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北海道大好き、Seaweed Engineering Nori'sブログです。

本日は思う所あり、銃猟や狩猟についての事、そして法改正案に反対!について書かせて頂きました。


https://mainichi.jp/articles/20240118/k00/00m/040/229000c


お時間のございます読者の皆様は、ぜひこちらの記事をご一読ください。


私も北海道で銃による狩猟、及び小樽市内にてエゾシカやヒグマの駆除を行なって10年未満の、未だライフルを所持出来ない散弾銃(ショットガン)を持つハンターです。




そもそも、ライフルとは何でしょうか?


画像の「銃身」の内部には「螺旋(らせん)」が切ってありませんが、「銃身内に螺旋が切られているもの」を総じて「ライフル」と定義します。


現在の銃刀法、ライフルを所持する為には、「散弾銃の所持許可を10年連続で受けている」ことが条件となるわけです。

ライフルは射程距離が長いので危ない、過去に猟銃としてのライフルを使用した凶悪な犯罪があった、という事ですが、これまた法律では、「ライフルで獲って良いのはクマとシカ、イノシシ」に限られていまして、鳥類やキツネ、タヌキなどをライフルで撃つ事は出来ません。

対して散弾銃にはその制限がありません。



http://j-hunters.com/intro/target.php


そもそも狩猟可能な鳥獣、これも法律で決められております。

詳しくはリンクを参照して下さい。

この辺が分かりづらく、誤解を招きやすいポイントだったりするわけですが…




※撃ち終わった後の空薬莢です


さて、エンジンのバルブと同じく傘のようになっている散弾銃の実包(弾)。



※空薬莢です


「薬室」と呼ばれる部屋に密閉された実包の、真ん中にある「雷管」をポンチで叩く事で発火、次いでそこに詰められた火薬が激しく燃焼し、銃身内で加速された弾を発射するという仕組みです。


薬室は燃焼室、雷管はスパークプラグ、火薬というのは混合気であり、詰める火薬の量が圧縮比に相当するような感じです。


そして現代の銃に使われる無煙火薬には酸化剤的なものが入っており、例えば宇宙のような酸素が無い場所でも燃焼します。

コロニー外でのザクマシンガンはあり得るのか!というお話はちょっと置いといて、「何を込めるか」により、極端な話、致命傷にならないゴム弾のようなものも存在するという事です。

まさに万能な散弾銃。

ショットガンは昔から人々に重宝されて来ました。



※実包は銃と違う建物に保管するのが理想


こちらはクレー射撃や、鳥などを撃つ時に使う「散弾」です。

1発約90円ほど。




この粒々の大きさには番手があり、獲りたい獲物のサイズなどを考慮して大きさを変えます。

この大きさですとクレー射撃用の他、キジバトサイズの鳥や、肉が柔らかいエゾライチョウ向けとなり、カモやカラスに対しては少し威力が足りないような印象となります。


このいわゆる「バラ弾」を効率良く発射するためには、ただのパイプが適しており、回転を掛ける為の「螺旋」は邪魔になるのです。

螺旋のある銃身では散弾がドーナツ状に広がり、標的には当たりづらいとされています。




散弾の場合、先っぽに取り付ける「チョーク」にて「絞り」を設け、広がりを調整する事で射程距離を可変します。

絞るほどに射程距離は延びますが、的は小さくなり、最大30〜50mのような感じです。




※実包の保管場所として別の建物が困難である場合にも、違う部屋に鍵付きロッカーを固定して保管します


では、鳥撃ってて急にクマが襲ってきたらどうするの!?

シカが飛び出してきたらどうするの!?

ということで、スラッグ弾、いわゆる1発弾というものがこちらです。

スラッグにも様々な種類がありますが、こちらの非鉛ハイブリッド装弾は、1発約660円。


これは一応「フル」と呼ばれる遠距離用最大絞りのチョークを付けていても発射可能です。

何度も言いますが、散弾を込めれば鳥、スラッグを込めればシカ、と撃ち分けられるスグレモノが本来、散弾銃(ショットガン)という銃なのであります。



※銃及び実包の保管場所は、警察官が家の中まで確認しに来ます

ここでNGですと所持許可はおりません



パッケージのように着弾した後に先っぽが内部で飛散、ダメージを底上げしています。

しかし、これの射程距離は頑張って50mチョイ。

出来なくはありませんが、100m先の走るシカに当てるのは至難の業です。

北海道はその広大な敷地により、距離100mを超える獲物への発砲というシチュエーションがとても多いです。

1発で仕留められなければ、野生の動物に対して相当な苦痛を与える事になってしまいます。

命を奪うのであれば、可能な限り苦しませない方法が最適と考えます。


そして、やはり突然出会したヒグマに対して、です。

ヒグマとはいえ、このスラッグ弾を数発撃ち込めば倒せるでしょう。

しかし外せばヒグマは確実にハンターを殺しに来ます。


もしも100mで。

万が一、50mで外せば…


50mといえば運動不足のオッサンでも、10秒とかからずに詰められる間合い。

ヒグマのマックスは時速60kmともいわれていますので、考えるだけで恐ろしいです。




今年に入り3頭のエゾシカを、「その他の猟銃」と区分される、ハーフライフル銃身を備えた散弾銃にて獲りました。

これはハーフライフルの射程距離があってこその猟果です。


そのハーフライフル専用の弾が、この「サボットスラッグ弾」です。

サボットと呼ばれるプラスチックのカートリッジに包まれた弾が、銃身内の螺旋に沿って、回転しながら飛びます。

こちらは1発約1,300円。

これを外すという事は、山岡家の特製味噌チャーシュー(大盛り)を、山に向かってブン投げる事と同義であります。


アメリカ等でも、州によっては法律でライフル規制がされている所がありまして、そこでも使えるよ!というのがこのタイプなのだそうです。




仕留めたエゾシカを解体中に、カチリとナイフに当たるものを取り出すと、見事に開いたサボットスラッグ弾の銅弾頭でした。


天然記念物のワシなどがこれを残滓(死体)と共に飲み込んで中毒になるので、北海道では鉛弾は法律で禁止されているのです。

銅弾頭のサボットスラッグ弾は高価なのですが、実際に山に入るとエゾシカの残滓を狙うオジロワシを見る事が出来ます。



日本において、ライフルまでは10年だけど、銃身の螺旋を半分だけホーニングして削り落とせば、定義としてこれはライフルとは呼べないッスよね?

そもそも散弾銃ですし。

300m先のエゾシカを簡単に倒すライフルとは、そもそも弾のもつエネルギーが違いますよね。

そしたらハーフライフルなら10年とか待たずに、1年目から使っていいですよね?

現状はそんなところです。


しかしこの、「半分だけ切られた螺旋」の効果たるや凄まじく、射程距離はなんと約150m。

200m先にヒットしたらすげえ!という感じですが、通常のスラッグ弾と比べて命中精度は格段に良く、ヒグマも難なく倒すパワーも持っています。




今回、このハーフライフルにつきましての法律改正案が物議を醸しているわけです。


警察庁による、規制や罰則の強化を盛り込んだ銃刀法の改正案提出のにつきまして、長野県で起きた例の事件を引き合いに出されているわけなのでありますが…


散弾でもパチンコ玉くらいの大きさの弾を発射する高威力なものもありますし、ハーフライフルであるからこその理由というのが見当たらない。

規制するところが違うと感じるのです。

そもそも、そんな容疑者のような人物に許可を出したのはどこの誰なのでしょうか。



https://gunshop.co.jp/products/shotgun/s-browning_a-bolt/456


北海道での狩猟、エゾシカ、ヒグマの駆除を新しく始めるとなると、命中精度の問題から、もう「ボルト式ハーフライフル」一択であります。

誰が何を言おうがコレが最適です。

銃砲店でもこちらをかなり強く勧められます。


しかしこのボルト式ハーフライフルは、銃身を交換する事が出来ませんので、もしも規制されれば所持そのものが不可能となります。

結果、10年経ってライフルを所持するにあたり、その先もこの銃を所持する理由は見当たらないという事です。

射程距離はライフルの方が長く、威力もあり、弾も安いのです。

通常は中古として10年未満のハンターのため市場に出るか、廃棄される運命ですが、ハーフライフルそのものが規制されるとなると、これはもうゴミ同然の扱いとなり得ます。


そして何より。

前述いたしましたように、ハーフライフル銃身無しにヒグマと対峙するのは危険過ぎます。

現状ヒグマは本当に北海道のどこにでも居て、猟犬の何倍も利くその鼻で、人間を観ているのです。

山に入れば、人が沢山いるような林道であっても、遭遇する可能性があるのです。

銃声を聴き、シカだ!とばかりに寄ってくる個体まで存在します。

このことを、頭の片隅に留めておかねばなりません。





※銃のカスタムには制限があり、ストックの交換などにより全長が変わる場合には、銃砲店を通して警察に改造の申請が必要です

銃砲店を通し、然るべきルートで輸入した部品を取り付けてもらうようにしましょう


ちなみにNoriさんの愛銃、Mossberg 500は銃身交換式であります。

画像の左右は1挺の同じ散弾銃でありまして、エゾライチョウ(北海道で言うところのヤマドリ)やキジバト、カモ、キツネ、タヌキ、スラッグで近距離ならシカもオッケー!という画像左側のチョーク式散弾用銃身と、スコープ載せて画像右のハーフライフル銃身でエゾシカとヒグマ専用!のように使い分ける事ができます。


が、ハーフライフルの規制となれば、もちろん右側のヒートシールドが付いたハーフライフル銃身を手放さざるを得ないと言う事になります…。

それはかなり辛いです。


Seaweed Engineeringでは、この法改正に断固反対!ということで、長々と書いてしまいましたが、ご覧頂きありがとうございました。


狩猟も駆除もやってみたい!人の役に立ちたい!

という方、一緒に猟友会小樽支部で山を歩きませんか?

現在猟友会に所属していなければ、ご住所は札幌でも構いません。


明日もよろしくお願い致します。