1月4日 (月) 晴れのち曇り

 東京駅の丸の内南口でTさんと待ち合わせ、東京都内から仙台までの乗車券を買って新幹線のホームに向かった。私達は今回東北に向かう。

 8:20発のはやぶさ5号の2号車に収まり、列車は定刻通り東京駅を発車した。関東平野は晴れだったが那須の山々が見えてきたあたりで曇り空になり、雲が厚いまま9:51仙台に着いた。

 仙台は東京よりも肌寒い。東北本線のホームに出て、仙石東北ライン快速石巻行きに乗る。ホームに入ってきた電車は「HYBRID」と車体に書かれた青とピンクのラインの入った電車だ。座席はセミクロスシートで若干ロングシートの部分のほうが多い。10:14発車。
 仙石東北ラインは仙台市郊外を走る。塩釜を過ぎたあたりから車窓は冬枯れの草地の中に入っていき、やがて進行方向右手から単線の仙石線が近づいてくる。ススキの生い茂る中で突然これ以上ないくらいの徐行になると、静かにポイントを渡って仙石線へと転線した。
 仙石線に入ると海の傍を走る区間も現れるが、車窓は農村地帯の風景が主である。広大な田んぼを覆う曇った空に漂う雲の隙間から、二筋の光が洩れて雲を頂点、田を底辺にして三角形を作っている。11:18石巻に到着。

 石巻出身の漫画家石ノ森章太郎さんの作品のキャラクターが駅構内のあちこちを彩っている。こじんまりとした洋館みたいな駅舎と漫画のキャラクターとの融合が駅を明るくしている。私とTさんは仮面ライダーの話をしながら歌を口ずさみ駅前を歩く。
 石巻駅前は所々新築され、駅前に建っていた百貨店は市役所になっていたり、大きなマンションが建っていたり、新しい石巻へと変貌を遂げつつあると感じさせるものだった。次の列車までそれほど時間はないので、充分に歩いたとは言えないままに駅に戻り、駅に併設されている喫茶店でコーヒーを飲む。「伊達ブレンド」と「石巻ブレンド」を頼み飲み比べているうちに時間は12時を回っていく。