こんなふうに歌ってみたいと思いつつ、
そんなに死に物狂いで歌っていないことに
気が付いた今日この頃です。
僕は、建設業のサラリーマンとして、30年間務めてきた。
よくわからないまま、50才を過ぎてしまっていた。
ネットで言われているように、施工管理の仕事は、ブラックで、どんなに残業しようが休日出勤しようが、たいして給料は増えず、不景気の影響をモロに被って来た。
パワハラなんか当たり前で、理不尽に怒られたこともあったし、アル中の上司がいたこともあった。
やりたいこととか、望んだ人生とか、かなり遠い位置にあって、ひたすら何かを求めるように耐えていたと思う。
それでもどこかに、生き残りたいという気力とか、生命力みたいなものが切れることがなく、どうにかこうにかやってきた。
しかし、ある時から時間的な余裕ができるようになり、「やりたいことで生きて行こう。」みたいな動画を見続けていて、残りの人生時間を考えると、やってみたいことをやらずに終わることだけは止めたいと思うようになった。
僕が中学生や高校生の時に、やりたいと思っていたことは、音楽と絵と小説である。
社会で何が起きているのか知りたいという欲求もあるようだ。
なので、時間が許す限り、やりたいことをやってみようと思って実践している。
今までなるべく金を使わずに生きてきたのだけれども、好きなことには金を掛けてみようと思った。
最初は、20万もするテナーサックスを買った。
しかし、その頃は、まだ会社の拘束時間が多くて、音楽教室に通う時間もない。
だから、YouTubeを見てサックスの吹き方を学んで、日曜日の工場地域で練習していた。
小説も書いてwebに投稿した。
ある時、一人カラオケというものをやってみた。
初音ミクやアニメの歌を、会社の宴会で歌う訳にもいかなかったが、とにかく思う存分歌ってみたかったからだ。
幸いにも、一人カラオケで3時間歌ったって、1000~2000円程度だ。
やりだすと、知っている歌に挑戦して歌えるようになるのが嬉しくて、やめられなくなってしまった。
しかし、正しい歌い方が分からないので、行き詰ってしまった。
またしてもYouTubeで調べていろいろ試してみたが、正直、埒が明かない。
そして神戸に転勤になって、何故だか、するするとボーカルレッスンに申し込んでしまった。
なんだか、もう、これは金の問題じゃない。みたいに思い込んでしまって申し込んでしまった。
幸いにも、良い先生に恵まれて、今は2週間に一回、トレーニングを受けている。
トレーニングというよりも、練習方法を教えてもらっている感じだ。
歌の練習を始めてから、いろんな人の歌を一生懸命聞くようになった。
以前は、軽く聞き流していたアニソンだったが、今は集中して聞くようになり、やはりプロの歌手はレベルが違うと突きつけられる。
「くやしいのう。くやしいのう。」と思いながら、腹式呼吸の鍛錬に取り組む日々である。
しかし、今更思うのであるが、50代にもなれば、精神が疲れ果てて、やりたいこととか、新しいことをやってみたいとか、そんな気が起こることはないかと思っていた。
仕事ばっかりしてきたおじさん達が、「いまさらやりたいこととかねぇわ。」などと愚痴を言っているが、自分には、やりたいことが多すぎて、とてもそんな余裕はない。
自分も昔は、こんな枯れ果てた時期もあったが、結局、仕事を言い訳にして、自分から逃げてきただけなのではないか。と思う。
今、自分のいる職場に、毎日、愚痴や会社の文句ばかり言っている50代のおじさんがいる。
そんな人生を生きていて楽しいのだろうか。
時々、同僚を連れて、こそこそと飲みに行っているようだが、きっと酒を飲みながら、文句を垂れているのだろう。
定年してから、いったいどうするつもりなのだろうか。
今の現場が終れば、このおじさんと会わなくて済むのだが、今までさんざん人を見下してきて、きっと後悔することになるのだろう。
まあ、先のことは、わかりませんが・・・・
人の事はともかく、自分のやりたいことに集中したいと思っているのが、今の心境である。
幸い、今の現場での重要に役回りを得られるようになった。
不思議なもので、それを重要と思えるかどうかが、これまたその人の働き方を変えたりするもので、本当に考え方しだいなんだと思う。
愚痴ばかり言っているおじさんは、本当は重要なポジションにいるはずなのに、重要と思わず、面倒くさいと思って逃げ回っているようだ。
そんな姿勢で仕事なんて、面白くないに決まっている。
困難から逃げれば逃げるほど、つまらなくなるものだ。
逃げることが必要なこともあるが、反転する時期を見つけるのも経験者の成せる技であろう。
自分は、反転する時期を得たのかもしれないな・・・
まあ、今日、言いたかったのは、「自分の意志を生かして行動していれば、やりたいことはいくつになってもやって来る。」ということである。
80になっても、90になっても、生き生きしている人は、そういう人達なのではないかな。
「自分に、今、やりたいことがない。」という人は、ちいさなことでもいいから、行動してみては、いかがでしょうか。