マリー・クヮントのファーコート | Get Up And Go !

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マリー・クヮントは60年代に、ロンドン発のミニ・スカートで世界中にブームを巻き起こした、イギリスのファッション・デザイナーです。 現在その権利が日本のものとなっている MARY QUANT は、 日本国内では100店舗以上が展開されるファッション・ブランドとしてもおなじみです。 女性の方なら利用されている方もきっと多いでしょう。

今さらではありますが、最近あることがきっかけとなりずっとあの方の自叙伝を読んでいます。 20世紀ファッションの革新者のひとりとして、また 60年代イギリスで「スウィンギン・ロンドン」 と呼ばれたムーブメントの、自由で開放的な表現の震源となった人の言葉として刺激されることも多く、とても興味深くのめり込んでいます。



THE ROLLING STONES / She's A Rainbow (1968) ストーンズ
MARY QUANT !


50年代末にはすでに生み出されていたミニ・スカートを、60年代に入りマリー・クヮントはこれを商品化。 自分のブティックで売り出したことで若い女性たちの間で急速に広まり、ブームとなっていきます。 後に 「ミニの女王」 と呼ばれることになるモデルのツイッギーが着用したことにより、世界中で大ブームとなっていきます。

後にジョージ・ハリスン、エリック・クラプトンの妻となるパティ・ボイドも、マリー・クヮントのもとでモデルを務め、クヮント・デザインのミニ・スカートを着用しています。



PATTIE BOYD & TWIGGY


自叙伝には当時の英国のミュージシャン、俳優、写真家などの名前が多く記述されていますが、自由で開放的な当時のロンドンの雰囲気の中で、それぞれの分野を超えて互いに影響を与えあい刺激しあい、「スウィンギン・ロンドン」 と言われるブームが狂騒となって広がっていったようです。 当時のロンドンの熱さを感じますね。

後にローリング・ストーンズのマネジャーとなってバンドを世に送り出し、さらに音楽面で 「スウィギン・ロンドン」 を体現したイミディエイトというインディ・レーベルを設立したアンドリュー・ルーグ・オールダムも、マリー・クヮントのもとでアシスタントとして働いたことがあるそうです。




ジョン&シンシア; ジョンがかぶっているのは、マリー・クヮント製のレザーキャップ。


ビートルズのメンバーの中では、恋仲が噂されるほどにジョン・レノンとは親しく交流していたようです。 落ち込んでいた時にジョンから励ましのメッセージをもらったこともあるそうです。 彼女の記述には、「ジョンはとても優しく、反面 落ち込みやすい性格であった」 とあります。





ジョージ・ハリスン アイ・ミー・マイン展 ギター
というわけで、本日のメインエベント!
2月17日から3月11まで渋谷で開催された、「アイ・ミー・マイン展」 というジョージ・ハリスン生誕75周年を記念しての展覧会に行って来ました。 そしてジョージが着用したマリー・クヮントのファーコートを拝んできました。 そんなもの終わってしまってからではなくて、開催中に記事にしろよ! って話なのですが、事情があってギリギリの9日に行ったため記事にも出来なかったのです。

ジョージの手書き作詞原稿や未発表の写真が展示されていましたが、僕が最も感動したのは、ジョージが映画 『レット・イット・ビー』の、あのアップル・ビル屋上でのルーフトップ・コンサートで着用していた、マリー・クヮントのファーコートの本物を拝めたことなのです。 そうです、まさに拝んだのです。

中学生の頃、有楽町の映画館で初めて見た動くビートルズ。 「これがあの映画の、あの寒空の下のギグでジョージが着ていたコートなのかい!」 と、思わずガラスケースに顔を近づけて見てしまいました (^o^;)

近くにいた初老のご婦人ふたり、おそらく年齢から言ってあの映画をオンタイムで観たであろうふたりは 「これがあのコートなのね」と言った後は何も話さずじっと見ていました。 ほんと、じっと見つめていました。




THE BEATLES / Don't Let Me Down (1969)