
ザ・サンデイズ(THE SUNDAYS)。 80年代から90年代、ピュアで内向きなこういったギター・ポップ・バンドはイギリスには数多く存在しました。1990年にアルバム 『READING, WRITING AND ARITHMTIC』 でシーンに登場したサンデイズは、当時 UKインディ・シーンに君臨していたスミスの影響下にあるバンドです。
1987年に、ヴォーカルのハリエット・ウィーラーとギターのデヴィッド・ガブリンが出会うことによりブリストルで結成されたサンデイズは、89年のデビュー・シングル 「Can't Be Sure」 で、いきなりのイギリス・インディーズ・チャート1位を獲得。
ライヴも評判を呼び、メジャー・レーベルが争奪戦を展開。 しかし、バンドはスミスでおなじみのラフ・トレードというインディペンデントを選択します。 このあたりからすでにサンデイズというバンドの本質が見えてきます。
THE SUNDAYS / Can't Be Sure (1989)
「自分の存在が自分の音楽よりも大きな存在になってしまうことが嫌」 「今の世の中、目的があまりに不健全で、金に対する思惑が見えすぎている」。 メンバーのデヴィッド・ガブリンは当時そんなことを言っていますが、このバンドのピュアネスと言うのは今振り返って見れば本物であったように思います。 曲やアルバムが売れている時に、「今こそが売るべき時」と言う周囲の声にブレーキさえかけて、マイペースを貫くというのはなかなか出来ることではないでしょう。
かと言って「音楽で世の中を変えてやろう」 といった大上段に構えた姿勢は微塵もなく、それは音楽のピュアネスと直結しているように思います。 故に、多作というわけには至らず90年代に3枚だけアルバムを残したまま、活動の情報は途絶えてしまっています。その3枚目まで、彼らの作るアコースティックを基調にしたサウンドはほとんど変わることがありませんでした。
THE SUNDAYS / Here's Where Story Ends (1990)
ファースト・アルバムからの曲では、こちらのほうが印象に残っている人が多いかも。
サンデイズの音楽が支持されたのは、もちろん音楽そのものが魅力的であったからです。 ハリエットの透明感のある歌声と、デヴィットの繊細なギター・サウンド。 そしてこれはライヴで感じたことなのですが、シンプルながらドラムとベースのリズム隊も強固なものでした。彼等の作り出す純度100%のピュアネスは、それゆえの近寄り難さがあるわけでもなく、美しくも聴きやすいサウンドにもなっています。
90年(8月だったか)、渋谷のクアトロでの来日公演に行きました。 小さな会場で間近に見たハリエット・ウイーラーの可愛さといったら・・・。 「天使のような」 とか 「汚れのない原石」 といった形容が大げさでなくぴったり! いや、ウットリでした (*゚.゚)ゞ
THE SUNDAYS / Goodbye (1992)
こちらは92年のセカンド・アルバム 『BLIND』 からの曲。サンデイズらしい瑞々しさに溢れています。
ラフ・トレードが経営難となったため、2枚目以降のアルバムはメジャー配給となりましたが、レコード会社が彼等の音楽制作面に対して注文を出さなかったというのは、ある意味サンデイズの勝利とも言えます。 もっとも大人社会の狡猾さは、金にさえなれば何でもOK と言うことなのかも知れませんが・・・
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