CLUB CITTA'

<出演> BUCK-TICK/AUTO-MOD/Der Zibet/LOOPUS/Yagami Toll & New Blue Sky

 

最初にアニィの誕生日にライブをやると決まった時には単独ライブだと思ってた。メンバーみんなで、50才のアニィの誕生日を祝うのかなと。そしたらこんなイベントで、驚いたのと同時にすごく楽しそうと思った。
 だってこのメンツだと、なぜか25周年のB-Tが一番後輩というある意味不思議な、先輩陣が出まくりの「裏・オンパレード」じゃないかと思った。
 今年のBUCK-TICKは、25周年てこともあるだろうけどかなりアクティブな気がしている。
 千葉のフェスには出てもらえないけど、親しくしている人たちと、こんなふうに対バンしたいとか、いろいろと考えたんだろうなーと、ワクワクしてしまうような展開。
 ジュネさんのブログは結構見てるし、デルジは20年ぐらい前には月一ぐらいではライブ行ってたけど復活後はつべでちょっと見てるくらいでなかなかライブへも行けないので、また見てみたいなと。当然こんな機会滅多にないからあっちゃんとの絡みも多少は期待するけど…。宙也さんは名前ばかりであまり知らないですが、よくライブ会場にお花とかもきてるし、仲良いんだろうなと思ってた。
 そして最大の謎は、アニィのバンド…メンツもわからないし、もしかしてアニィがボーカルとるとか?なんて、半分期待と不安の予感。

 4時開場予定がリハが遅れているらしく、30分以上も遅れての入場開始でした。そのせいかどんどん番号呼んで入れてた。
 川崎チッタは2002年のB-Tライブハウス以来だから10年ぶり。キャパ1300とのことですが、私の整理番号が既に1302番でキャパ越え…。全部で何人いたのかは知りませんが、私が入った時にもまだかなりの人が後ろにいたので、かなりキャパを越えてたのではないかと。 会場入ったらお花がいくつか、デランジェと高橋まことさんと、あといくつかあって、全部アニィ宛…そこからもうバースデイ気分満載です。

 開演前の諸注意っていつもアナウンスが女の人なのに、今日は男の方でしかもやたらといい声だった。ラジオのDJみたいで珍しいなーと思ったら、声優の堀内賢雄さんという方だったらしく、バンドの出番コールも全部やってくださってました。
 アニイとお知り合いな方のようで、場内にお花も来てましたが、本当にいい声で、コール聞くだけで上がるので、フェスもこんな美声でコールやっていただけたらいいのにな…いや、前回フェスのあっちゃんのコールは十分素敵でしたけど。

 セットは後ろに赤いカーテンで、ドレープにライトが当たると綺麗。上の方にアニィがドラム叩くイラストとタイトルの付いた幕、その下に横長の電光掲示板が下がっていました(バンド名が表示されてました)。
 機材の置き場がないのか、ステージ後方にはドラムが3台、下手側には高い台に乗ったアニィのB-T用のドラム(アー写と同じ夢見る宇宙のロゴ入り、もう一つはフェスの鳥のマーク入り)が鎮座してましたが、あとは出番毎に入れ換えてました。転換も結構早かった。


Yagami Toll & New Blue Sky
 アニィのバンドはキャロルのカバーだったらしく、お茶目すぎるし楽しい。
全員黒の革ジャン、中に物販の「IT'S A NOW」Tシャツ、赤いマフラーにリーゼント…。このメンバーはどこの方なんでしょ、ノリが良くて歌も結構上手かった。間違えちゃった、やり直しとか…ちゃんと歌がハモってた。
 アニィ歌うかと思ったら歌わなかったけど、「挨拶して」と言われて、ぼそぼそ敬語混じりで話しだしたら、「アニィ、固いよー」と突っ込まれてた。
 最後がファンキーモンキーベイビー、アニィがすごく楽しそうに叩いてたのが印象的だった。
 「1977/BlueSky」っていうアニィのソロ曲やって欲しかったんだけど、それは叶わず、ちょっと残念。


LOOPUS
 宙也さん初めて見ました。外見は髪もしゃもしゃで後ろに括って長くて、目の周り黒縁のコワモテメイクで少し年取ったフジマキさんみたい。
 紋の付いた留め袖で、襟と裏地が赤いのを羽織り、中に荒い網の胸元広めな長いランニングシャツみたいなのを着て、下は短パンとスパッツ?みたい。
 しかし出てきて初っぱなから、金髪立てたギターの方が弓弾きでシンセ音みたいなの出してて度肝を抜かれ、そして宙也さんの声が凄かった。何だろう、気負いもしてないのに普通にこんな声出るんだーってそんな衝撃。
 「アニィと二人で100才」とか言ってて、そういえばこの方も50でしたね。着物の裾をバサバサと振ったり、羽織った肩を落としたりしてある意味妖艶。50でもこんだけ歌えるんだなーって、それならあっちゃんもまだまだ…とか一瞬よぎった。


Der Zibet
 昔はかなり通っていたので、みなさん外見あんまり変わらない感じでお元気そうで、ちょっと懐かしく嬉しかった。

ISSAYさんは赤いベルベットっぽいコートに黒いマラボーをかけていてふわふわの長い髪、40代後半なのに相変わらずの美形でした。曲は最近のものが多くて、2曲ぐらいしかわからず。「マンモスの夜」でのメンバー紹介、格好良かった。
そして、ギターの音で「おっこれは」と思ったら「マスカレード」、あっちゃんがスーッと出てきて、場内は一気に興奮状態。
 あっちゃんはかっちりと髪をオールバックになでつけてて黒の丈長のジャケットなスーツで化粧バッチリ、目の上が銀色に光ってるくらいで、まるで宝塚の男役のよう。スーツの下は黒のシャツだったかな。
 二人並ぶとISSAYさんの方が少し背が高いんだなーと、初めて並んでいる姿を見て思いました。そしてあっちゃんの方がガタイが良いってことも…。
登場したあと、隠れるようにISSAYさんの背後に背をぴったりつけてて、曲が始まったら交互に歌いながら、妖艶な歌と舞いでした。
 ISSAYさんが背を逸らしてのけぞって、その背をあっちゃんが支えたり、頬を寄せキスをするように顔を斜めに近づけたり(多分してないけど)…まるで二人のポーズがタンゴを踊ってるみたいに丁々発止な感じでした。交互に歌っているので、歌っていない方が後ろに回って、ISSAYさんがふわっと赤いコートの裾翻したりしてました。
 あっちゃんがISSAYさんの前に膝をついて、ISSAYさんが赤い上着の裾を上げてあっちゃんを隠してみたり…。曲の最後ではあっちゃんが後ろからISSAYさんの腰に手をはわせ、肩口に頭を置いて、二人で揺れてました。もうこれだけでも今日は来た甲斐があるというくらいがっつりとあてられるくらいの濃い世界。最後はお互いに手を伸ばして、別れがたそうにしながらあっちゃんが下がっていく感じ。
 終わった後、「20年ぶりにこの曲やりました、興奮しました」って言ってました。
 ISSAYさんの仕草が優雅で、昔と比べればあっちゃんもマイムっぽく綺麗な動きになったけど、比べちゃうとまだ勝てないなぁ?って感じ。タイミングが合えば久しぶりにデルジのライブにも行きたいなーと思いました。


AUTO-MOD
 ジュネさんのブログのイメージで、B級グルメな飲んだくれオジサンの印象が強いんですが、この方もメジャーデビューしてて、当時、後楽園ホールとかでライブやったことあるくらい、かなりのお方なんですよねー、実は。
 昔の友達が中高生の時凄く好きだったというので、美青年ジュネさんの話はよく聞かされてましたが、こちらも初見。
 白塗りで目のあたりから放射状に黒いラインが入るゴスな化粧に、ボンテージ風の衣装、登場時には帽子も被っていました。
 後ろにゴージャス衣装な女性と、コワモテメイクなダンサーの二人を従えてやってきて、そのうちの女性がヘッドセットでコーラスしてたんだけど、そのソプラノの声が凄いなーと思ってたんですが、女性かと思ったら天リボの時にカウンターテナーでコーラス参加されてたセリアさんだったようです。
 雰囲気良く踊りながらジュネさんと絡んでみたり、ノリどころをご教授するように客席に拳を突き上げたり、後ろにつけた鎖をもう一人のダンサーやジュネさんに引っ張られたり、かなり演劇的な世界でした。
 「デストピア」とか曲名を言ってましたが、結構古い曲だったみたで、最後の曲はアニィが呼ばれて「レクイエム」。
 ツインドラムでしたが、並んで叩いているのを見て、アニィのドラムのフォームって背筋が伸びてて綺麗だなぁって改めて思いました。
 最後の方、「ハッピーバースデー、アニイ」と客席と掛け合いが始まって、曲を延ばされてちょっと苦しそうになってて、「このままやるとアニィが死んじゃう」とか言われつつ、まだそのまま「ハッピーバースデー、アニイ」と引っ張られて、最後は「もうこれくらいにしてやろう」とかジュネさんに言われてた(笑)。
 なかなかこんなに必死こいてドラムを叩いてるアニィは見たことないかもしれないくらいでした。


 B-Tの転換中に上からスクリーンが降りてきて、バースディコメント映像が。言ってたこと全部は覚えないのですが、覚えてるところだけ…。

高橋まことさん アニィもとうとうこっちの領域に…とか、25周年は凄い、BOφWYは6年だったけど、その4倍以上やってる…とか。
横ちゃん ドラムセットに座ってて、何より映像が顔を白く飛ばしてる感じで場内爆笑。レコーディング以外で会って話をする機会はないとか、「昔、アニイさんに言われたことで、凄く心に残ってるんですけど……そこは割愛しまして」とか、意味わかんないじゃん。
FURUTONさん この方、宮崎に帰っちゃってたんですね、宮崎来て下さいとか言ってたかな。
モトカツさん アニィにはずっとお世話になってて、またドラムの話で一晩中飲みましょうみたいなことを…。
菊池哲さん アニィは年上なのにテツさんに敬語だったそうで、恐縮してて、コメント中に「アニィ愛してます」って3回くらい言ってた。
SA ナオキさん 未だに髪を立てているのはアニィと俺だけとか、下ろすタイミングを失っちゃってるとか、なくなるまで立てて…とか。
AOP アサキちゃん&かっちゃん アニイにドラム借りて叩いて、水をかけてしまい怒られたとか、今日の打ち上げも期待してますので、2次会とか3次会呼んでくださいとか…。

ユータ 何か顔が茶色に見えて、日焼けした?とか思った。
ヒデ 肩に掛けていたタオル?かマフラーかが、白黒の模様で、マフラータオル?とか思ってた。
今井さん「アニィ、お疲れ様でした」 こらこらっ、バンド引退すんのかいっ!と突っ込み入れたよ。
あっちゃん「ベースのユータです」 …おーい、誰だよ君はww 

 メンバーは何かの撮影の合間だったのかな、化粧して衣装着て、スタジオの片隅とか階段の途中みたいな感じだった。
 メンバーコメントは短すぎてよく覚えてないですが「おめでとう」ぐらいのことしか言ってなかった気がする。まあ、今更だし、こんな誕生会をする時点で、愛は溢れてるでしょうからねぇ。

 SEは「白鳥の湖」だった。最後の方にハッピーバースディっぽいフレーズも入ってた。何だこりゃ?と思ったら、1曲目がそのイントロ付きの「キラメキ~」。おいおい、誕生日なのにこの曲から始めるのかー?って突っ込み入れた。でのこの曲の入りはドラムからで、凄い格好いいんだよねー、だからかな?

 衣装は、あっちゃん赤のフリルブラウス(ラズダズのハウスツアーのやつ?)に黒で地柄のあるベストとパンツ、最初はその上に黒の丈の長いびらびらした上着着用、ベストが小さくなかった。デルジとの共演の時には髪をかっちり固めてオールバックだったのに、この時は元のさらさらヘアに…出番が終わってから慌てて髪を洗ったのでしょうか。
 今井さん十三階の赤ピエロのスーツ?だよね。短い燕尾服上着のその下から、白いひらひらしたインナーを出してた。首元には大きめの赤い蝶ネクタイ、鼻を赤くして、口元も同色でピエロ風メイク。髪型が前髪おでこのかなり上で丸くパッツンして、左側半分立てたような…妙に可愛い。衣装と相まってちょっとお坊ちゃま風味。
ヒデは安全ピン付き、ユータは中がグレーの光りもの系インナーで黒ジャケット、たぶんパレードツアーの衣装だったと思う。
アニィが前に金モールの青緑のナポレオンスーツというか軍服風。最初のバンドで出たときと、少し髪の立て方が違ってた(こっちはモヒカン風)。

 次が今井さんの弾くサティで始まって「LullabyⅢ」、あー何となく読めてきた。他のバンドが結構演劇的というか、シアトリカルなものだから、そういう系統のセットリストできたのかなと?あっちゃんはアニィのドラム台の前に座って、少し酔ったようにふらふらしてアブサンを飲み干してた。
 タンドンダンドン…えっ、こりゃどっちだーと思ったらアリスの方でした。ラッパ鳴り響くとかやっぱりラッパを鳴らすマネをして…久々に聞いたような気がしてしまった。
 そして「タンゴ~」。冒頭の今井さんのパートにうっすら声を入れてたな、あっちゃん。
 「イエイ!」とあっちゃんが煽って客席も返す。それがだんだんと色っぽい感じの「イエ~ィ!」ってなっていき、客席応酬に困る…みたいな(笑)、当然曲は「モンタージュ」。
 「オートモッドから花束をいただきました、名前はセリア」で、セリアさん登場…。それで凄いゴージャスな衣装で宝塚も真っ青な、孔雀の羽根を放射状に差した盛り髪にゴスな舞踏会ドレス…。
 コーラスなのにボーカルに負けないくらい声が大きくて、あの衣装でステージを動き回るものだから、セリアさんの動きに、あっちゃんがどうしようかとちょっとワタワタしてるように見えてしまった。
 最後のスローパートであっちゃんがマイク前に座り込み、その後ろにセリアさんが立ってたとこ、絵になってた。
 そして「夢魔」に「DIABOLO」、この辺はマラボーしてた気がする。

 アンコールはバースディの合唱になったんだけど、これがまた揃わない。あちこちで間の取り方のタイミングが違ってズレてっちゃうんで、左右、前後で輪唱みたいになっちゃってた。
 最初に出てきたのはアニイだけ。しばらく間があって誰も出て来なくて、アニィがドラム台に座ったあと、アニィTシャツに着替えたユータが、ケーキのワゴンを押して出て来てアニィを手招き。スタッフがろうそくに火を付けに出てくる。そのあと他のメンバー達も出てきた。

バースディケーキ準備の時、真ん中がふさがってて居場所がないのか、あっちゃんがアニィのドラム台に座ってスティックを持った。
 そして左シンバルをシャリシャリ、右シンバルもシャリシャリとロール。一瞬だけどドラム叩くあっちゃんが見られて、おぉーってテンション上がる。
 おかげでそっちに目が行きすぎて、肝心のアニイがケーキのろうそくを吹き消すのを見損ないそうな事態に…。ケーキは音人・金光さんのツイッターで上がってましたね、あのイラスト入りだったみたい。


「やっちゃいましょう」と言って始まったのは「CLIMAX TOGETHER」、何回か聴いたのでだいぶ馴染んできました。曲のラストの詞に「HAVE A NICE TRIP」って歌ってたのが聞き取れました。宇宙の果てまで行っちゃえってことのかな?
 そして「エリーゼ~」から「ミステイク」と新曲連続で。ミステイクは声が出づらそうな感じだったけど、これって歌いにくいのかな?声が掠れたみたいになってて、大サビだったので、ちょっと残念。
「先輩差し置いてアンコールしちゃってるけど、いいよね、だって今日はアニィのアレだし…」って感じのニュアンスのこと言って、オーラスは「夢見る宇宙」。
 全編にわたり、あっちゃんが曲の途中で後ろ向いて、アニィの様子をうかがって視線を合わせているのが、アニィ好きだよねーって感じですごく微笑ましかったです。

 凄いイベントだなーって、ため息つきながら帰路につきました。次は9月のフェスですね、果たしてどんなことになるやら。

 

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 アニィ、50才のお誕生日おめでとうございました。本当に楽しいイベントでした。

 しかし…いやもう凄かった。先輩方すいません。気分的にはお誕生日だからとかなり気楽な気分で行ってしまいましたが、出演者の皆さんみんな思いっきりマジでした。
 そして冒頭のアニイバンドを除くほか全てが、デカダンでシアトリカルだったりゴス風味…B-Tの元祖を見るような、濃い、濃すぎる面々でした
 さすがにどちらのバンドも貫禄のライブで、こんなの見ちゃうと25周年だの大御所だのと持ち上げられている場合じゃなく、芸能という道は奥深いのだなと改めて思わせてくれます。これから年を重ねていくB-Tの方向性とか魅せ方とかに、何らかのヒントにもなりそうな、先輩方の生き様だと思います。
 だって退屈とか飽きるとかそんなこと考える以前に、音や声、パフォーマンスに引き込まれて、有無を言わせず見ちゃいましたもん。
 PARADEツアーでは、対バンと比べると圧倒的に空間を支配していた感じなんですが、先輩達のあとではちょっと気負ってる感じにも思えたりして、そんなの見ちゃうとまだまだ青いなーと思っちゃったりするのですよ。
 後輩にヨイショされまくる前に、ここで先輩達とライブしといて正解なのかなーとも思えるくらい、いいタイミングでの対バンだと思いました。
 年の取り方ってきっと色々あるし、年いってどんどん衰える容姿やスタイルだけで見せられなくなったらどうしていけばいいのか…そんな「風姿花伝」の世界をこれから渡っていくわけでしょうし、先に頑張っている先輩達がいるというのは、B-Tさん達にとっても力強く見据える先なんだと思ったりして、その意味でもこれはいろいろと意味あるイベントなのかなとも思いました。
 しかし何といっても20年ぶりのデカダンデュエットがもう…パワーアップしてましたね、悩殺です。