政治家は使い捨てだ | BOBlog

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朝日社説(2006年11月28日)
11人の復党 「刺客」は使い捨てか

 来夏の参院選挙に勝利するには避けて通れない。いや、かえって世論の反発を買う――。安倍首相は迷ったあげく結論を間違えたのではないか。
 郵政民営化法案に反対し、自民党を離党させられた衆院議員11人が復党する運びになった。
 確かに、自民党には願ったりかなったりだ。昨年の総選挙で、逆風の中を無所属で勝ち抜いた議員たちの後援会組織は固い。これがフル稼働すれば、とりわけ参院選の勝敗を左右する1人区では絶大な力になるだろう。
 しかも年内に復党が実現すれば、11人分の政党助成金2億5千万円が党に転がり込む。民主党との一大決戦になる参院選に向けて、一石二鳥の構図ではある。
 離党した議員のうち、誓約書を出し渋った平沼赳夫元経済産業相の扱いは先送りされた。今後は総選挙で落選した議員にも「踏み絵」を迫り、復党させる方向のようだ。選挙に有利なら理屈はいかようにもつく。なんとも旧来型の自民党らしい決着と言える。
 お気の毒なのは「刺客」の面々である。「自民党は改革政党に生まれ変わった」と言う当時の小泉首相に共感して立候補し、「地盤・看板・カバン」で圧倒的に勝る造反議員たちと戦った。多くが党の公募に応じ、選挙直前に選挙区を割り当てられた。
 彼らの戦いぶりはメディアの注目を集め、小泉自民党のイメージアップに貢献した。だが、強固な組織力を持つ離党議員が戻ってくれば、居場所は宙に浮いてしまう。わずか1年余で使い捨てかと、彼らが怒るのはもっともだ。
 小泉氏を信じて票を投じた有権者も、ハシゴをはずされたくちだ。次の選挙でぜひその怒りを表したい、と思う有権者も多いのではないか。安倍首相も安閑としてはいられないだろう。
 改革継承を掲げる首相だが、これではいくら「新しい自民党」「政策本位」と叫んでみても説得力を欠く。刺客作戦も今後は通用しまい。有権者は興ざめだし、こんなにあっさり使い捨てでは引き受ける候補者もそうはいないだろう。
 刺客探しの土台を提供した候補者公募制度は、もともと安倍氏自身が党改革の象徴として旗を振ったものだ。この新機軸が早くも色あせてしまった。
 それにしても解せないのは、復党問題についてほとんど考えを語ろうとしない小泉氏の姿勢だ。
 前首相のイエスマンと呼ばれた武部勤前幹事長は、復党を明快に批判する。
 「小泉さんが国民に与えた期待を裏切れば、自民党も安倍首相もあっという間に使い捨てにされる」
 総選挙で前首相は「改革政党への脱皮」を有権者に約束したはずだ。安倍首相はこれを反故(ほご)にし、もとの「古い自民党」へと逆戻りさせるつもりなのか。そんな批判が込められている。
 
小泉氏は国民に向けて、この問いに答える責任がある。


小泉元首相は11月7日に「政治家は使い捨てだ」って発言してますよ。しかも1年生議員に向かって。ヾ(^_^;

安倍首相も昨日の朝日記事 によると、

「政治の場における決断は、政治家である以上、それぞれ選挙で審判を受けるということになる」と語り、こうした点も含め、次の衆院選で判断を仰ぎたいとの考えを示した。

とのこだし、何で今さら小泉首相が国民に説明せにゃならんのや?!


【ご参考】産経抄(2006年11月10日)
 小泉純一郎という政治家は、強運の星の下に生まれた宰相だったとつくづく感心させられる。首相を退いてから盟友であり、国際政治の場で小泉氏の後ろ盾となっていたブッシュ米大統領が中間選挙で上下両院とも敗北した。
 政権が続いていたら余波をザブリとかぶりかねないところだったが、今は楽隠居の身だ。気楽になったせいか、1年生議員を集めた会合で非情かつなかなか味のある発言をしている。
 「政治家っていうのは、常に使い捨てされることを覚悟しなければならない。使い捨てられるのがイヤだという人は国会議員にならない方がいい」。小泉チルドレンの生みの親から「郵政造反組の復党反対」といった甘い激励の言葉を期待した出席者は、目を白黒させたという。
 対テロ戦争を主導し、米軍再編と軍事革命(RMA)を推進してきたラムズフェルド国防長官のクビをブッシュ大統領は躊躇(ちゅうちょ)なく切った。政権の重鎮でも有権者の支持を失えば使い捨てられるのが、政治の世界。そういう基本がわかっていない国会議員のなんと多いことか。
 もう一つ深読みすれば、小泉氏の「使い捨て」発言は、1年生議員ではなく、本当は安倍晋三首相に対して向けられた叱咤(しった)激励ではなかったか。竹下登元首相も「総理大臣は1期2年の使い捨て」が口癖だった。
 ラムズフェルド長官の退場で、イラク政策など米国の国防政策が大きく変わる可能性もでてきた。普天間飛行場移設をはじめ米軍再編にも影響が出かねない。内外にアンテナをはりめぐらせ、国際情勢の変化に機敏に対応せねば長期政権など夢のまた夢だ、と。共和党の敗北に気を良くしているであろう金正日総書記に高笑いさせないためにも、首相には全力疾走をお願いしたい。