ラトルズ 4人もアイドル! (原題: ALL NEED IS CASH ) (1978 / アメリカ)
● 監督・脚本 エリック・アイドル
● 音楽 ニール・イネス
● 主題歌 ラトルズ
○ 出演 エリック・アイドル / ニール・イネス / ジョン・ハルシー / リッキー・ファター / ジョージ・ハリスン / ミック・ジャガー / ポール・サイモン / ロン・ウッド / ジョン・ベルーシ 他
『ラトルズ 4人もアイドル!』 あるいは 『ザ・ラットルズ 金こそはすべて』 と邦題のついたこのテレビ映画は、1978年3月22日、全米NBCネットで放送されました。
内容はビートルズをパロディにしたコメディです。 ラトルズの残した伝説を探るため、エリック・アイドル扮するレポーターがその足跡を辿るという、ドキュメンタリー・タッチで作られたフィクションです。
60年代を築いた栄光のラトルズ
ダーク、ナスティ、スティッグ、バリー の4人のプレハブ・フォーの物語
以下が、70年代半ばごろ作られた4人の残した60年代の奇跡のいくつか。
1961年10月 薬屋のレギー・マウントバッテンは、ラットランド近くのクラブ、「キャバーン」 で4人を発見する。 当初4人の髪形も態度も音楽も嫌っていたが、アレの "輪郭" がまるわかりとなるピッチリのズボンを気に入る。 レギーは若い男の子が好きだったのだ。
ラトルズの初期メンバーは5人。 デビュー前はハンブルグの、ネズミの生息する 「ラットケラー」 でライヴを重ね腕を磨く。
レギーは4人にスーツを着せスタジオに押し込み新聞に売り込み、やがては全英でラットルマニア旋風が吹き荒れることに。 女王陛下の前で演奏する光栄に至った4人は勲章を手にするが、残された映像には演奏時あくびをする女王陛下が映し出される。
1964年アメリカ・NYに降り立った4人はアメリカでも歓迎され、やがて伝説となる 「エド・サリバン・ショー」 にも出演!
Hold My Hand (
冒頭はビートルズ出演時のエド・サリバン・ショーの映像から始まり、ラトルズにつないでいます。 ビートルズ・パロディではありますが、なかなか良質なポップソングなのでは。
1965年 映画 『ラットルズがやってくる』 完成。 同年に2作目の映画 『アウチ!』 も公開。 チェ・スタジジアムでの大規模コンサートも行われ人気は絶頂となるが。
しかし問題勃発。 ナスティがインタビューで 「ラトルズは神 (GOD) より偉い」 と発言。 ファンはアルバムを燃やし、大勢の人がやけどをします。 実はこの発言は誤解があり、ナスティが話した記者は難聴で、言った言葉は 「ラトルズはロッド (ROD STEWART) より偉大」 であったそうです。
Ouch! (
Ouch ! って、日本語にすると 「痛っ!」 とか 「あちぃ!」 とか、そういった意味。 僕が初めて見た 「最高にカッコ悪い "ビートルズ" 」 です。
1967年 ラトルズの芸術は最高潮に! 「ラブ・ライフ」 でテレビ出演し世界中放映でされることに。 ロンドンからの衛星生中継ではなく、ロンドンでビデオ録画されたものであったそうです。
話題に事欠かないラットルズにはスティッグの死亡説が。 その理由としては、いくら無口とは言え、1966年から口をきいていないこと。 アルバム『シャビー・ロード』 のジャケット写真で、ズボンを穿いていないことなどがあげられています。 ズボンを穿かないことは、イタリア式の死を意味するのだとか (^_^;)
Love Life (
イントロにはフランス国家 「ラ・マルセイエーズ」・・・ ではなく、アメリカ民謡 「リパブリック讃歌(賛歌)」。 日本では "おたまじゃくしはカエルの子 ~ ♪」 で知られたメロディです。
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このテレビ映画、78年 日本でも少し遅れて入ってきて、東京12チャンネル (現・テレビ東京) にて放映されたのを憶えています。 クラスの友だち間でもそれなりに話題になっていたし。 12チャンネルの他の番組でも 「アウチ!」 などは放映されていました。 局としてラットルズを押していたってことなのかも (当時はラットルズと言っていた)。
「アウチ!」 のクリップ映像を初めて見たときの笑劇は忘れられません。 実は当初から爆笑であったというわけではなく、はじめは 「なんだこのカッコわりぃ "ビートルズ" は! 」 でした。 僕はビートルズ第2世代でドップリの時期だったので、ビートルズそのものを対象化できていなかったんですね。 たぶん。
リアルタイムのビートルズ世代の方のほうが、過去の事として冷静にビートルズ現象を見れていたので、ラトルズをパロディとして楽しめたのではないかと思うのです。 パロディと言うのは、元ネタを熟知していればいるほどに楽しめるので、そういった意味でも。
ラトルズは、ボンゾ・ドッグ・バンドのニール・イネス (ジョン役) と、コメディ・グループ、モンティ・パイソンで人気があったエリック・アイドル (劇中ではポール役とレポーター役のひとり二役) のふたりを中心に、そこにギタリストとしてリッキー・ファター (ジョージ役) と、ドラムのジョン・ハルシー (リンゴ役) が起用され、ビートルズのパロディ・バンドとして結成。
ビートルズと60年代文化をパロディにして、4人によるおバカな物語が展開されます。そしてモンティ・パイソンでお馴染みの自虐的でブラックな英国流の笑いが根底にあるのが特徴です。 英国流のジョークって、日本人からするとそのセンスに神経を疑うこともあるのですが、ジョージ・ハリスンはこのビートルズを小馬鹿にしたような作品を受け入れレポーター役で出演しているし、ミック・ジャガーも、ラトルズの歴史を語るパロディ・インタビューで登場します。
そしてその音楽ですが・・・。 ニール・イネスの作る楽曲は 「アウチ!」 のように笑いが先行する音楽だけでなく、ポップ・ソングとしてすぐれたものもあります。 ビートルズを好きである方なら、すぐに元ネタが浮かぶはずですが、ビートルズ的なメロディやアレンジって、きっと普遍的価値のあるものなのでしょうね。 もちろん、それを取り入れるもののセンスによって、作品の良し悪しが決まるわけですが。
Get Up And Go (
ラトルズのルーフトップ・コンサート。 ビートルズの時みたいに寒そうじゃないし、観客も楽しそう!
因みに本ブログタイトル 「Get Up And Go」 は、断じてこの曲からとって付けたものではないと、ここに記しておきます。
今日 8月8日は笑いの日です! ハハ
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