​​​​​​祖父との怖くて暗い

厳しい日々を過ごしながら
私も5歳になった。


もちろん
この時の私に

お誕生日なんてものは存在しない。


昼間ふらふら一人で

お散歩したり公園にいれば
 

近所の大人たちは

”あの子幼稚園も行かずに何してるのかしら”

と、冷たい眼差しで見てくる。



近所に同じくらいの子供は沢山住んでいたが

幼稚園にも行ってない私には

当然ながら友達なんて一人もいない。

 

 

 


そんなある日

一人の女の子と出会う

ひとつ下のちょっと生意気な女の子。

 

 

公園で声をかけてくれた時は

私もとっても嬉しくて

お友達ができた♫と

それはそれは嬉しかった。



その彼女は

当時の蒲田では有名な

レジャー施設の創設者の娘で

今思えば

他の子より身なりも綺麗で

洗練されていた気がする。

 


だけど

お友達ができたと喜んでいたのも束の間
出会って間も無く

彼女は私をバカにし始めた。

 

 

 

「なんでそんな服着てるの〜」

 

「なんであんな家に住んでるの〜

あれって住むところなの〜」

 

「なんで幼稚園行ってないの〜」

 

「あんなとこに

お父さんとお母さんも住んでるの〜」

 




幼稚園も行かず
ボロアパートに住み
親も居ない…

今思えばそりゃ当然だ。


まだ就学前で

大金持ちの娘からすれば

あまりの生活の違いに

そう言うのは当たり前だろう。


ヘラヘラと笑いながら

ただの子供の戯言だったのかもしれないが


侮辱されたと感じた私は
気付いたらその子のお腹に

パンチを食らわせていた。


ムカっとした次の瞬間
本当に気がついたら

殴っていた。

 


5歳にして

見事にみぞおちにヒットグー


彼女はお腹を抱え倒れ込んで

泣き出した。

 

 

 


そしてその夜
その子と母親がやってきた。


「お宅の子がうちの子を殴ったそうです!」


よくドラマなんかで見る

まさにアレだ。

 



謝るひいおばあちゃんと私。

祖父からは当たり前だが怒鳴られ

殴られる。




惨めだった…


悔しかった…



私も悔しさなんて
誰もわかってはくれない現実が

とてつもなく悲しかった。

 

 



”私のことを馬鹿にしたんだよ…”


口には出して言えないけど
そんな想いがこみ上げる。

 

 

 


だけどもちろん

誰も私のそんな幼心を
わかってくれる人も
寄り添ってくれる人もいない。

 


やり場の無い想いを抱えて
自分がどれだけ惨めな環境にいるのか
ただ思い知らさせるだけの日が続く。





”ママに会いたいな…”

 

 

 


ひいおばあちゃんは大好きだったけど

一日中ほどんどいないし

 

祖父は昼間からお酒を飲み

まったく笑わないし

私に微笑みかけることもない。

 

 

そんな祖父と

狭くて暗いボロアパートで24時間過ごす

 

そんな日々が本当につらかった…

 

 

 


そんなある日の午後

久しぶりに母がやってきた。

 

 

この日ばかりは本当に嬉しくて

普段笑顔を封印してる私も笑顔が戻り

無邪気な子供に返る。

 

 

どうやらこの日は
別れた父から

前の家に置いてきた母の荷物が届く日だったようだ。

 

 

みかん箱くらいの段ボールが届く。



母が待ちかねてたように

中を開けて一枚一枚服を取り出す。

 

 

 

笑顔だった母の顔が凍りつく。

 

 


”どうしたんだろう?”

 

 

子供ながらに不思議に見ていたら

 

 


ナイフで切り裂かれた服が出てきた。

 



段ボールから服を取り出した母の手が

目の高さで止まったまま動かない。

 

 

 

母の顔が

驚きとショックの表情から

徐々に青ざめたような怯えた表情になっていく。

 

 

そして固まっていた母が

我に返ったように

一枚一枚服を取り出していくが

 

どれもこれも

短冊状に切り裂かれている。


 

ビリビリに引き裂かれた服たちが

次から次へと

目の前に現れる。

 

 

 


母が気に入ってよく着ていた

グリーンの綺麗なワンピースも

白い綺麗なジャケットも
ピンクのドレスも

 

跡形もなく

すべてビリビリに切り裂かれている。


 

見事にすべて切り裂かれ
当たり前だが

もう着ることなんて出来ない

跡形もないヒラヒラのお洋服たち。

 

 


母はもう絶句して

声も出ない様子だった

きっと

怒りと恐怖なんだろう。


5歳の私にとっても

とても恐怖を感じた光景だった。

 



”大好きだったはずのパパが・・・

これパパがしたの?”

 

 

人間の憎悪を目の当たりにし
子供ながらに

人の怖さを知った気がした。

 



この時の光景は
40年以上経った今でも

鮮明に映像として目に焼き付いている。

 







人の恐ろしさ
貧困の惨めさ
誰もわかってくれる人がいない孤独感。




5歳でそれを知った…
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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