シャウト! ザ・ビートルズ | Get Up And Go !

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ビートルズを好きなひとであれば、皮ジャンにリーゼント姿の彼らの写真を見たことがあるでしょう。襟なしスーツにマッシュルーム・カットとは違った彼らの姿を。
今回は、ビートルズの原点がロックン・ロールであり、そして最高のロックン・ロール・バンドであったことを証明する2曲を。

ロング・トール・サリー
1964年の発売当時(EP)は 「のっぽのサリー」 と邦題のついていたポール歌唱のロックン・ロール・ナンバー。オリジナルは、56年に黒人ロッカー、リトル・リチャードが発表したロックの古典です。ですが、完全にオリジナルを超えたビートルズのナンバーです。ポール・マッカートニーはこの曲を15歳の頃から歌っていたそうです。そしてビートルズ時代は、50年代末からコンサート・ツアーをやめる66年まで、ライヴでの重要なレパートリーとして演奏され続けました。

ポールが歌ったロックン・ロールの中でも最高のもののひとつでしょう。今、聴いてもやはり 「凄い!」という表現がぴったりの歌唱です。キーの高い曲であるのに、ポールの音域にはまだ余裕を感じます。もう唸るばかりですね。まだデビュー前のハンブルグ時代やキャヴァーンで演奏していた頃も、この曲が始まると客が異様な興奮状態となったそうです。理解はできます。






ツイスト・アンド・シャウト
63年3月に発売された記念すべきビートルズのデビュー・アルバム 『プリーズ・プリーズ・ミー』 に収録されています。こちらもカヴァー曲で、オリジナルは62年に黒人男性グループのアイズレー・ブラザースが発表したものです。この曲も、ビートルズはデビュー前からのライヴの重要なレパートリーでした。

この曲のジョンの歌唱も 「凄い!」。ポールの 「ロング・トール・サリー」 とどっちが凄いか!?。もう唸るばかりです。録音の経緯は有名です。この曲の録音時、長時間のレコーディング・セッションによってジョンの声は限界に近かったそうです。そして2テイク録音されたようですが、2回目の録音時ジョンの声はすでに出なくなっていたため、最初のテイクが採用されました。このヴォーカルの凄まじさは、限界ぎりぎりのジョンが渾身の力で声を振り絞ったということも大きな要因となっているのですね。

ジョージ・マーティンが 「キャヴァーンで演ると決まって大騒ぎになる曲であった」 と証言しています。







今年はビートルズ・デビュー50周年にあたります。つまりデビュー・アルバム 『プリーズ・プリーズ・ミー』 から50年ということです。ビートルズはデビュー前、リヴァプールではすでにライヴ・バンドとして評判であったため、ジョージ・マーティンはデビュー・アルバムを 「キャヴァーン・クラブ」 でのライヴ録音とすることも考えていたそうです。それが技術的に不可能であったため、『プリーズ・プリーズ・ミー』を、ライヴをスタジオで再現すべく録音したわけです。

冒頭の曲 「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」 での "ワン・ツー・スリー・フォー” のカウントでライヴが始まり、当時ライヴの最後に演奏されていた 「ツイスト・アンド・シャウト」を、そのままアルバムのラストに持ってきたということです。

ひとつのアイディアとして、やはり当時のライヴの看板曲であった 「ロング・トール・サリー」 も収録することは考えなかったのかなぁ と思ったりもします。ジョンとポールふたりの最高峰のロックン・ロール・ヴォーカルが聴けるアルバム。それこそが、ビートルズのライヴが最高であった時代の再現になった気がするのです。









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