こんにちはカネシゲです。

 

先日、4年ぶりに東京に大雪が降りました。

 

普段降らないところに降るといろいろなトラブルが起こって大変ですね。

そんなニュースを見ていてふと思い出したことがあったので、今回はそのことについてお話させていただきたいとおもいます。



2018年、私が介護事業所の代表をしていたときですが、都内に積雪23センチという大雪が降りました。

朝起きたら外は一面の銀世界。

ここで一つのトラブルがありました。


その日、ある車いすの利用者さんが外出する予定があったのです。

道路には雪が20センチ以上積もっている中で、その利用者さんは事前の予定通りヘルパーさんと共に車椅子で外出しました。

しかし一緒に行ったヘルパーさんは

「こんな雪が積もって危ないのになんで事業所は中止と言ってくれないんだ。それに雪の中行った挙句やったことといえばパンツとシャツを買っただけ。くだらない!もう二度といかないぞ!」

とお冠で、私も激しく詰め寄られました。


たしかにあの状態での外出は大変だし実際危険も伴うと思いますが、だからといってエイヤと白黒を決めるのは難しいです。


外出は障害者にとっても健常者にとっても、必要性だけで行うものではありません。
そこには精神的な要素も多分に含まれています。

そういった現実がある以上、リスクを百も承知で、それでも行きたいという利用者さんの心情を慮った場合、絶対に駄目だとも言いにくいのです。

今回の件で言うと、めったにない一面の銀世界を健常者と同じように散歩してみたかったのかもしれません。

そういう普通の願望を「障碍者は危険だから駄目」と一律に禁止してよいのだろうかと思います。

また逆にヘルパーさんの方も、実は腰痛を抱えながら薬を飲んでだましだまし働いていたのかもしれません。そう考えると、今回のような強い不満も納得できます。


当時ヘルパーさんから抗議されるなかで、私は事業所の代表だったし、その利用者さんも幼なじみで性格もわかっていたので

ヘルパーさんには

「前から決まっていたことだし我慢してよ」

ということくらいしか言えなかったのですが、時間が経った今、改めて当時どうすればよかったのかを考えてみると、お互いの心情をお互いが知る「対話」が必要だったのではないかと思います。

もちろんそれには利用者さんとヘルパーさんの資質や関係性も重要になってきます。

初対面でもそういうことをサラッとできる人もいるし、何年付き合ってても自分からは言い出せない人もいる。


実は私もその時用事があり外出したのですが、あまりにも雪が凄かったのでヘルパーさんと相談して早々に引き返し、「雪が凄かったね」という一言で終わりました。

同じ状況でも人が変わっただけでこうも話が変わるのが介護の難しさなのです。💦


このように一見「正しい」と思える主張も、立場や見方が変われば簡単に変化します。


なので、お互いが「障碍者の権利!」「労働者の権利!」と自分の正しさを主張し合って衝突するのではなく、お互いが相手を慮って白や黒ではないグレーも考慮に入れて、対話の中から納得できる道を探っていく。

特に一緒にいる時間が長い重度訪問介護は、互いにそういう努力が求められると感じるのです。