ある日突然

ほぼ強制的に幼稚園を辞める形になった私は


幼稚園中退後
築何十年も経った猛烈なボロアパートの
四畳半一間の祖父の家に預けられ
そこで祖父とひいおばあちゃん
3人での暮らしが始まった

 

 

築48年のボロ物件を芸人が大喜びする部屋に大改造したビフォーアフターとは?  西調布ドローン大家さん第2回|ワクワク不動産投資講座|ダイヤモンド不動産研究所
実際の写真ではありません。実際はこれよりもっと狭く古いですw




でも、ひいおばあちゃんは
毎日深夜近くまでパチンコに行ってしまい
昼間〜夜までずっと

祖父と二人きり

 




四畳半一間のその部屋は
真ん中にコタツがあって
窓はボロボロで
開けることさえままならない



その窓際に
一年中敷きっぱなしでぺっちゃんこの
茶色く薄汚れた祖父の布団が敷いてある




私が寝るのはコタツもしくは

その祖父の布団

 




今なら10分も居られないほど
全てがボロボロで不衛生な

汚いその部屋で
私は幼稚園も行けずに毎日暮らしていた

 

 

 



祖父は昼間からいつも焼酎を飲み
よくクジラベーコンを食べていて
NHKの連想クイズばかり見ていた

 


4歳の私は

アニメはもちろん
何ひとつ好きなテレビなんて見せてもらえず
そのコタツでひとりお絵描きしたり

何もせずボーッと過ごす日々



ただ、そんな祖父は

やたら理屈っぽい人で

私にも勉強はしてほしかったようで
小学校に入る前の私に毎日お勉強をさせた




だけど何故かいつも

勉強が始まると毎回

私の頭にザルを被せるのだ

 




ザルを頭に被せられながら

4歳の私は漢字から計算問題まで

毎日勉強を強いられる



今でも忘れられないのは
「入るの反対は?」と聞かれ
私は自信満々に
「入らない♪」と答えた時の恐怖…



「違うだろ!」
ザルをかぶせられた頭を
思い切りぶん殴られる

 



何が間違ってるのか
何故叩かれるのか

何ひとつわからず
ただ恐怖心でいっぱいになる私

 


クエスチョンマークだらけの中
怖い!という恐怖だけが入り混じる



「入るの反対は出るだろ!」
若干4歳の私には
そんなの全く理解できないw






そんなある日
たまに会いにやってくる母が
私にオモチャを買ってきてくれたことがあった


粘土で作るバーガーショップのオモチャ


色々な色の粘土があって

オモチャに入れると
バーガーができたりポテトができたりする


ある夜、祖父が出かけていて
珍しく自由な一人の時間を
そのオモチャで楽しく遊んでいた


なかなか会えない大好きなママがプレゼントしてくれた
私には宝物の大切なオモチャ



オレンジの粘土はバンズ
茶色の粘土はお肉

そしてグリーンはレタス


一色ずつ丁寧にオモチャに入れて

粘土を重ねてはバーガーを完成させていく
 

 

黄色はポテト

一本一本出てくる粘土を
赤のケースに入れると
マ○ドナ○ドのようなフライドポテトになる♫



色々作って出来あがっていくのが楽しくて
一人で嬉しくてニコニコ遊んでいたのを
今でもハッキリ覚えている




するとそこに祖父が帰ってきて


「こんな下らないオモチャで遊んでるな!!」


と、いつもの鬼の形相で

出来あがったバーガーやポテトたちを
片っぱしから潰してグチャグチャにしてしまった

 



すべての色が混ざり合い
もはや色なんて

そこにはもう無い・・・




初めて味わう絶望感


その時の悲しみったらなかったな

 

今でも映像ではっきり覚えてるくらい

私には忘れがたい悲しみだった

 





”せっかく作ったのに・・・”


”せっかく頑張って綺麗にできたのに・・・”

 

という悔しさと
 

”粘土もグチャグチャになって、もうこれで遊べない・・・”
 

という、たった1日で壊されてしまった悲しい喪失感




そして何より

 

”なかなか会えないママがくれたプレゼントなのに・・・”

という寂しさで胸がいっぱいだった

 

 

 

でも今思えば

この頃でさえも

私は涙を流すことはなかった

 

 

 

 

悔しい時ほど

悲しい時ほど

 

その人の前はもちろん

人前で泣けない私が4歳にして形成されていた

 

 

 


結局怒った祖父に
オモチャ本体も取り上げられ

目の前で壊されて
 

”人生には辛いことしかないんだ”
 

と、若干4歳で痛感した

そんな幼少期だったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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