何で今回富山なのか…ただ単に土曜日で、出かけられるところがここしかなかったんだけど、なるべく小さいところでライブを見てみたいからというのもある。武道館で1万人のライブをやるのと、地方の会館で1000人ぐらいのお客さんを相手にするのと、多分同じ濃度で来るなら、小さい方が当然お得感があるし贅沢だと思うんだ…まぁ旅費はかかるけど。
富山県民会館は駅徒歩10分ぐらい、隣には立派な県庁に市庁舎、NHKとか。隣には富山城と郷土資料館のある公園がある。
この会館のホールは外から張り出した階段で2階へ上がるようになっていた。ホールの他にもいくつもの展示室やら講義室みたいなのがあって、結構稼働率が良いようで、ライブではない一般の人が多く出入りしていた。1階には催し物の一覧表はあるものの、それほど大扱いにポスターとか案内も貼ってなかったので、通りすがりでは今日何があるのか、わからなかったに違いない。古めかしいが大事に使い込まれた感じの会館で、入口の「県民会館」の県の字が「縣」と旧字だった。
そんな富山の会場は、2階は左右に申し訳程度の席があるだけで、ほぼ1階のみ、結構傾斜があるので後ろでも見やすそう。後ろ4~5列ぐらいの空きがあり、定員1200だから、それでも1000人程度はいたのだろうか?
17時半開場のはずが結構遅れて、18時近くなってから開場、開演も20分くらい遅れていた。
全部覚えてないので、覚えてるトコだけ…
やっと暗くなってSEが始まる。
紗幕の絵柄がこんなに多かったっけ?と初日の記憶を辿る。アルバムのジャケットより登場人物が多い、と思ったら同じ絵柄が部分的に左右に増えて横に長くなってる感じ? 初日もそうだったのかはもう記憶がない。
今井さんのブログに書かれていたので思い出したんだけど、客電が落ちて、絵柄が現れ始めたくらいから拍手が起こり、あら、と思っているうちにそれが手拍子になっていった感じ。この日を待ってたんだろうなぁって感じが初っぱなから伝わり、確かにそんなのを聞いたら、アーティスト側としてはどうしてくれよう、なんて思うんだろうな。
現れたあっちゃんは赤のベロアの燕尾服っぽい上着、襟だけ黒で後ろにベルトがあって、チラチラと見えた裏地が、クリーム色に黒糸で蜘蛛の巣…裏がすごくおしゃれ、というかヤンキー? 黒のシルクハットに、前髪がちょっと垂れている。目元には結構濃いシャドー(ブルーグレーっぽく見えた)に真っ赤な口紅。帽子を取ったら髪が短い? イメージ的にはS/Nツアーみたいな感じに見えました。上着の下は初日と同じ白いブラウスと黒のベスト、短い腰巻きスカート、細身の黒ズボン、ブーツではなくてエナメルっぽい光沢の黒い靴。
今井さんは黒っぽい襟なし上着、襟は金糸の刺繍、全体に金色の線が縦に何本も入っているみたいな丈が長めのもの。中は赤のフリルブラウス、下は白っぽいシルクみたいなパンツ…寝巻きみたいとか思ってしまった、ごめん。星野さんはグレーのライダースっぽいジャケット、下にジャケットと同生地の少しアシメトリーなスカート、細身ズボン…何となくごつめなロックな女の子が着ていそうな…。格好いいんだけどちょっと不思議な感じ。
例によってリズム隊はあまりよく見えてない、アニィは初日と同じだったような…。
RAZZLE DAZZLE
独壇場Beauty
2曲目にこれが来て、奈良のセットリストを見たはずなのにあれ?って感じ。ミラーボールが天井でなく、ステージの後ろの方にキノコみたいにあった。あっちゃんはタンバリン振ってた。コーラス部分は客席参加で、あっちゃんがスタンドごとマイク向けてた。
PIXY
「まるで悪魔さ」のあとハハハッと魔王の高笑。
ピクシーのあと、「富山、何年ぶりか知ってる?」 と話しかけ、「そう5年ぶり…22年ぶりに来られてうれしいです。まだ生まれてないよね? 」と聞く。そのあと前の方で頷いてたからか、「うそつけー」と切り返し、「ずっとバンドやっていて良かったなと思いました。22年分、楽しんでいってください」 みたいなことを。
22年ぶりってほとんどデビュー直後…それからずっと来てないってことなのか、新潟と金沢で挟まれてるからかな。バンドをやってて良かったと言ったときのあっちゃん声がすごく嬉しそうに聞こえて、22年ぶりもすごいけど、22年経ってここにまた戻ってきたってことがすごいんだよなーと思う。
羽虫のように
指先で虫を捕まえるように、そしてきゅっと握りつぶすような…。この曲の間奏の盛り上がる感じ、好きだー。
BOLERO
「笑っても笑っても あふれてく」…の泣いてないよって笑おうとしたのに失敗して、極まって涙があふれたというように、頬のところに当ててた手をぎゅっと握って、泣き笑いみたいな顔つきになってて、その表情にキュンときた。一瞬なんだけど、忘れられない表情と仕草。やっぱりこれってそういう歌なんだって、思い知らされたような気がした。
Django!!!-眩惑のジャンゴ-
今日もタンバリン職人になるかと思いきや、帽子被ってステッキを持って。手を横に上げて、マイクの前で指をパチンと鳴らして始まった。すごくいい音が響いて、格好良すぎる始まり方じゃないかー。
途中煽るためにいったん帽子を取ったり、ステッキを置いてタンバリンを振ったり…間奏の細かいシャラシャラしたところを、うまく盛り上げるように、タンバリンの音入れてて、「おおおーっ」と会場も盛り上がる。ここの背景はなんか初日とは変わってた感じ。初日は後ろに赤のカーテンが無かった気がしたんだけど、今日はあった。最後はまた帽子を被り直して、なんかポーズを決めてたような?
狂気のデットヒート
バックの映像が初日と少し変わったかも?初日よりモロな感じの銀のオタマジャクシが目立たなくなってた感じがした。ぼかしたり、スピード上げたような感じで、少しマイルドになってたかも。アニィとユータの間の台の上に立って、後ろの映像と一緒に泳ぐように…。あっちゃん、なんかこの曲は飛ばしてます。
錯乱Baby
モニタースピーカーが今回は前よりじゃなくて左右に1コずつあるんだけど、その向かって右側で、「シートに埋もれ~死に神さん」あたりまで、モニターにもたれるようにして座って歌ってた。
SANE
拡声器で最初の方を歌ってた。額縁と背景と同じ映像が映っているんだけど、これがまたいい感じでカオスな電脳空間って感じ。freeeeeeeeeって文字がダーッとのびるとか、縦方向に動くのとかに目が行く。額縁の上の方にも文字が出て、それがまたいい感じ。
唄
あれ、また本編に戻ったのかーって感じ。奈良では抜けてアンコールにあったはずだよね。
「22年前に、確かSEVENTH HEAVENのツアーだったと思うんだけど、その時もたぶんやっただろう曲を、今井がかっこよくしてくれた曲、ラズルダズルバージョンで聴いて下さい」てな感じのMCで。
VICTIMS OF LOVE
踊りがタンゴっぽく足がボックスに動いてたような…(社交ダンスよく知りませんので、あくまで又聞き程度の知識)。
イントロの歌メロが違うので、歌い出しからしばらくしないと、曲がわからないくらい。この衣装でタンゴは、すごく似合うよなー。「ハァー、ハァアー」と最後の方に吐息っぽい声が入ってたかも。映像は人の顔っぽいのがわかったくらい。
TANGO Swanka
冒頭、歌ってる今井さんの後ろに立って、手をパタパタ…茶化してるようなちょっかい出してるような。今井さんパートでも区切りあたりで、あっちゃんが声を全部入れてるんだーと今更気づいた。
くちづけ
月下麗人
「月だけがー」とすーっと伸ばした手が綺麗。これはただもう、正統派にかっこよい。
「もう少し、楽しみましょうみたいな」一言があった気が…。
夢幻
「次は22年後…じゃなくもっとすぐに、また会いましょう」とか、「生きていればまた会えるさ」とか?そんな感じのことも…うろ覚え。
Solaris
本編最後に移動、ただ聞き入るしかない。すごく
アンコールを呼ぶのも熱かった、手拍子と声援がここ近年関東では聞かないくらいの情熱的な感じで、客が全部富山の人ではないのだろうけど、なんかそういう地方の人の熱い思いみたいなのを感じました。すごく男の人が多い感じがしたのだけど、気のせいではないな。アンコールの声も結構野太い男の声が響いてた。
妖月
近くで見るより、少し離れた方が演出の効果がわかる気がする。紗幕越しに映像とともに浮かんでは消えるようなメンバーの影が幻みたいだ。しかし奥の方であっちゃんが自分で手持ちライトを付けてたりしたので、そのへんが少し生っぽさを出していた。
映像少し変わった?初日は満月アップが多かった気がしたけど、今回はちょっと違ってた気がする。
Goblin
間奏辺りでユータが下に下りてきて真ん中へんであっちゃんの後ろから腕にぴとっと顔を寄せるも、あんまり反応がないあっちゃん。そのあとノリノリで弾くユータの顔あたりに、足元のライトを手動で付けて当てる。しばらくそんな感じで、少しだけ素に戻ってて、いたずらっ子みたいだった。
die
奈良で入ったと知って絶対聴きたかった曲なので、ちょっとじんわりしながら聴く。それは私の個人的な思い入れのせいもあるのですが、やっぱり好きなんだ。今回はSolarisとこれが匂いの似たものだなーと思って聴いていたので、何となくしっくり来た。
ヒデのマイクのところのピックを、ユータが全部取って、客席に投げ入れた。ピックはその後、アンコール待ちの間に補充されてた。
ICONOCLASM
ほぼ全編で拡声器使用、多分前のツアーで使ってた、赤で黒テープがペタペタ貼ってあるやつ。声が元々ゆがめてあるので、それを通すと更にカオスな感じで。今井さんがステージ中央で、1,2と指を立ててるのを見た。2は手の甲をこちらへ向けて、口の辺りで指2本。
スピード
曲が終わって、最後あたりまで真ん中に立って、名残惜しげに手を振ったりしてたあっちゃん、まだ最後のシメが終わらないのを見て、手を振って帰って行った。
最後はユータが「富山、また来まーす」って、あっちゃんのマイクで伸び上がって一言、そのあとアニィが、マイクスタンドをスティック2本で叩いて、最後にそれを客席へ投げてた。そして帰るフリをして思い出したようにドラム席に戻り、ドラム盤を持ち出してきて投げてた。
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初日とだいぶ印象が変わってました。
流れは良くなってたと思うんだけど、うーん、個人的にGoblinは本編に入れて欲しかった。そして嫌がる方も多いかもしれないけど、アンコールのラストがSolarisっていうの、「夢の終焉で眠りにつく」みたいで、いい終わり方だなと思ってたんだけど…。あと、吸血鬼シリーズをアンコールにまとめてたのもわかりやすかったんだけどな。
アイコノ、スピードで終わられちゃうと、ちょっとあれあれ?って感じなんだが、そこは何とかならないものか。
今回は前より少し後ろで見た方が全体が見えて楽しいかも、と思った。10列目でもまだ、額縁ごとのステージはきれいに視界に納まらなくて、ちょっと勿体ないとか思う。SANEとか、映像と音が渾然一体になったときの、あの何とも言えない感じが、映像の使い方、うまいなぁって思う。あとはまた見られない床の模様とやらを見てみたいと思った。それはまた神奈川と横須賀で…。
ダンサブルと言いつつ、意外とのりにくい曲があるなと思ったりもする。あっちゃんの声に聞き惚れ、その姿に見入ってしまって体が動かないってのもあるんだけど、合いの手とか手を上げるタイミングが掴めない、参加する余地がないってのもあるかな。意外とライブでのるのが難しい。だんだんと曲になれて入るタイミングもわかってくるだろうし、そのへんはスタンディングでいければいいのか。
今回はあっちゃんがエンターティナーに徹しているというか、前に出てる感じが凄くあって、それがすごく良い感じで声にも動きにも出ていると思う。こんな華麗な夢先案内人いないよ…見惚れちゃう。
前回のツアーほど奇抜な服装でないならか、今回は今井さんがちょっと大人しめに見えるのは気のせいだろうか。足上げてギター弾いてたり、前に出てくると存在感あるんだけど、その割には目を引かない…つーか、私があっちゃんばかり見ているからか。
ただ、格好いいし、歌も演奏もいい出来で、ステージの演出もなかなかいいのに、何となく入り込めないというか、なんか違うなーと思う感もある。まだまだ化ける、というか、もっと化けて欲しい~と切実に思う。これだけのものを見せられてて贅沢を言ってると思うんだけど、何かまだ足りないって感じが払拭できないんだよな。