「あしたのジョー展」 に行って来ました! 東京スカイツリーのふもと、東京ソラマチで開催されています (5月6日まで)。 連載開始50周年を記念してのものです。少年マガジンに掲載されていた漫画の原画を中心に、アニメのセル画名場面なども展示されています。
これまで ちばてつや先生の原画展には何度か行ってますが、今回は 「あしたのジョー」に限定しての展示。 そして連載50周年ということで、スペースを割いて華やかに展示されています。 ひとつひとつの原画には、ちばてつや氏と生前の梶原一騎氏 (原作者) のコメント、そして梶原一騎氏の長男である高森城氏のコメントもつけられて展示されています。 何度か行ってるので 「またお会いしましたね」 の原画もありましたが、今回はこのコメントがとても興味深く、今さらながらまた 「あしたのジョー」 の世界に深く入り込んでしまいました。
50周年、そしてゴールデンウィーク中ということもあって、かなりの人出で賑わっていました。 若い世代の方でジョーの原画に見入っている姿を見ると、僕のような 「あしたのジョー」 をバイブルのように大切にしてきた人間からすると、とても嬉しい気持ちとなってしまうのです。
「あしたのジョー」 に少しでも興味のある方にはお薦めの展覧会です。
● 東京ソラマチ 5F スペース634 (東京スカイツリータウン内)
○ 午前10時から午後6時 5月6日まで開催
一般/大学生: 1200円
中学生/高校生: 800円
小学生以下: 無料
あしたのジョー ( 高森朝雄 (梶原一騎)・原作 / ちばてつや・画 )
「あしたのジョー」 が、少年マガジンにて連載開始されたのが、1968年(昭和43年)です。 僕はそこから数年遅れて放映されたテレビアニメの 「あしたのジョー」 がジョーへの入口となりました。
アニメのほうは出崎 統氏が監督をされているのですが、このひとの映像表現がまたすぐれていて、「あしたのジョー」 の世界を動画として見事に作品化しています。 声優のキャスティング (あおい輝彦=矢吹丈、藤岡重慶=丹下段平 他) も素晴らしく、原作漫画の素晴らしさをまったく損ねていないのです。漫画を読むと、いつだってジョーと段平のあの声が紙面から聞こえてきます。
燃え尽きるようにして生きたジョーの青春の鮮烈さは、いまだ多くの人の心をひきつけて止みませんが、大人になった現在、たまに読み返すジョーには、子供の頃には感じ取ることの出来なかった物語の深さを感じるところもあります。
力石をリングの上で死なせてしまい、心にポッカリと穴の開いてしまったジョーは、当て所なく街を彷徨います。 みなしごジョーにとっては、命を賭けて拳を交えてくれた力石は親友以上の肉親のような存在であり、失くしたことでその存在の大きさに気づくという場面です。 子供の頃は、「暗くて嫌だな」 と避けていた場面です。
彷徨い続ける街で、やはり力石を失い悲しみにくれる葉子と出会います。お嬢様育ちの自分に対し、いつも 「真実」 を突きつけてくるジョーを、葉子は心の奥底では深く愛しています。 正反対ともいえる境遇のふたりは互いに反発しあいますが、「あしたのジョー」 は、実はジョーと葉子のラヴストーリーでもあるんですね。
自暴自棄となるジョーに対し 「力石を死なせウルフ金串を引退に追い込んだあなたは、リングの上で死ぬべきだ」 という言葉を投げつけます。ジョーの物語を決定づける場面です。 さらにジョーは、池袋の映画街でやくざの用心棒に身を落としたウルフ金串にも出会うことに・・・。 とても子供向けアニメ、夜7時の時間帯で放送される場面ではありません。
力石とジョーの死闘を描いたあと、ちば氏は体調を崩し一時期連載の休止を余儀なくされます。 これは会場にあったちば氏のコメント。
「今思えば、梶原さんとボクも力石という大きなキャラクターを亡くし、ちょっと目標を失ったような喪失感を彷徨っていました」
予告編第53話 ~ 第71話。力石を失い街を彷徨うジョーはドサ回りのボクサーに。 ジョー復活のため葉子が南米から呼び寄せた野性のボクサー、カーロス・リベラとの対決へ
これはオマケ。

スカイツリーから少しだけ足を伸ばし、ジョーのふるさと山谷に立つジョー像のもとへ。 南千住駅下車、泪橋を越えてテクテクとやって来ました。 ジョーに会えて感動はしましたが、ちょっと微妙なとこも。
バンタム級にしてはデカすぎやろ! 180cm以上あるで ~!
髪形にもやや無理が。
正面から見ると、こうなってしまうんや!
(^-^;
さぁ! ゴールデン・ウィークはまだ続く。
財布の中身も気になる君の
あしたはどっちだ!
