
マドンナもシンディ・ローパーもデビューする前の1981年に、イギリスのオーディション番組から登場したシンデレラ・ガールがシーナ・イーストンです。「モーニング・トレイン」 「モダン・ガール」 と、シングルが続けて大ヒットし、デビューから続けて5枚が全米でトップ30入り。 映画 『007 / ユア・アイズ・オンリー』 の主題歌も担当し、80年代前半もっとも活躍した女性シンガーのひとりだと言ってもよいでしょう。
美人であったし日本でも人気がありました。特にショートヘアが印象に残っています。当時の日本の女優さんの中にも、彼女の髪形のイメージを意識した人がいたような・・・。
SHEENA EASTON / Modern Girl (1981)
シャーデーというのはグループ名で、ヴォーカルである女性の名前はシャーデー・アデューと言います。ナイジェリア生まれで、イギリスで育った女性シンガーです。シャーデーのような、ジャズやソウルを吸収してセンスよく混合させた音楽というのは、80年代前半にあってはまだまだ少ない時代でしたが、それが増えて行ったのは、シャーデー以降であったと思います。
日本で1988年から放送開始となったFM-ラジオ局、J-WAVE は、局の方向性からかこういったオシャレな音楽 (SMOOTH-JAZZ と言っていた) を好んでオンエアするようになっていきますが、シャーデーの音楽などはうってつけであったようです。
現在でも古さを感じさせない洗練された音ですが、歌詞については人種差別の問題を扱ったりもしていて、そのあたりを知る日本人は多くはないようです。
SADE / Smooth Operator (1984)
80年代の女性シンガーを語る時、マドンナとともに絶対に外せないのがシンディ・ローパーでしょう。 ふたりとも当時のニューヨークのシーンを背景にして同時期に出て来たということもあり、何かと比較されていました。
大雑把に言うと、マドンナは売れ線のダンス・ミュージュク。 シンディ・ローパーはパンクやニューウェイヴからの影響をうかがわせはしますが、それをポップにアレンジした音楽。マドンナは女性のセクシーさを強くアピールし、シンディは同時代の "普通の女の子たち" に語りかける様なスタイル。
ただふたりとも、MTVというヴィジュアル音楽の時代が求めていたキャラクターであることは間違いないと思うのです。 彼女のファッションは奇抜で派手なものですが、古着を自らアレンジしたようなチープな手作り感もあって、けっして "マテリアル・ガール" ではないのです。 そこがマドンナとの大きな違いですかね (精神性において)。
飾ることのない彼女はとても愛すべき女性です。 現在のライヴでも、彼女の印象は昔とまったく変わらず、多くのひとに愛されるキャクターです。
CYNDI LAUPER / Girls Just Want To Have Fun (1983)