…遠かったです、横須賀。先週の横浜でも電車に丸々2時間は乗るのだが、そこからまた30分以上(しかも特快から乗換ありで)。「安針塚」や「浦賀」とか、やたらと黒船だの海軍だのを連想する地名が出てきて、そういう土地なんだなと想像だけはしてみた。
 汐入駅に着いて、ちょっと時間があったので、海が見えるかなと道を越えた反対側のショッパーズとかいうところまで行ってみたら、ちょっとだけ海を見られました(海のない県に住んでる者は海に憧れるのさっ)。

 芸術劇場の建物は、駅前にそびえ立つ立派な巨大複合施設ですが、隣のホテルは潰れちゃってるみたいなので、バブルの申し子なんだと思う。しかしもう劇場があまりにきれいで、中が外国のオペラハウスのようでした。席の背後の壁が赤の凹凸で、照明によって緋色のカーテンみたいで、すごく優雅な感じに見えました。
 今回、このツアーで来た一番いい席の1階の8列目相当でしたが、後ろを振り返ると圧巻な光景が広がり、これは来た甲斐があると思いました。ステージの両脇にも巨大な円柱がそびえていて、舞台の天井も高くて荘厳な感じ。オペラとかオーケストラの大作を聞きに来たいなぁと思う空間で、これがもっと近くて、埼玉あたりにあればいいのにな…。
 そんな会場なので、ステージから客席の眺めも至極良いようで、かなり渾身のステージでした。
 今日もチケットは指定席完売らしく、当日券は立見との表示がありました。

 名古屋に行っていた知人から、また変わってますとのメールをいただき、何が?と思っていたのですが、もう最初の球体に映る映像が変わってました。どこが…とまでは具体的に言えないけれど、これはぜーったい、先週見たものとは違うぞ、と凝視してました。あと数本でこのツアーも終わってしまうというのに、まだここから映像変えるのか…って思ったらゾクッとした。たとえ最終日でもきっと、こうしたいと思えば変えるんだろう。そんなメンバーのこだわりとか、それにすぐさま対応するスタッフのプロ意識とか、そういうのがこのライブのクオリティをどんどん上げ続けているのかもしれないな。

 そんな横須賀、横浜がいい出来と評したのですが、その最高記録を易々と超える出来でした。
 今日もあっちゃんは赤コート、横浜が赤だったので、横須賀では黒で来るかと思っていたのだが、見事に予想はずれた…。最近赤ばかりなのは暑いからか、こっちの方が2パターン楽しめると言われでもしたのか。
 今井さんは黒バージョンに羽根付き帽子、何故か今日は羽根が右側にあった(前は左側だったような…)。顔には目の下あたりに、鼻を越えて左右まっすぐに1本白いラインが入っていた。ヒデさん黒、ユータさんも黒スーツ、アニィが…覚えてない。
 全体に良いライブだったなーという印象が大きくて、満足感がありましたが…そのせいか細かいことはだいぶ忘れてしまった。


真っ赤な夜
出てきたあっちゃんと、両ギターがずいっと前に出てくると、何度見てもときめくなー。今日は近かったので顔まではっきり肉眼で見えて、ドキドキでした。
ヒデさんの肩に手を回してたり、今井さんの肩に手を置いたりと、あっちゃんも何気に絡む。
「お前にきっと似合うだろう~」と、今井さんの左側の髪をひとふさ、手ですくい上げたりしてた。

Les Enfants Terribles
あっちゃん、帽子を被ってて、飛んだら帽子がずれたらしく押さえてて、その後取って後ろに置きに行き、2曲目から帽子のない顔全開で髪をかき上げてた。
今井さんもピョンピョン跳ぶからか、この曲では帽子は取ってた。

Baby, I want you
前の曲と繋がるようにしてすぐにSEが入るみたいに変わってた。
間伐入れずに手拍子しないと間に合わないみたいな感じで、凄くスピーディーな印象。
こんなとこが変わってるんだーと、ちょっとビックリしたよ。
最後は最近珍しく「Baby, I want you」の合唱になって、「Baby~ここは横須賀ー、ベイビーズ」って歌い上げてた。

「ようこそ、こんばんは、一番上の方まで来てくれてどうもありがとう。今日は最後まで『いっぱい』楽しんでいってください、どうぞよろしく」とやけに「いっぱい」を強調した言い方をしてた。

MOTEL 13
「モーテルサーティーン」とささやく声で言って曲へ。
イントロのギターの入るところで、ヒデさんのところに行って手を横に上げて、次のフレーズで今井さんのところに行ってまた手を横に、紹介するみたいな感じで。
今日は初っぱなからモニターにまたがり、腰というより頭を前後に振ってた。髪振り乱して揺れながら歌う様は…まぁ結局エロいんですけど。
「死神とダンスダンス~」と片足を上げてダンスするような仕草とか、カタカタと死神が笑う手つきとか。

アンブレラ
前奏の間にコートを脱いで…やっぱり雨を避けるように被って歌い出した。「雨上がり~」で肩にコートを置いて、右手をコウモリの羽根みたいに曲げたり伸ばしたり…。今日は中のシャツが黒だったので、本当にコウモリの羽根でした。
後半は右肩にコートを担いだまま歌ってた。
間奏の終わりのアニィの「ズッタンズタタン」てとこのドラムに合わせて、今井さんがぴょん、ってはさみ跳びをしてた。そのあと、歌の「あー」のタイミングで腰を低くしてくるんと回転するのが2回。こんなところで飛ぶんだ、回るんだ…って、ついつい目に入ってた。

勝手にしやがれ
「こんな人生ー、楽しまなきゃ…勝手にしやがれ」って感じで。「本物さ、ダイヤモンド~」と手にあるダイヤの指輪を眺めるようにして、「ただの石ころさ」とその手をピッと振ってた。今日もラストのキメは帽子をかぶって横向きで。

Message
「今日、ここにいる、全ての天使たちへ」だったかな、結構ぼそっとした感じで言って曲になってしまった。
これの歌は何度聞いてもいい感じ。手振りも天使ちゃんに向けて、慈しんでる感じがとっても好き。
「君、小悪魔さ~」の「あ」がそこだけ強調されて、「あ゛」に聞こえてた。ゆっくりと歌を噛みしめるように吐き出している感じがして、それがこの劇場の音のせいなのかなーって勝手に思ってた。

Memento mori
…初めて、炎が熱いんだーと感じられる席でした。ボワッと熱風が来るよね。あっちゃんは避難というよりそこがその曲の定位置なんだろうなと思う、シルエットがきれい。台の上で…もう、今日は何を歌ってもいーい声で。
今井さんは骨の被り物装着…あれって視界悪かったりしないんでしょうか?その姿は古代宗教のカリスマのような気がしてしまいます。
あと、今井さんが間奏で清志郎さんの曲を弾いてるときに、メンバーがみんな同じように音に乗って揺れてるのが、何だかとっても気持ち良かった。
最後のサビの「Boys&Girls~」のところから、片手でマイクを持って歌い、空いた手でグーのままカチャーシーみたいな踊りをずっとしてた。なので私がここで踊りたくなるのは間違いじゃなかったんだーと思った。
ラストあたり、あっちゃんの「ウォーウォー」と今井さんの「ダッダッハッハッ」に両方とも客のコーラスが入り乱れて混ざり、互角に絡み合って、えもいわれぬカオスな感触になっていた。すごく楽しいよ、この感じ。

Jonathan Jet-Coaster
これも後ろの画像の色味がなんか違った気がしたのは気のせいだろうか?
もうなんか、よく覚えてないんだが、アニィのドラムはマシンガンの音みたいだと思う。

Coyote
「もっと楽しんで…灰になるまで楽しみましょう」
何も言うことはない…この歌と声だけ聞いてればいい、ってくらいの。歩いたり、手を使ってちょっと這うようにしたり、ただ気持ちよかった。

謝肉祭~カーニバル
ここでも今井さんが曲前にずっと弾いてて、その暗がりでコートを掛け、ドクロちゃんを作るあっちゃん。
「仮面の夜の~」と手を顔の前でバッと広げて覆うようにして歌ってた。
最後のサビのところでマイクスタンドごと顔より上まで持ち上げて、スタンドを回してドクロちゃんの顔を動かしていて、あっちゃんと二人、顔を向け合ったり正面を向いたりと息の合った二人芝居。人形遣いのようにも、何かドクロちゃんが呼応して動いているようにも見えて、不思議な雰囲気。
最後はやっぱり顔を寄せていて、シルエットが重なってた。

Lullaby-III
この日はこの辺でマラボーを装着、ドクロちゃんから帽子を取り上げて被る。
今井さんの色っぽいギターフレーズの前に、ピロンピロンというちょっとコミカルな、酔っぱらいっぽい音が入るのもデフォなのかー。
「ドクロちゃん、お酒ちょうだい…ドクロちゃん」と今日も椅子に座ってドクロちゃんに色っぽく語りかけ、「おー、さー、けっ!」てちょっと強い口調で言う。酔っているようにも見える言いぐさに、もう場内爆笑。「つれないなぁ…」ってぼそっと言って「一杯やろうか」と曲へ。
決まってるよねー、すごいよねーとただもうそのマイムと歌いっぷりに惚れて見ているだけ…。
今日はドクロちゃんとは絡まずに、間奏で今井さん側、ヒデさん側へと椅子を一回りして色っぽい声を出していた。途中で帽子を少し後ろに下げてしまい、キメの時にはずっと深くかぶり直して下を向き、キメのポーズで終了。これ、いいよね。

天使は誰だ
「盛り上がりましょう、横須賀-」
最初に「愛愛ラブラブ」と囁くように言って、あっちゃん「愛愛」客席「ラブラブ」と煽って何度か掛け合いになって、いい雰囲気。
囁く声で「愛、愛、ラブ、ラブ」と言って曲がスタート。
間奏ではやっぱり手拍子を煽って、終わりでは右手をスーッと下へ…静まる場内。
最後はやっぱり今井さんを捕まえて肩を抱き、「愛愛ラブラブ」とマイクシェア。最後の「ラブラブ」で、自分が歌うために顔を近づけて…顔くっついてたように見えましたが?

スズメバチ
腰のフリがエロいのと奴隷市場と…あとなんだっけ…。あ、モニターに腰掛けてたのもあった気がする。
あと足の間に手を挟んで膝を閉めたりとか、腰に手を置いてお尻を振ってたりとか、なんかやーらしー手つき腰つきの数々…。

セレナーデ
イントロSEでやっぱりあっちゃんが指を鳴らしていた。パチンパチンといい音がしてた。この日は杖は持ってなかったような…。
この曲も歌い方が優しくて、声が伸びてたのを覚えてる。今井さんが階段に座ってて、あっちゃんがいい間さん側の横からアニィの後ろを通って真ん中の台の上に来てた。

HEAVEN
階段の上に上がっていくトントンという足音を、わざとなのか偶然なのかマイクが拾っていた。あとアニィのカウントにもマイクを向けてた。
この日の「HEAVEN」、声といい伸ばし具合といい、最高に良かった。あっちゃんがこんなに長く声を伸ばしているのを聞いたことがないと思うような、いい声、いい音…。それがこの会場にぶわーっと飛んでいく感じがして、最高でした、鳥肌立ったもん。
声がまろやかで、大事に言葉を吐き出している感じがして、ラストにふさわしいよなぁと…浄化されました。

アンコール1

ROMANCE
出てきたあっちゃんが曲前あたりに、すごいにこにこ顔だったのを見てしまいました。機嫌がよいというより、すごく嬉しそうな顔。黒コート+黒帽子に着替えてました。
花を飾り、跪きと、動作をしながら…今日の出来も良かったです。

スパイダー
おっまたスパイダー来た、と思った。大宮と同じ感じだなーと。
ここでもユータが下に降りてきて、ヒデの隣あたりでひいてたと…。

ICONOCLASM
「ジャッジャッジャジャッ」と今井さんがギターを弾く。あっちゃんがそのあと「アッアッアアッ」と短く切るような声で同じフレーズを歌ってた。そんなイントロから曲へ。今井さん、今日は1,2といつもの感じの手振りをしてたと思う。

E2

 出てきたユータさんがヒデ側花道で、2階の人にペットボトルを投げ入れてました。ちゃんと届いてた。その後リストバンドも外して、花道脇へポイッ。

GALAXY
ここで出てきたときもにっこり顔だったと思う。嬉しそうに客席を眺めてた。
もう…優しい声だよねぇ。

Alice in Wonder Underground
ここで杖を持ち出してたかな、杖の真ん中あたりを持って、振り子みたいにゆらゆら揺らしてた。杖もドクロちゃんだねぇ。
今井さんのパートの前に、「紹介します、今井寿」って今井さんの方に向けて手をあげてた。「お楽しみあーれ」とか、今井パートの高いところを歌うあっちゃんの声は、今井さんより大きいと思う。

 この曲か次か忘れたけど、手元スポットを持ち出して、曲の合間とかに5階の端の方から順に客席をライトで照らしていて、後ろを見たら、照らされたところのお客さんがみんな手を振っていた。4階、3階…と順に端から端まで照らしていて、あっちゃん優しいなーと思ったが、しかし1階は照らしてもらえないのであった…残念。

「では紹介します」と言って「ボーカル櫻井敦司です」「ギター今井寿」「ギター星野英彦」「ベース樋口豊」とここまでは普通に順調。
そして台の上に上がり、アニィの横に行ってしばし沈黙。客席から「アニィ」コール。するとあっちゃんが客席にマイクを向けて、「せーの」と声をかけ、一斉に「アニィー」とコールして楽しかったです。その後ドラムソロから、次の曲のイントロへ。

「もうすぐ終わっちゃうよ」とかいいつつ、「フォー」みたいな奇声を発し、それに客が答えること数回、こんなやりとりも珍しいかなと思うくらい。たぶんかなりいい気分でいらしたのではないかと。

LOVE ME
この日も今井さんは外の扉から花道に登場…そういうの好きだよねぇ。もう楽しくって何も覚えておりません…すまん。

「サンキュー。ありがとう!おやすみなさい」って名残惜しそうにあっちゃんが去っていき、最後のシメの時に、ジャンと弾き終えたと思ったヒデがギターを外した後、まだもう一回今井さんたちは締めていて、あれーってちょっと思った。でも何事もなくスタスタと下がっていくヒデでした。

ユータが最後に、今日は今井さんのマイクで「横須賀大好き。また来ます」って言って手を振ってて、アニィがその後「また来ます」ってしゃべってた。

 

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 この会場の雰囲気もあったんでしょうが、凄いテンションの高い、見事なライブでした。
歌詞間違えもなく今日はパーフェクト、すごいぞ、あっちゃん…と思ってましたが、アンコール出てきた時に、もう隠しもしないにこにこ顔で、見てるこっちまで嬉しくなってしまい、それだけ今日は楽しんでいい感じでできているんだろうなと思えてこっちも嬉しかった。
 特に今日は噛みしめるように丁寧に、長く音を伸ばして歌う場面が多々見られ、本人のイヤモニに何が聞こえているのかはわからないものの、この会場の音の響きを楽しんでいるのかなーなんて勝手に想像しました…だってそのくらいいい声だったんですってば。
 ホールの音響のせいか、声がもう…伸びてきれいに響いていて、残響がちょっとあって、気持ちよさそうに丁寧に声を出している感じがしました。普通なら絶対ここでロックバンドのライブってあり得ないだろうなーって思いましたが、このバンドにはすごくハマるんだよね。 ギター二人も花道に出るたびに上の方を見て煽ったりしていて、このホールみんな好きなんだなーって思えました。

 個人的にはここでもう、ライブビデオにしていいよ、つーか、ここで1回撮って欲しいーと思うくらい、素敵な雰囲気だったんですけど。ここにきてどんどん加速度ついて良いライブになってるって、もうすごいとしか言いようがない。
 このツアー、川口で初日を見たときには一体どうなることかと思ってたけど、どんどん凄くなる。今までのどのツアーとも違う、現在の力量が結集している感じがします。
 映像も効果も、音も小芝居も、計算してもできない絶妙のタイミングでぴったりはまって、世界を作り上げている。アルバムができて、このツアーのステージのプランニングの段階で、ここまで想定できてたのかなぁ…いや、多分誰にも予測はできなかっただろう、やってる本人たちでさえ。

 あと3本、そして私が見られるのは1つだけ。祈・最終日映像化…。
 でも余計なコトしないで、このまんまのツアー内容を最終日に映像に残して欲しいなー。前回、前々回とツアーとシューティングと微妙に内容が違い、本ツアーの雰囲気が無くなっちゃっててちょっと寂しかったからさ。