Get Up And Go !

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音楽を中心に、映画、文芸、スポーツ など・・・。

より高く! より深く! けれど優雅に・・・ 冗談も好きなんですけどね (*゚.゚)ゞ







ROCK FEEL, ROCK FIELD #14
70年代は、ロックで使用される有名なギターとしてはレスポールと共にストラトキャスターの名前がまず挙げられました。テレキャスターももちろん有名なギターですが、こちらは少し通好みだった気がします。

今回はストラトの使い手として、そしてロック・ギタリストとして僕が最も敬愛するギタリスト3人のストラト・サウンドを集めてみました。ストラトキャスターの音としては、王道からは外れているものもあるかもしれませんが、そこは僕個人の好みということで。それぞれに素晴らしい音色を持ったギター・プレイです。


RORY GALLAGHER / A Million Miles Away (1973)
アイルランドの誇り。 熱血ギタリスト、ロリー・ギャラガーが'73年に残した名盤『TATTOO (タトゥー)』に収録された、ロリー・ギャラガー屈指の名曲です。

"100万マイル離れて" という邦題のついたこの曲は、世界中を旅してのライブを生業とする、ツアー・ミュージシャンを歌った曲です。哀愁漂うメロディからも、故郷や家族を離れブルーな気分で酒場で飲む風景が想像できます。ゆえに、同業者であるミュージシャン仲間たちからも愛されている曲です。

ブルースで培った繊細な感覚が、ギター・プレイから滲み出ています。そしてこの曲をさらに一段上の名曲に押し上げているのが、有名な塗装の剥がれ落ちた61年製ストラトキャスターの音色です。素のままのオールド・ストラトキャスターの、この美しさに匹敵する音色を他に見つけることが出来ません。





DEREK & THE DOMINOS / Bell Bottom Blues (1970)
『LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS』は、ロック史に残る名盤と言ってもいいアルバムです。何といっても名曲「Layla」が収録されているわけですからね。そしてやはり熱い恋を美しいメロディで歌い上げた、「Bell Bottom Blues」というラヴ・ソングも収録されています。

この曲はずっとパティ・ボイドへの想いを歌った曲だと思っていましたが、どうやら違うようです。クラプトンが、コンサート・ツアー先のフランスで出会った女性を歌った曲とのこと。この曲の共作者であるボビー・ウィットロックが明らかにしています。クラプトンは女好き、、、もとい恋多き男ですからね。

僕が初めて聴いたクラプトンのプレイは、クリーム時代の歪んだ音によるハードなプレイではなく、70年代に入ってからのレイドバック期のリラックスしたプレイのクラプトンです。クラプトンはザ・バンドやデラニー&ボニーの音楽にかなり熱を上げていたようです。「Bell Bottom Blues」でのクラプトンは、レイドバックを意識して意図的に雑に弾いているように僕には思えます。

重ねて録音されたストラトキャスターのサウンド。独特の繊細さを持ったソロの音は、ハーフ・トーンというマイクとマイクの間にセレクトを固定して両方のマイクのサウンドを出した音です。アルバム全体での特徴的なサウンドとなっています。

クラプトンらと共にデレク&ドミノスを結成し、名盤『愛しのレイラ』を生み出したボビー・ウィットロックは、8月22日に亡くなられています。77歳。

R.I.P Bobby Whitlock





STEVIE RAY VAUGHAN / Little Wing (1991)
スティーヴィー・レイ・ヴォーンは、いまや伝説のギタリストです。これまで世界中に数多くのフォロワーを生み出しています。ストラトキャスターの使い手としては達人級です。というより、人間ワザとは思えないような瞬間があります。

兄であるジミー・ヴォーンは「奴はラジオのダイヤルを合わせるようにしてギターを弾き始め、ダイヤルが合ってしまえばあとは音が流れ出ていくだけだ」と言っていました。これはイタコ? チャネリング? スティーヴィーのライヴ映像を見ていると、確かにそんな風に思える瞬間があるんですね。

「Little Wing」はスティーヴィーの死後に発売された未発表曲集『THE SKY IS CRYING』に収録されたジミ・ジミヘンドリックスのナンバーです。スティーヴィーはインストゥルメンタル・ナンバーとしてカバーしています。

初めて聴いた時はぶっ飛びました!凄い! と。チューニングを半音下げ、常人では使わないような太い弦を使用して弾いています。出てくる音は時に豪快、時に繊細です。ストラトキャスターの持つ多様な音、多彩な音をすべて引き出していると言ってもよいプレイです。

スティーヴィーはジミ・ヘンドリックスを崇拝していました。この曲でのプレイはジミと同化し、さらにそれを超えてしまっているように思えます。






13歳の時に友達とバンド(ごっこ)を始めた時に買ったギターはテレキャスターでした。グレコのコピーモデル、2万5千円の安物でした。そこからストラトキャスターを弾こうと思って手にするまでに、10数年を要しました。ストラトキャスターはテクニカルなギタリストが弾くギターというイメージをが強く、自分で敷居を高くしてしまったというのがあった気がします。。

言い方を変えると、テクニックのあるギタリストでないとストラトの持つ良さを引き出すことが出来ないのではないかと。ま、ヘタでもヘタなりの音は出るし、何も考えずに洗練されたデザインがカッコいいからでもいいんですけどね。
(*^^)v