以前にも同じような話題を書いた記憶があるのですが、先日の外試合でちょっと気になることがありました。
チッパーで寄せていたら「短いチップショットがうまいけどどんな打ち方?」と聞かれて「チッパーでソールを滑らせてフェースを返さずに打つんだよ」というと「チッパー??」と言われ、恥ずかしい、チートじゃないの、みたいな眼付きで見られました。
アイアンとして規則適合しているのであれば堂々と使っていいはずですが、洋の東西を超えて、チッパーへの偏見はすごいです。
お助けクラブとかプロが使っていないからダサいとか・・。
でも皆さんお助けクラブ、入っていませんか?
例えばサンドウェッジ。バンカーが苦手だったジーン・サラゼンがソールを広げてバウンスをつけたニブリックで砂をエクスプロージョン(爆発)させる方法を考え出したのが起源とされています。バンカーから出すための立派なお助けクラブです。
ユーティリティー(ハイブリッド)は30年ほど前はキワモノ扱いされていました。2鉄や3鉄が打てない人のためのクラブです。覚えている人も多いと思いますが起源はPRGRの「たらこ」です。お助けですよね。当時はあの色を含めてカッコ悪いと思いましたが、いまや僕も含めて5鉄すら抜いている人もいます。
P/SやギャップウェッジはPWとSWの間のクラブが欲しかったジャンボ尾崎がその間のロフトのクラブを入れたのが始まりです。これもある意味お助けクラブじゃないですか?
キャビティ・アイアン自体がマッスルバックを打てない人用のお助けクラブです。ピンの創始者、カーステン・ソルハイム氏が考案したのがPerimeter Weighting。軟鉄鍛造のマッスルバックを軽量化するためにバックフェース中央に穴をあけたら打ちやすくなった。この試行錯誤で、中央部の重量を周辺に配置することでミスヒットの寛容性が上がる原理をたまたま発見して、鍛造穴あけの後、ステンレス鋳造で作ったのがピンのカーステンⅠで、その後アイ2が爆発的にヒットしました。
また、ピンといえば、トー・ヒール・バランス、つまりパターの中央部にキャビティーをつけて薄くして、トー側とヒール側に重量を多く配分し、大きなフランジをつけてソールを幅広に、プラマーネックで大幅なオフセットをつける。そう、ピンアンサーは、パターを苦手としていたカーステン・ソルハイム氏の苦労の末の「アンサー」つまり答えだったわけです。これもジョージロウや8802のようなパターが打てない人へのお助けクラブです。
キリがないのでこの辺りにしておきますが、クラブの進化はお助けクラブの歴史です。チッパーは、大昔のゴルフクラブにも存在する非常に歴史が長いクラブです。パターにロフトをつけて、あるいはアイアンの形状を変えて転がしに使うというのは大昔から行われていたことです。
クラブがルール適合である限り、どんなクラブを使っても許されます。先人はいかにミスをクラブで軽減できるかを考えてきたんです。だから様々なクラブが登場してきました。