いつもご覧頂きありがとうございます。
Seaweed Engineering Nori'sブログです。
124年ぶりに本日2月2日が節分という事ですが、それより何より、

北海道って落花生を撒くの⁉️

スーパーに豆は売ってません。
大豆じゃない謎の風習にビビりまくりのNoriなのでありました。


落花生、千葉名産なんですけど…
まさか節分に北海道で投げられていたとは…。



というわけで本日のお題はトランスミッション。
1930年代から1970年代の終わりまで大して変わってない、主に1000ccと1200ccのビッグツインモデルの4速ミッションであります。

Little Wing Engineeringさんのブログを見て頂ければこの辺もより一層詳しく書いてあります。
やってる事も師匠の所なのでまず同じような感じではあるのですが…
ナオキのブログもNoriブログもご覧頂き、愛車への知識を深めて行きましょう❗️



さて、先日コメントも頂きましたが、ハーレーはエンジンとトランスミッションが別々の入れ物に入って搭載されてます。
なのでトランスミッションは単体での修理が可能です。

今回はプラモじゃなくて1/1サイズ、リアルハーレーなので気合い入れてチェックして行きます(笑)
やらかすとギヤがロックしたり、つまりはソッコーでクラッチを切らないと後輪ロック❗️なんてトラブルにも繋がりますので注意❗️



まずはバラして洗浄。
その時既に各部のガタはチェック済みなのですが、キレイキレイにしてから再度ガタを取ってカチッとしたミッションに仕上げて参ります。
クラックは無いかな、スタッドは抜けてないかな、面は大丈夫?ネジ山は?
…見る所多数です。

きちんと構造を理解していない方、ちょっと不安な方は丸ごとSeaweed Engineeringに送りましょう👍
たくさんの特殊工具と機械を使う仕事です。
各部ギヤの遊びと呼ばれるクリアランスもギッチギチにすれば良いというワケでもなく、組む人の技量で必ず差が出てしまうのが悲しいところ。




という感じで、「人それぞれ色んなやり方があります」と、先に書いときます。

Noriは最初にカウンターシャフト側から決めちゃいます。
理由はカウンター単品の方が広々しててやりやすいからです。

まずは新品のカウンターシャフトをケースに通してみます。




この時点で明らかな芯のブレやレースのガタがある場合は、カウンターシャフトレースの穴加工とレース入れ替えが必要です。
このミッションはOK、次に進みます。





メインシャフトもカウンターシャフトも、真っ直ぐ並行に通っていなくてはいけません。



で、カウンターギヤを支えるベアリング。
ニードルローラータイプです。

新品も一応測ります。
スタンダード、0.0004インチ、0.0008インチ、0.001インチオーバーという感じで、オーバーサイズのラインナップがございます。
ガタが大きい場合、傷がある場合はホーニングしてオーバーサイズです。



落ちないようグリスを塗って、ギヤ内部側面にセット。



両端に入ってますので、反対側も。



そしたらまずシャフト単体で入れてみます。
ここでのガタがあるようですと、先程のオーバーサイズベアリングに合わせての加工が必要になります。




で、ケースに通したらこのエンドプレイ、遊びをチェック。



1速側に入るエンドプレイ調整ワッシャーの新品は、2.54mmまで売っております。



何かと使うノギス、特にデジタルノギスは便利なので「自分でやる派」の必須アイテム。
安いのもたくさんありますが、計測機器はちゃんとしたメーカーのを選びたいところッス。






いろんな厚さのスラストワッシャーから1枚を選び遊びを取りますが、規定値を守るために2.54mmのワッシャーを超えてしまう場合、これはカウンターシャフトレースの入れ替えが必要になります。

要はギヤ自体の摩耗、そしてそれを受けるレースの摩耗でクリアランスは大きくなるという事です。
シフトチェンジ毎に押し当てられる部分ですので、乗ったら減るんですね…。

これ、最後にやると狭過ぎてイライラするのと、ケース側の加工がアリなのかナシなのか、その辺を最初に確認する狙いがあります。






っちゅーのを雪と海を見ながら無言でやってます(笑)
今日もこれ降りますねえ…。
札幌は晴れてたんスけど。





他のギヤ付いてると本当にやりづらいんです。
正しい数値を計測する為にも絶対先にやるべき。




もう触ったら分かるんですが、一応シクネスゲージ突っ込みます。


シックネスゲージも他の計測機器と同じくインチ記載のモノって少ないのですが、この辺のインチも見られるやつを買っとけばとりあえず間違い無いかと。
プロはもう消耗品と捉えております。

ハーレーはタペット調整にシクネスゲージは必要無いのですが、いわゆるメジャーなとこですと「ポイントギャップの調整」がありますので、0.4〜0.5mmの部分、マグネトーなら0.38mmとかもうちょい狭め、その他クリアランス調整に0.15〜0.3mmが計測出来るやつを選ぶのが良いでしょう。
少ないやつだと0.5mmより厚いのが無いものがあるので。




ギヤエンドプレイ、マックス0.012インチってのはほぼ0.3mmなんですが、この0.3mmという数字はハーレーのクリアランス値においてかなり頻繁に出てくる魔法の数字ですね。
ブン回るギヤを切り替えて走行するので、全く遊びが無いとオイルも入らないし焼き付いちゃう危険があります。
0.3mmって結構デカいんですが、なるほどなという印象。

例えばマニュアル規定値0.007〜0.012インチと言われれば、真ん中辺りの0.010を狙って遊びを取って行きます。
しかしマニュアル通りでは狭過ぎる部分もあるので注意❗️

オイル的にも80w-90みたいな硬いのを使いますので、やはり適度なクリアランスが必須です。
それをガタと呼ぶのか遊びと呼ぶのか、その辺の境界線を数値と手勘で分かってるかどうかが重要。

これでカウンターシャフト及びベアリングの交換と、レースの点検、カウンターギヤエンドプレイ調整が完了しました。

残るはメインシャフト側とミッショントップ、シフターフォーク部にキックサイドです。
ブログテーマを「transmission」とカテゴリ分けしつつ、小分けにして書いて行きま〜す。




明日水曜日、明後日木曜日は出張修理他にてお店におりません。
ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願い致します。




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