モリ・カンテとワールド・ミュージック | Get Up And Go !

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西アフリカ・ギニアの歌手 モリ・カンテさんが、首都コナクリの病院で死去されました。 70歳 。
(5/22 AP通信)

モリ・カンテと聞いても知らない方も多いかと思いますが、87年にヨーロッパでミリオンヒットとなった「イェケ・イェケ」 なら、知っている方も多くいるのではないでしょうか。

初めてこの曲を聴いたのは、PVで曲を紹介する夜中に放送されていたテレビの洋楽番組であったと記憶しています。1987年あたりが 「ワールド・ミュージック」という言葉がメディアで使われ始めた頃です。

この「イェケ・イェケ」は、アフリカの伝統音楽とコンピュータで作られた電子音楽とを組み合わせた音楽スタイルが、新鮮に耳に響きましたよね。




Mory Kante / Yeke Yeke (1987)


西アフリカの「ワールド・ミュージック」としては、サリフ・ケイタやユッスー・ンドゥールなども、メディアで紹介され始めた頃です。その時代、仕事で出入りすることの多かった音楽店・六本木ウエーブなどは、「ワールド・ミュージック」の品揃えには力を入れていました。 この分野をマーケットに浸透させたという意味では、六本木ウエーブの貢献度は大きかったと思いますね。

現在では「ワールド・ミュージック」を当たり前のように自分のラジオ番組で紹介しているピーター・バラカン氏も、この分野の音楽に力を入れ始めたの90年代に入ってからです。 僕が新宿のヴァージンメガストアに勤めていた90年代も半ばの頃には、店内のDJブースから「ワールド・ミュージック」の情報を発信していました。あの方は興味を持った分野の吸収は速いんですよね。






「ワールド・ミュージック」 という音楽が耳に新鮮に響くのには、あまり耳にしない言語による歌唱と、やはりほとんど耳にすることのない民族楽器の響きというのがあると思います。

モリ・カンテの音楽の場合は、コラと呼ばれるひょうたん型の共鳴胴を持つ、とても美しい音色の弦楽器の響きが大きな特徴となっています。 カンテの歌声はとても素晴らしいのですが、コラ奏者としての腕前も確かな人です。

アフロ・ポップを広く認知させた「イェケ・イェケ」は、ハウス風ダンス・ミュージックですが、アコースティック色の強いアルバムも残しています。 ピーター・バラカン氏は追悼として自らのラジオ番組で、氏の好きだという 『Sabou』という2004年のアルバムから 「Mama」 という曲をかけていました。西アフリカの陽の光を感じさせる素晴らしい曲だと思います。




Mory Kante / Mama (2004)