先日同じ後継者仲間から、こんな相談を受けた。
「自社の社員で何をどう言っても、働かない社員がいて、ほとほと困っている。」
この相談を受け色々話しているうちに、大切な事に気が付いた。
今回の相談者は自社社員があまり働かない理由として、ただの怠慢だと考えているようだが、
本質はそうだろうか。
もっと根深い所に何かがあるように思った。
こういった事に限らず、本質を知ると言うのは大変重要で、
ビジネスにおいては避けては通れない作業になる。
・何をどう言っても伝えられない、変えられない。
・改善を繰り返しても同じトラブルが起きる。
・言動が伴わない。
・交渉事や商談などで入口と出口が必ずずれる。
上記以外にも様々なパターンがある。
では本質を知る事の重要性の理由としても多数考えうるが、
・起こっている事象の解決や、発展の為の材料
・適切なアドバイス、改善策を模索する為の材料
・相手の本心(発する言葉の意味)を理解する
他にも様々あるけど・・・
要は整合性が取れないとき、辻褄が合わない時、納得が行かない時というのは、
たいてい相手の言っている事や、起きている事象の本質を捉えられているとは言い難い。
そもそも「本質」とは、どういう事なのか。
辞書で調べると、
1 物事の根本的な性質・要素。そのものの、本来の姿。「―に迫る」「―を見きわめる」
2 哲学で、存在するものの基底・本性をなすもの。
根源、根底、原因、本当の気持ちと言った所だろうか。
この本質をいとも簡単に理解するには、よっぽど信頼関係が出来あがっている関係や、
伝え手が相当素直でないと、簡単には本質は出て来ない事が多いように思う。
また、その本質を伝え手自身が理解出来ていなく、
双方が着地点も分からず、浮遊しているような会話のパターンも、
ビジネスではよく見受けられる。
ではどのように本質を引き出せばいいのか。
簡単に出来る事はまず、
相手の立場に自分を置き、同じ目線で物事を考えて見る事。
これが手っ取り早いと思う。
自分の世界観とは違う事が見えてくる事もあるし、
その世界観が違えば到底、理解に苦しむかもしれないが、
信頼関係を構築するとは、まずは相互理解から始まる。
相互理解が根底にあり、お互いに意見交換をする事でその関係性に深みが増し、
抽象的だが、「思いやり」「優しさ」「相手の為に」などが伝わりやすいかもしれない。
私もよくホテルマン時代に、本当の意味での「相手の為に」
という事には相当に悩み、先輩や同僚と意見交換をしてぶつかった記憶がある。
ゲスト1人、1人が違う感情を持っていてその感情に合せてサービスをする訳で、
相手の為に、相手の立場に立って、相手の視線で考える事が最低条件になってくる。
そもそも人はそれぞれが違う環境で育ち、違う心を持っている為、全く同じではなく、
何も言わず相互理解が出来れば、何より楽で効率性も上がるだろうけど、
関係性はそこ止まりで、それ以上の関係性になる事はなかなか無いよう思う。
熟慮・察知 → 行動 → 結果 → 考察 (繰り返し)
このプロセスを繰り返す事により、相互理解が増し、受入れ、尊敬が生まれる。
そして相互理解を経て、お互いの経験値が積み重なり、そこで初めて、
何も言わなくても理解しあえる関係性が出来上がってくると思う。
この関係性に行きつくまでの期間が、短い、長いはあるにせよ、
良きビジネスパートナーとはこの経験値の深さに比例してくると言っても過言ではない。
双方の理解度が深い程、過去に経験した事象であれば、
「彼ならこうするから、私はこうしよう。」
「彼女はここが苦手だから、前持ってカバーしておこう。」
こういう、やりとりが出来るのも、
相手の立場に自らを置き、同じ目線で、物事を考える。
この3つを繰り返し、相互理解が深まっているからこそ、なし得る事だと思う。
人それぞれ考え方があるが、日本人は特に自身の考えを、伝える事に不得手だと言われる。
これが、信頼関係がない相手にはなおさら伝える事は困難で、
仮に信頼関係があっても、恐れや不安等を理由に気持ちにフタをしてしまいがち。
お互いが歩み寄り、相互理解を深める努力があって始めて前に進める。
もちろん日本人の特性で、言葉は無くても、察し、感じる事が出来る部分もあるかもしれない。
しかし、これはビジネスの世界に限って言えば命取りになる事が多いし、
最近は多種多様な考え方が入り乱れ、自分自身の視野だけで察し、感じても、
本質からずれている事もよくある。
だらだらと書いたが、
要は
「本質を見抜き何がボトルネックになっているのかを早急に見つける事。」
これが、プレイヤー層でも、経営層でも重要になって来ると思う。