
ポール・マッカートニー:マン・オン・ザ・ラン
(原題:Man on the Run )(2025 / イギリス・アメリカ)
● 監督: / モーガン・ネヴィル
〇 キャスト:ポール・マッカートニー / リンダ・マッカートニー / ジョン・レノン / ジョージ・ハリスン / リンゴ・スター / デニー・レイン / ショーン・オノ・レノン / ミック・ジャガー / クリッシー・ハインド 他
劇場では1日だけの上映となった、ポール・マッカートニーのドキュメンタリー映画『マン・オン・ザ・ラン』を、19日に吉祥寺オデヲンにて観てきました。ビートルズ解散後のポール・マッカートニーの軌跡に迫ったドキュメンタリーです。27日からはAmazon Prime Video での配信となります。サントラ盤も同日発売となります。ウイングスの元メンバーたちや、ミック・ジャガー、ショーン・レノンらのインタビューを収録。ホームビデオで撮影したと思われる貴重な映像もあり、見どころの多い映画です。
途中、映写機のトラブルで15分ほどの中断がありましたが、115分の上映時間はとても濃密な時間となりました。ビートルズのポール・マッカートニーは知っていても、解散後のポールのストーリーは知らない人も多いと思います。アーチィストとしては天才でも、1人の人間としては完璧とはいかず、数々の困難に直面し失敗もし葛藤にあえぎながらも前に進もうとする、その姿には感動を覚えます。
とりわけビートルズ解散直後、他のメンバー3人と仲違いをし四面楚歌となった時のポールは酒浸りにもなったそうですが、それでも引きこもった自宅農場で曲作りを進めていく姿には胸を打つものがあります。そんなポールに寄り添い支えるリンダの姿もまた然りです。この時期のポールがインタビューとして語った言葉に「成長することが唯一の計画だよ」というのがあります。この映画は、ひとりの人間の再生の物語なんですね。
ビートルズが解散した1970年4月に発表したポール初のソロアルバム『McCartney』は、4トラックの録音機材を使用して自宅で録音したアルバムです。すべての楽器をポールひとりで演奏したこのアルバムは、まるでデモテープのようなラフな作りで、当時はメディアによって酷評されたそうです。ですが今ならよくわかります。ポールの人間らしさ人間臭さの詰まったアルバムなのだと。
ビートルズ時代の華やかさとは打って変わっての哀愁を漂わせたこのアルバムは、まぎれもなく当時のポールのありのままの表現であるのだと。忘れてはならないのが、装飾を取り払ったがゆえに際立つ、ポールの作るメロディの素晴らしさです。ポール・マッカートニーは天才的なメロディ・メーカーです。
Junk
1st.アルバム『McCartney』に収録。マッカ印のメロディです。生粋のロッカーでありながら、こういったメロディも書けるのがポール・マッカートニーです。
Maybe I'm Amazed
この曲も『McCartney』に収録。妻・リンダへの愛を歌った曲。リンダがバックコーラスで参加。 現在もポールはこの曲をライヴで歌い続けています。天才ポールは、家族を愛する普通の男でもあるんですね。農場時代のポールの生活が想像できる、とても好きな映像です。
やがてポールは再びバンドを組み、大学のホールなどを回る小さなライヴからコンサート活動を始めます。バンドを軌道に乗せたポールは『Band On The Run』『Venus And Mars』『At The Speed Of Sound』といった傑作アルバムを生み出し、全米も制覇しバンドはピークに到達します。
その後、日本での逮捕・拘留、ジョン・レノンの死 など長く曲がりくねった道を歩むわけですが、音楽家としてはとどまることなく素晴らしい作品を生み出し続けています。そしてそれは現在も続いています。
映画の最後、劇場上映限定で現在のポールのインタビュー映像が加えられていました。変わらず元気そうでした。もう一回ぐらい日本に来てくれそうな気がします。
(^^♪
ps. 吉祥寺オデヲンは、吉祥寺に住んでいた30数年前、何度も足を運んだ古い映画館です。今回の映画、そのオデヲンで観れたのも僕にとっては嬉しいことでした ☆
