うちから横須賀までは3時間かかるのだが、少し近いくらいの移動距離の栃木でなくここにきちゃうのは、この劇場の雰囲気が好きだからに他ならない。ここは半円形のバルコニーが垂直に5階まであって、まるでオペラの劇場みたいなのだ。贅沢なことに1つの階につき正面は2列、両脇は3列しか席がない。横の方はちゃんと席が斜めから横を向いているという、かなり優雅な気分になれる。背後が赤い波板と間接的な照明で赤いカーテンをたぐませたように見えるのもいい。
 前回メメモリの時は1階の8列目だったけど、今日は3階の1列目、立ってはダメなのかと思ったけど、禁止の貼り紙もないし、ちょっと柵が低くて怖かったけど立って見てしまった。

 上から見るとステージの全容が見えて面白い。フロント3人のところは少しだけ高い台、まん丸ではなくて少し角があってごつごつした多角形が円っぽくなっている感じ、盤面はモザイクタイルを繋いだみたいで周りが青く、真ん中には黄色い星…これも5角ではなく左右3つずつと上下で8つとんがりのある星だった。あっちゃんの台の外周だけ、ぐるっと下からの照明が入ってた。
 背景は白い紐のカーテンに光り物の雫を垂らしたような、白いたわんだライン、その後ろに深紅のカーテン。リズム隊の台も角ばった円形で、黒っぽい煉瓦みたいな模様。二人の台の真ん中は階段で、中央の上はサブステージみたいに広くなっている。ユータが出てきたり、あっちゃんが上がったりしてた。
 そして舞台を枠のように縁取るネオン電飾…。映し出すのは赤いカーテンだったり光るラインだったり、ガス星雲のような模様だったり文字だったり…そういうものが浮き上がって少しばかり胡散臭い、妖しげなショウの世界を作り上げてた。
 このセットだけでも綺麗なのに、また照明の具合が良くって、いいスタッフが揃ってるんだろうなぁって思わずにいられない。

 今日の衣装はあっちゃん 黒コート黒シャツ、黒の背中に薔薇の刺繍のベスト、黒ズボン、登場時はシルクハットにステッキ。途中で見てて思ったんだけど、後ろだけスカートがあった?オペラグラスで覗いたときに、股の間がやけに変なふうで…後ろだけスカートかな?と。
 今井さん ピンクのフリルシャツ、黒に金ラインの襟なし上着、下は白のサルエルじゃないパンツ。ヒデさんがコートじゃなくてライダースみたいな上着にスカートの方。アニィはカーキだったか、ユータは黒っぽい…ごめん、後ろ二人見えてない。


SE RAZZLE DAZZLE FRAGILE
 何故か今日も手拍子付き。私の行く日はどうして手拍子のある日ばかりなのだろうか。いつものように煙が絵になっていくような演出だけど、後半、メンバーの定位置に上からのスポットが当たって、幕の後ろが明るくなってるのに初めて気がついた。いつからか知らないけど、メンバーの登場シーンを見せるような演出になってるんだなーと思った。絵が完成する前にメンバーが出てくると騒ぎになっちゃって、最後の完成シーンとアルバムジャケのカラーバージョンを気もそぞろに見てしまうのがちょっと惜しい。今日は幕は上へスーッと上がっていった。

RAZZLE DAZZLE
あっちゃんの台の周りだけ、ぐるっと囲むように下からのライトがあるってことに初めて気がついた。シルクハットにステッキの黒ずくめのこの男は、いかがわしいショウの支配人みたいでイカしてる。下からのライトに照らされてる姿はただ圧巻、悪い世界に誘い込まれたみたいで、見てるだけで楽しくなってしまう。
もういつにも増して、あっちゃんにしか目がいかないのでご容赦を。

独壇場Beauty
タンバリン、歌っているときには腕に通して引っかけてて、そのまま手を揺らして鳴らしてた。間奏ではシャカシャカと、その手さばきが好きだなーと思う。
間奏のところで、ユータが出てきて弾いてたときに、あっちゃんはドラム台の前に後ろ向きに立っていた。

PIXY
イントロで黒コートをバサバサと体のまわりで振り回す感じで…。上着で体をくるむようにして、イントロとか歌ってて、悪魔そのものな…。最後の方でも裾を持って広げて、くるくるひらひらと回ってた。何だかとっても可愛かったです。

「ウェルカム、ラゾーダゾー」「日曜のひととき、来て下さってありがとう」とか、「いっぱい楽しみましょう」って感じのMCを…。

羽虫のように
「宙ぶらり~」って、左手を肩の高さで、肘から下をぶらーんと揺らしてて、骨が折れたみたいだった。

BOLERO
イントロ、一人ずつ始まっていく感じなので、スポットの当たってるアニィへ「ドラムス、ヤガミトール」、ついでスポットの当たったユータに「ベース樋口豊」、とメンバー紹介みたいな事をするも、そこまでやって曲に入ってしまい、あとの三人紹介なしですかー?って感じになってた。
「アンドロメダ あたりだっけ?」と聞くように首をかしげるのと、「抱きしめても 離さなくても~」あたりの空を掴むような抱きつきぶりとか、求めても得られない感じの空虚な手のマイムがベタだけど好きです。
最後の方で、今井さん前のモニターに座って、そのままエンドになってたのはこの曲だったと思うんだけどー「羽虫~」だったかしら?

Django!!!-眩惑のジャンゴ-
これ何度聞いても胸躍るよなー、背景と、額縁の電飾と、音とが全部良い感じで融合してた。記憶の彼方まで踊り狂う感じで。

狂気のデッドヒート
曲前で今井さんのギターの音に合わせて絶叫したり、今日も元気にちょっとだけクロールしてた…。

錯乱Baby
あっちゃんが「シートに埋もれ~」あたりで、ヒデ側のモニターに腰掛けて歌ってたのと、今井さんがヒデ側の前方でゴーゴーダンス?モンキーダンスというのか、そんな振りをしてたのを覚えてる。

SANE
横浜でも思ったんだけど、これをリアルタイムで聴いてた人と、初めて聴く人の比率はどのくらいだろうか、とか…、のノリのわからないようなこの曲がいきなり入って、呆然としてる人はいないのかとか、なんかいろいろと考えて面白かった。
スクリーンとネオンの文字を見てるだけで、いい気分にラリってしまいそうな気がするけど、何の脈絡のないところで、どうしてこの曲がいきなり今回のセトリに入ったのか、本当に不思議だ。


すっぽ抜けてます、覚えてない…。

ユータのアップライトベースの準備に時間がかかったのか、ユータの方を向いて「準備できた?丁寧に扱ってね、女を抱くように…優しく」とポツリ。
うひゃーーって思った、真顔でこんなセリフが吐ける男、あなたしかいませんて…。自分で言って本人もちょっと照れてた?みたいだけど。そのあと場内から「アツシー」と野太い男の声で呼ばれて、珍しく手を振ってました。場内歓声&拍手。

VICTIMS OF LOVE
そんなんで始まったからもう、この曲はエロいとしか聴こえません。ベースの低音がタンゴで、気持ちよくて…。オペラグラスで見てたら、あっちゃんが宝塚の男役スターみたいに見えた。最後は高い声で「絡め合う、指先ー」とか「もつれる 舌~」とか歌ってたような断片だけ聞き取れた。高い声で「Ah~」って最後の方に声を入れてたのも色っぽかった。

TANGO Swanka
「タンゴ!」「スワンカ!」とちょっと間を開けて言ってた。
ツボったのは今井さんのラップパートの2回目に、モニターの前で座りこんでマイクを低くして歌ってる今井さんが歌ってる後ろへ行って、ちょこちょこ声を入れながら両手を前に出してちょっかい出してたんだけど、「怪盗参上~」で、人差し指と中指を下に向けて、指が歩くような動きを…これって怪盗?なんか可愛いよ、あっちゃん。

くちづけ
今井さんが最初にポロポロとギターを鳴らしているときに、「あっちの闇は苦いぞ こっちの闇は甘いぞ~」と、「蛍来い」のリズムで呟くように歌う。こんな色っぽいほたるの歌は初めて聞いたよ。そして「おいで」というようにすーっと手を広げる。口で「おいで」とは言ってくれなかったが、イントロまでそのままで、もう悩殺です、あっちゃん。
この日の音はベースギターの刻みが渾然一体で、音が一丸となっているようで、迫力がありました。

月下麗人
足元のスポットを持ち出してきて、今井さんに向けまくってたのはこの曲だったような…ヒデさんの方にも向けてた。

夢幻
「もっと騒いで…」だったか。
星野さんが前に出て弾いてる脇に行って、あっちゃんが肩に手を置いていたのはこの曲だったような?

Solaris
「今日はどうもありがとう、ちっちゃい子もどうもありがとう」だったかな。前の方に子供がいたのか、そんなことを。
「神様~」って、胸の前で手を組んでたかな?うろ覚え。「夢を夢を~」の高音気味なコーラスがすんごい優しい声で、なんかじんわりしてしまった。


アンコール1

妖月
3階からも綺麗だった、この演出。下手すると後ろとか2階の方がきれいに見えるかも。

Goblin
シルクハットにステッキ、ちょっとだけ笛を吹くような動作もしてた。「黒いマント~」とマント翻してた覚えがあるから、アンコールでは上着を着てきたのか?
あっちゃんも今井さんも一回転してくれなかった。客席もノリノリで、間奏ではユータが真ん中へ出てきて、お尻向けてノって弾いてた。

再度アップライトの登場に「あくまでも優しくね」と、「VICTIMS~」前のMCを引っ張る。次は何がくるのかとおもったら、「コヨーテ」と低く囁くあっちゃん。えっ、まさか…ってくらい場内どよめき。

Coyote
うわーん、これ好きなんだよぉー。
前のツアーの最初の方で、歌に苦労してたの見てたから、それを易々と歌ってるのを見てなんか胸一杯に…。前のツアーの時みたいに、足を踏みしめて歩いてた。スクリーンには赤い雲のような光の背景。1カ所どこかで歌詞が飛んでたけど、久しぶりに聴くこの曲に感動~。

アンコール2
MY FUCKIN' VALENTINE
 拡声器使ってたと思う、記憶が定かでない…舞い上がってたから。久々に聴く曲はイントロだけで、キャーッてなるね。
今井さんパートになると、スポットの当たる今井さんに、やたらとあっちゃんが指を指してたのはこの曲だったと思う。「くわえる~」ではお約束のマイクを擦るような仕草をしてたのは見た。
この曲には映像が無くて、照明だけがガンガン回ってた。

ICONOCLASM
 最後はアイコノ、これも赤い拡声器越しに声を出してた。「5 for横須賀ベイビーズ」って歌ってた。忘我…。

 あっちゃんは先に下がってしまったけれど、珍しく退場はリズム隊が先で、ギター二人はユータとアニイが下がってから、ヒデがギターを預けて帰ってた。今井さんは最後まで弾いててギューンと音を伸ばしてた。ユータとアニイのマイクでのしゃべりは無かったな。


最後にはハロウィーンバージョンから変化して、


「See you next 'go on the RAZZLE DAZZLE’」
「Good-night with Big kiss」


とだけ、オレンジ色の文字が流れてた。
背景には書体と色を継ぎ合わせたような、最近のラズダズのカラフルな色遣いのBUCK-TICKロゴ。
ハロウィンの時は何回か回っていたけれど、今日は2種類が映されて、Good-night with Big kissのまま止まっていた。
ツアー終盤になると、また変化するのかなぁ、こういうのもまた楽しみの一つです。

出たときに入口にアニイが投げたドラムヘッドを持った人がいたので、通りすがりに盤面を見たら端の方に「ヨコスカベイビー」って文字が入ってて、何だか笑いのツボだった、お茶目だなぁ。

 

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 前回横浜から2週間、ツアーも半ばになると、だいぶ危なげなくステージ展開をしているようで見惚れてました。
 今回はステージを縁取るような電飾の枠とが綺麗なので、それ丸ごとで見られたのが嬉しい3階席でした。
 あと2本しかツアー見られないんだーって、ちょっと寂しく思えてきました。めくるめいて、踊り狂えるような夜がもっと続くと良いのにね…。
 まさかのCoyoteで一瞬意識を全部持って行かれたアンコール、侮れん。