
今回は、先月6日に80歳で亡くなられたアメリカのレゲエ / ポップシンガー、ジョニー・ナッシュさんの曲、「I Can See Clearly Now」 を。
ジョニー・ナッシュは、レゲエを世界に広めたアーティストとして知られています。 と言ってもジャマイカ人ではなく、テキサス州ヒューストン出身のアメリカ人です。60年代末、イギリスでは何人かのレゲエ・アーティストによるヒットもあったようですが、ジョニー・ナッシュの 「I Can See Clearly Now」 は、1972年11月に全米チャート (Billboard) で1位を記録する大ヒット。 巨大音楽マーケットであるアメリカでのヒットによって、世界中にレゲエという音楽を広めることとなったわけです。
まだ10代であった50年代末に、アイドル・シンガーのような形でキャリアをスタートさせたナッシュは、バラード・シンガー、ソウル・シンガーとイメージを変え、やがてジャマイカでも曲がヒットしたことにより、キングストンをプロモーション・ツアーで訪問。 レゲエのビートに魅了されていった、とのこと。
ジョニー・ナッシュ。 滑らかな声が魅力的ですよね。
そして歌詞、曲、アレンジともに素晴らしい曲です。 困難な道のりの後に、目の前が開け青空が広かってゆくようなイメージを持った曲です。 元気が出ます!
JOHNNY NASH / I Can See Clearly Now (1972)
素晴らしい曲だけにカバー曲がいくつもあります。大御所ではレイ・チャールズ。レゲエのレジェンド、ジミー・クリフもカバーしています。 個人的にはジャズ・シンガーのホリー・コールのヴァージョンを推したいところです。
以前にも記事にしましたが、ホリー・コールは、日本では都内の輸入盤店から人気に火のついたアーティストです。 国内発売以前のまだ無名であった頃、輸入盤バイヤーによってアルバム 『Blame It On My Youth』 (1992) が売場で紹介され人気を得た人です。「I Can See Clearly Now」 は、人気を得た後の、注目の中でリリースされたアルバム 『Don't Smoke In Bed』(1993) の冒頭に収録されています。
ホリー・コールには、交通事故によってアゴの骨を折るという、歌手としては致命的なけがを負った過去があります。それだけに、「I Can See Clearly Now」 には特別な思いがあったのではないかと想像します。
雨は行ってしまい 今ははっきりと見える
行く手を阻むものすべてがよく見える
暗い雲は消え去ったんだ
これからは明るくなる、太陽の輝きによって
見渡してみなよ、青空しかないだろ
真っ直ぐ見てみなよ、青空しかないんだ
HOLLY COLE TRIO / I Can See Clearly Now (1993)
ホリー・コール・トリオは、ピアノ、ベース、ヴォーカル というドラムレスのトリオ編成。トリオによる来日公演では、ウッドベースがボディをパーカッシブに叩いて役割りを果たしていました。
このところ気持ちの良い晴天が続いています。青空を見上げるたび、感染症によって世界を覆っている不安や混乱が嘘のように思えてしまいます。
空はやがては晴れるもの。 青空は奪えませんよね。
