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仕事よりもどーでもいい話の方がウケている、Seaweed Engineering Nori'sブログでございます。




走行中にカンカンカン‼️と異音がして、なんかしばらくしたら直ったわ的なパンヘッド。

怖いから点検したいとの事で入庫致しましたが…


今はエンジン掛けてもそんな音しないという「あるある」に対して、Noriさんちょっと引っかかっておりました。


タペットローラー打ち替えまでのお見積もりを出させて頂き、いざバラすぞッ‼️


の、前に。


プラグ抜いて手でキックペダルを降ろすと…


フロントの圧縮上死点付近にて、



カチン…



おお…耳を澄ませば小さく鳴っています。

確信をもってバラします。




2番ビンゴビンゴビンゴ‼️(笑)

お客様からするとビンゴじゃねえよ的なタペットローラー食ってるやつ。


横にズレちゃってるの分かりますでしょうか?

もうベアリング食っちゃってて動きません。


で、このピンのカシメ方、ちょっとヤバいっす。




ドリルで揉まなくても抜けるんではないかという感じのピンを、しかしいつものようにジグを使いまして抜いて行きます。




あっぶねええ…


何が危ないのかと申しますと、合計20本のニードルローラーが詰まったタペットローラーは、破損するとバラバラとカムカバー内に落ちてしまうからです。


1、2、3、と数えると…

うん、一応20本ある…?ある❗️

2本ほど削れて分割されてますけど。


この小さな硬いピンみたいなベアリング。

高速回転するカムシャフトやピニオンギヤまわりを回避したとしても、目指すゴールはオイルポンプのリターンギヤです(笑)


ゴールしたら何が起こるのか…

完全に食って爆発するのを防ぐ為、オイルポンプのギヤにはキーが付いてまして、そいつが飛ぶとエンジンオイルはリターンしなくなります。


アイアンスポーツのカムベアリングなんかもそうなんですが、もうオイルポンプは確実に使えなくなり、最悪クランク焼き付いたりします。


音も消えたしツーリング行っちゃお❗️


なんて決断をされていましたら、確実にエンジンフルオーバーホールです。


引き返すのも勇気‼️


オーナー様の判断、素晴らしかったというお話でした。

人間と違って放っといても直らないですからね。

異音がしたという事は、必ず何かトラブルが起きています。




で、ローラーは4本全て打ち替えです。




このジグ買うと、「Youも万力に挟んでカシメなよ❗️」とか書いてあるんですが、




絶対プレス使って下さい。
15tクラスの門型油圧プレスは、ハーレー修理するのに絶対絶対必要な道具です。
コレ無いと何も出来ません。





こっち、万力でカシメたやつ。
これじゃユルユルでまた砕けます。




こっち、プレスで5t弱掛けたやつ。

コレが正解。


カシメたピンのフチが割れたりもしますが、それはユニット本体のテーパーが広がってるワケでして、少々割れても大丈夫です。

ココは見た目じゃないので、しっかりと修理して行きましょう。


ハイ、という事は今回の車両、最初の状態はとりあえずハンマーでガンガン叩いて潰してあっただけ、というのが見た目から判断出来ました。


ぶっちゃけ白煙なんてナンボ吹いてもいーんです。

上がってるとか下がってるとか、分かってるならオイル足したりプラグ換えて延命も出来ます。

然るべき時が来たならオーバーホールですが、そんな事よりこーいう所。


本日もSeaweed Engineeringがお送り致しました。

明日もよろしくお願いします。