(w/D'ERLANGER)

 

 この日は1100番ちょい越え。雨が降っているのに入場は外に並ばされていたので番号呼ばれるギリギリまで建物内で待機。終演後では面倒なので先にドリンクを引き替えて、どこにしようかなーと思いつつ、2柵目の真ん中あたりの3.4列目くらいへ入る。
後ろにD'ERLANGER目当てで来てたらしい若い子集団がいて、開演前にあちこちのバンドやらイベントの話が出る出る…。ムックがどうのメリーがどうの、ラルクやVAMPS、JACKなど、話の断片聞いてるだけでもすごいなと感心すると同時に、私、物知らずだなーとも思った。ほとんど他のバンドなんてチェックも何もしてないし、他のライブ見に行くだけの余裕もなくて、それしか知らないってのはある意味怖いなと…。たぶん9月のフェスもそういうバンドをいろいろ知ってる子達の方が、B-Tのみで来ちゃってる私なんかよりは、遥かに楽しめるんだろうなーなんて気がしてしまう。
同じ年代のバンドが残っていないって事と、長く見ているファンには年代的にも子育て家庭持ちが多かったりで、あれこれ手を出せない人が多いんだろうけれど、B-Tはそういう意味ではガラパゴスというか、少しシーンとは離れたところで独自に進化してしまった印象があって、他に羨ましがられつつも一般のロックバンドとか、V系なんて呼ばれるバンド達とはある種、相容れないところはあるのかもしれない。だからハマる人はもちろんいるけど、異質さに耐えられない人っていうのもいるんだろうなと…。開演前に後ろのお嬢さん達のそんな会話を聞きながら、そんなことをしみじみ思ったのでした。

 D'ERLANGERは、昔も書いた気がするけど90年とか91年頃、川崎チッタ(建て直す前のチネチッタ)で見たことがあります。
特に知識もなく、当時よく遊んでいた友達に連れて行かれたんだけど、「川崎ーっ」て、地名で煽ってたのは今回も同じ…。その時のMCにカチンと来て、Kyoさんにはあまり良い印象がなかったんだけど、前回フェスの時にも出てくれて一緒に写真撮ったりしてて、B-Tとも仲良いんだなと思うので改めてちょっとだけ予習。
 まあ、昔よりは相応、もしくはそれ以上に年を感じたりもするけれど、解散してから時間を経て再結成したバンドブーム世代のバンドの中では唯一というくらい、ちゃんとアルバム出したりツアーやったり、活動しているバンドだよなーとは思う。

 Kyoさん白髪に黒い山高帽、白のシャツに黒のベストとパンツ。他の方も黒っぽいスーツな感じ。
ドラムがガシガシにパワフルなのと、Kyooさんの煽り方が相変わらずなのと、滝川さんのギターを主に見てた。今井さんが上手側の2階にいたようで、滝川さんがちらちらと見上げてたのは、やっぱり気になるのかなと思った。
 しかしこちらのバンドも、見た目は老けたけど、全員40過ぎには見えないくらいのパワーと若さがあるなぁとは思った。
 曲はおぼろげにわかる程度だけど、音はドラムがすごく響く感じでパワフル、ギターとベースも上手いなーと思った。Kyoさん細い。
 BUCK-TICKは今日がツアーラスト、D'ERLANGERは明日がラストだけど、そんなの関係なく行きますみたいなニュアンスのことを言って、結構飛ばす感じ。
 ラストにアイコノをやって、1時間足らずで終了。最後にドラム盤を持って出て来たドラマー哲さん、見るとその盤には彼とアニィと二人分のサインが入っている。3枚あったのだけど、そのうち2枚を会場に投げ入れ、「これは俺の」と言って1枚はそのまま持ち帰ってた。

 そして今日が最終日のB-T、なんか転換が早くて結構すぐに始まった感じ。人のライブを見てると自分も早くステージに立ちたいとか思うのだろうか。
 転換もどんどん早くなっていて、初日は30分近くかかっていたのに、この日は15分ぐらいしかかかってなかった気がする。
いつもの通りB-Tのテーマから、結構後半にならないと出て来ないので、焦らされる感じ。
 ユータが走り出てきて手を振ったりして、そのあと悠然とヒデとかが歩いてきて、あっちゃんはまたハーフアップの髪型で羽根2本付き。前日に上へ上がってしまい、少しおかしくなってたからか、この日はしっかりと下向きに羽根が差しこんでありました。衣装は短い方の上着、黒のフリル袖のシャツ、赤っぽいベスト、ベストと同柄のラインが脇に付いた黒のパンツ。
他のメンバーのはあんまり覚えてない、今井さんの髪が立ってた。

 いつものように「エリーゼ~」からスタートして「独壇場~」へ。最初の「俺が笑ってみててやる」って腕を組んだあと辺りだったか、あっちゃんが歌い止め、振り向いてストップというようにアニィを手で制して演奏を止めた。見ると今井さん前辺りの前方で将棋倒しがあり、雪崩れて人がごっそり倒れてた。
 つかつかと張り出しの今井さん前ギリギリまで出てきたあっちゃん、その現場を見下ろすような感じで、「落ち着いて」「ゆっくり」「周り見て…」と冷静な声で呼びかける。「そっちも使って…扉あけて」と指さしてスタッフにも指示してた。そして全員が起き上がるまで何度もそんなふうに声をかけて、しばらく中断が続いてたけど潰れて怪我をした人もいないみたいで、なんとか全員復活したらしい。
「調子悪い人いない?俺以外で」とぽつり。…あっちゃん調子悪いの?(笑)
「大丈夫?嘘ついたら帰るよ」と戻りかけて、後ろに下がり、「じゃあ一服しようか」と一息。曲のプログラムとかを最初に戻したりする時間が要るのかな?とかちょっと思ってた。。「じゃあ、どっからやろうか」 と言うあっちゃんに、もちろん最初からーーと思ったのは私だけではないだろうけど、「独壇場からでいい?」と素な感じでで呼びかける。
「監督OK?」と今井側の袖を見ると、それらしきおじさまが指で丸を作っている。
そしてあのイントロから「独壇場~」で再開。曲の合間に、その雪崩れたあたりに水をまいたり、頻繁に前に出てきて様子を見ているあっちゃん、とても頼もしく見えました。最初のMCの時にも「そっち大丈夫?」とか指さして言ってたかも。

何だろうなー、もうどの曲でどうとか、あんまり覚えてないんだけど、すごく歌に対して仕草が的確かつすごくきまってたって言うのだけは覚えてる。
「羽虫~」の「宙ぶらり」の腕ぶらぶらだったり、「カムフラージュ」で手で顔を半分隠すとか、間奏でライト持ち出して、今井さんを照らしてたとか。
天使は誰だ、で「天使か」「悪魔か」とか言ってて、「悪魔で結構」と本人が居直り発言してたとか。
リボルバーで指2本立てて上に掲げて始まって、弾を撃ちまくってたり、最後のスローバージョンの最後でこめかみにその銃を当てて、曲の終わりに撃って、頭が横に倒れるとか…なんか曲の中の仕草が一つ一つ劇的だった。
ジャンゴのあの導く感じとか、その後ろで横歩きする今井さんとか。
「ミステイク」の前で、「新シングル?」とか言って、なんか変だというように首をかしげてたあっちゃん可愛い。そして「お前からーーっ」ていう絶叫するほどのあの声がもう好きで好きで…そして心に刺さる。
「夢見る宇宙」は曲の頭と最後に今井さんがキラキラ星を弾いてた。そして後ろの映像と相まって何度聞いてもハッとさせられる。宇宙が胎内になって輪廻してる、すごく優しい曲。ある意味レクイエムにも聞こえるね。
「夢魔」は何度聞いても圧倒的だし、「DIABOLO」は今日も銀の吹雪。終わってもしばらく降り続けてて、降らせすぎーとか思った。


 アンコールで出てきたユータが写メで客席を取ってた。スマホじゃないんだーとちょっと突っ込み…青か紫色っぽい2つ折りの携帯だった気がする。ヒデがペットボトルを2本持ってて、前の方の人にどっちかと言うように差し出してたのとか、ちょっとうろ覚え。1本はコーヒーボトルだった気が…。
 今井さんはいつもの白パレードT、ユータが黒T、あっちゃんは…と思ったら着替えずに本編の衣装のまんまでした。
「D'ERLANGERからひとり、人質を取りました」と言ってKyoさんを呼び込む。黒のパレードTの首元と袖を切って、袖とかズタズタになってるんだけどそれが格好良くて、誰かさんにはできないオシャレセンス…と思ったのは内緒。出てきてあっちゃんとハグしてたけど、あっちゃんは本編のままの衣装で、たぶん抱きついたら汗でびしょ濡れだと思うのだが、
「今日は七夕だもんね、好きになっちゃうよね~」と、あっちゃんを見ながらニヤリと笑って言うKyoさんに、「じゃそれは後でゆっくり…」と意味深に返すあっちゃん。
「ではこの曲を、バクチクバージョンで!」と言って、デランジェもやってたアイコノ。二人で交互に歌ってて、肩を組んだり耳元で囁くようにしてちょっと淫靡な感じで。間奏では向かい合うようにして、いつも出してる高い裏声で「ハリーアップ、カモーンKyo」って、なんか誘ってるみたいに聞こえるよ、あっちゃん。
 終わってKyoさんがはけたあと、あっちゃんが「かっこよかったねー」ってしみじみ言ってた。いや、あなたも格好いいのよ…と思うけど。

 そして今日も新曲。今井さんがブログに歌詞を書いてたらしいけど、前日に出て泊まりな私にはブログ見られませんからー。
「今井さんこの曲アルバムに入るの?」と今井さんの方を向いて見るも、今井さん反応なし。「どうする、止める?」とか言ってた。
そのあとサビの部分を一度練習するも…「ウイラブオール、抱きしめたい ヘイベビー…」うんちゃららで、自分が何だか歌詞をうろ覚えみたいなあっちゃん…大丈夫かー。2度ほど練習して本チャンへ。昨日よりなんか楽しい感じで一緒に歌えた気がするけど、最後の雰囲気の違うパートはいまだに謎…。この曲で何で最後だけあんなキャバレーふうなお色気モードが付くんだ??って感じで。まあ、アルバム出るまで謎は謎のままなのか。

で、「National~」、悪の華の時代の曲をD'ERLANGERさんはどんな気持ちで聞くんだろうなーなんて、ちょっと考えた。
最後は「Baby~」、「ベイビーデランジェー」って言ってたのだけは覚えてる。何回か客席にも歌わせてたかな。

 

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 なんと言ってもこの日は、将棋倒し対応のあっちゃんの、実に冷静沈着な態度に惚れ直した。冷たいくらいに落ち着いた声で、張り出しギリギリに立って声をかけてて、あっちゃんが落ち着いてたので、後ろにいた私たちも騒がずに様子を見守っていられたし、実際倒れた人もパニックにならずに起きられて、怪我など大事がなくて良かったと思った。
 そして多少のユーモアもあって、そのまま会場のテンションも落ちずに「独壇場~」からの再開、魔王の眼力に惚れ直すしかないでしょう。
 結構長いことB-Tのハウスに行ってても、将棋倒しで中断なんて今まで見たことも聞いたこともないので、あっちゃんがその対応に慣れてるとは思えないんですが、全然慌てず、いつもの静かな低い声で、しかも命令口調じゃなくて、雰囲気を壊さずにいい対応でした。結構ライブハウスでは前の方で倒れてる人見つけて指さしたり、自ら引っ張り上げたりとか、ちゃんと客席見てるし、いつもはちょっと天然でポヨンとした人なんだろうけど、こういうイザという時にはちゃんとした対応ができるんだろうなーと感心してました。

 無事にこの対バンツアーが終わって、いろいろな意味でホッとしましたが、終わってみるとどのライブも、B-Tさんへの対バンのバンドの愛があり、いろいろ考えてベストに近いライブを展開してくれたのだろうし、敬意を受ける方もそれなりに受けて立つ姿勢が格好良く、両方のバンドに刺激になって、どちらも熱いライブができるみたいな感じでした。
 対バンもそうでないバンドさん達も、9月のフェスで見られるのが楽しみになってます。あと1ヶ月半…時間のあるときにはいろいろ見て、少しでも予習しようと思いました。