ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
（原題：GODZILLA: KING OF MONSTERS) （2019 / ｱﾒﾘｶ）
● 監督：マイケル・ドハティ
● 脚本：マイケル・ドハティ、ザック・シールズ
● 音楽 : ベン・マクレアリー
〇 出演：カイル・チャンドラー / ヴェラ・ファーミガ / 渡辺謙 / チャン・ツィイ / ミリー・ボビー・ブラウン / サリー・ホーキンス 他
ストーリー
前作 『GODZILLA』 から５年後。 モスラ、ラドン、キングギドラ。 次々と復活する神話時代の怪獣たち。 そこにゴジラも現われて、怪獣たちと死闘を展開する。
怪獣たちの破壊による世界の破滅を阻止しようと、芹沢博士 （渡辺謙）、グラハム博士 （サリー・ホーキンス） 等の率いる巨大生物の調査・研究組織、モナークも動き出す。
今回の 『ゴジラ』 凄く楽しみにしていたんですね。 簡単に言うと、ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラが、ハリウッドのＣＧによってどのように描かれるのだろうか、そしてどのようなバトルを繰り広げるのであろうか、という事です。ゴジラに関しては２０１４年の前作と、『シン・ゴジラ』 でもＣＧによるそれを観ているので、特にモスラ、ラドン、キングギドラですね。
結果から言うと大満足でした。 幼少時、立川の汚い映画館で観た４大怪獣が、今 大泉の綺麗なシネコンでこんなにも凄い怪獣となって目の前に現れた！ そんなわけで、感動がいくらかの郷愁を伴ってやって来た感じですね。
ゴジラ （GODZILLA）. . . フォルムとして、「体も首も少し太いんじゃないの」 という意見もあるようですが、背びれが前作よりも大きくなっていて、全体のバランスとしてこれが凄く良くてカッコいいのです。 進化した感じです。力強さを感じて好きですね。 あの雄叫びはもちろん健在！
ラドン （RODAN）. . . 最も凶悪で獰猛さを感じます。顔も恐いです。 ゴジラであろうとキングギドラであろうと、恐れず突進していきます。 昭和のラドンは、翼の羽ばたきで福岡の街を吹っ飛ばしましたが、今回もその力は健在。 ラドンが低空で大地を飛べば人も車も建物も、跡形もなく吹っ飛びます。
モスラ (MOTHRA). . . 美しさにはちょっと感動でしたね。 鮮やかに光を伴って飛ぶ姿というのは、ＣＧだからこそ出来たのではないかと。 モスラはメス、いやクイーン・オブ・モンスター、怪獣の女王であり、映画の中でも特別な存在感があります。
キングギドラ （GHIDORAH）. . . 恐い、とにかくコワイ！ ゴジラよりもデカいしパワーもあるし、首が３つあってしかも凶悪な顔。 ゴジラに首をひとつ噛み切られしまうのですが、そこから新しい顔が生えてきます。宇宙怪獣なので、地球の生き物とは生態としての構造が違うのです。 ゆえに不気味。ひとつ注文があるとすれば、生き物らしからぬ電子音のようなあの鳴き声も再現してほしかったかなと。
今回の監督、マイケル・ドハティはオタクとも言えるほどに、子供の頃からのゴジラ・ファンなのだそうです。 随所に、日本のゴジラへのオマージュが散りばめられていて、ゴジラへの愛とリスペクトを感じます。 このあたりをどの程度感じるかによって、観るもののゴジラ・ファンとしての度合い・指数が測られるような気がします。
個人的には、モスラが倒れたゴジラを守るようにして覆いかぶさり、さらにキングギドラに突進いしていく場面を見たときに、懐かしい "昭和ゴジラ" のメンタリティを感じるとともに、監督のゴジラ愛を感じました。
『シン・ゴジラ』 は、ゴジラ映画としては別物と考えているので比較したくはないのですが、娯楽映画としては今回のゴジラのほうは圧倒的だし、王道を行くものなのではないでしょうか。 と言っても単なる娯楽映画でもなく、地球の環境問題も描かれていて、このあたりは 昭和時代の日本の公害問題が描かれた異色のゴジラ映画 『ゴジラ 対 ヘドラ』 もきっちり観ているという、マイケル・ドハティ監督の 『ゴジラ』 への理解の深さもうかがえます。
そしてドハティ監督が、ゴジラ映画では絶対に切り離すことが出来ないという、伊福部昭氏 （ゴジラ・メインテーマ）や古関裕而氏 （モスラの歌） の曲も挿入されています。 新しい『ゴジラ』らしい、ゴージャスで素晴らしいアレンジです。
GODZILLA KING OF THE MONSTER
Makig the Music by Bear McCreary
これは必見！ 必聴！
ＶＦＸ以外の人間ドラマの部分としては、やはり渡辺謙さんが出演しているというのが、感情移入という部分では大きいですね。それから、中国のスター女優・チャン・ツィイさんも出演していて、画面の中に東洋人の顔があるというのは嬉しいことです。
目の前にいないモンスターを前にしての反応って、演技者として難しい所だと思いますが、前作の 『ゴジラ』 の、謙さんの半開きの口のビックリ顔は今回も健在でした。 やっぱり怪獣への反応としては、あの顔が基本なんですかね。( ^o^)
