるアルバムです。
アバのニューアルバム! こうして手にしてみても、信じられないような気持ちです。あのアバですからね。リアルタイムで人気の最中にあった頃を知る世代として、幸運にも日本公演を体験することの出来たファンのひとりとして、感慨深いものがあります。 世界中のファンが同じような気持ちで、アバの再びの “航海” を体験しているはずです。
いくつかの曲を取り上げて、記事にしてみました。

I Still Have Faith In You
9月2日に、アルバムに先行する形で新曲2曲が発表されました。「アイ・スティル・ハヴ・フェイス・イン・ユー」 はそのうちのひとつ。 新たな “航海” は、4人の信頼の絆が現在も生き続けていることを確認するような曲から始まっています。 年齢を重ねたことによるものなのか、落ち着いた雰囲気も感じます。
アルバム 『ヴォヤージ』 のプロジェクトが本格スタートとなったのが2018年。 その時のセッションから生まれた「アイ・スティル・ハヴ・フェイス・イン・ユー」 と 「ドント・シャット・ミー・ダウン」 が、本格始動のきっかけとなり、アルバム制作へと発展していったとのこと。
When You Danced With You
2曲目はアバらしさが全開となった曲です。アバと言えば、米英のポップ・ミュージックとは明らかに色合いの違う、アメリカのR & B をルーツにもたない透明感のあるポップさを特徴としています。アバが登場した当時、他のポップ・ミュージックにはない新鮮さを感じました。
「ホエン・ユー・ダンスト・ウィズ・ミー」 は、アイリッシュ・テイストを取り入れた、弾けるようなポップ・ナンバーです。 どういった要素を取り入れても、アグネタとフリーダの声の響きに染まれば、それはアバ・ミュージックになってしまうんですよね。
Just A Notion
「ジャスト・ア・ノーション」 は、79年のアルバム『ヴーレ・ヴー』のために書かれた曲ですが、アルバムには収録されず未発表となっていた曲です。
今回、78年にレコーディングしたボーカル・トラックはそのままに、新たにドラムとギターを追加して録音された特殊な形態を持った曲です。 オールディーズ・ナンバー風の曲ですが、楽曲自体がとても素晴らしい出来。なぜ当時オクラ入りしてしまったのかはわかりませんが、こうして21世紀の音で日の目を見たのは嬉しいことです。
Ode To Freedom
アルバムの最後を締めくくるのは 「オード・トゥ・フリーダム」。 邦題をつけるとしたら、 “自由の賛歌” あるいは “自由の叙情詩” といったところでしょうか。
オーケストラと溶け合ったアグネタとフリーダのハーモニーが素晴らしい壮大な曲です。70年代のアバの成功後には、いくつもの男女混合ポップ・ヴォーカル・グループが登場しましたが、アバほど完成されたヴォーカル・グループは他にいませんでした。現在は崇高さも加わっています。
今回のプロジェクトを持って、アバとしての活動は最後となるようです。 “航海” と題されたアルバムのフィナーレは 「オード・トゥ・フリーダ厶」。 世界中のファンにメッセージを残して、メンバー4人が彼方へと旅立っていく姿をイメージさせます。
『ヴォヤージ』 は、11月12付 全英チャートで1位を獲得しています。
