初の九州です、福岡市民会館は2階のないような平面な会場でしたが、群馬音楽センターとは違い、ステージは天井の高さもありセットはきれいに置けてました。ただし花道はなし、会場のロビーに入ったら、何となく煙っていて、焚いているスモークが漏れだしていたみたい。
 一月ぶりのステージは微妙に後ろの段が低くなったような気がしたのと、照明のマイナーチェンジを感じました。

 あっちゃんは赤コートに赤帽子、ズボンは黒コートバージョンの時に着ていた、脇に線の入ったやつ。コートの紐は止めず、前も開けて着ていて、最初から後ろでベルトが止めてありました。千葉で見ていたときにベルトを踏んづけそうな気がしてたので、ちょっと安心。どこからだったか、途中からマラボー装着、アンコールでは黒バージョンのコート着用。
 今井さんの衣装が見たことのないやつで、少し長めの上着の裾が縦に裂いた感じになっていて、その下から赤やピンク、紫の裏地みたいなのがちらちら…ちょっと「はたき」のようだと思ってしまったのは内緒ですが、そんなニュアンスで和風っぽい。髪は結わずに真ん中分けで、羽根つきシルクハット着用。
 ヒデさんは黒上着の裾の破けてない方(なんてアバウトな…)、ユータはファスナーのいっぱいあるバージョン、左の腰にウォレットチェーンみたいなのが2本、アニィは黄色とグレーのジャージっぽいバージョンでした。

 20分ぐらい押してスタート、風船に映る映像が毎回違って見えるんだけど、それは角度ゆえなのか何なのか。
 曲が流れ始めて、あっちゃんの歌が入って風船が割れるその瞬間を、何となくドキドキしながら待ちかまえてしまう。

真っ赤な夜
 しょっぱなからフロントに今井さん、あっちゃん、ヒデさんと3人並びが凄く格好いい。ヒデさんはその構図に気づいてないようで、他へ動こうとして「あ…」というように気づいてその場に立ってた。

Les Enfants Terribles

MOTEL 13
「愛し合おう…」と言ってモーテルへ。やっぱりモニターに腰を掛けるんだけど、2つあるモニターの前半はヒデ側で、後半は今井側で、両方とも中央を向いて腰掛けてて、律儀だナーという印象。カタカタ笑う~と手のひらを上に向け、軽くすぼめて手をカクカクと揺らす。

Baby, I want you
間奏でユータが出でてきて、真ん中で…後ろを向いてお尻をふりふりしながら弾いてた。あっちゃんは間奏の時は下がっているのだけれど、真ん中で弾いてるユータを見たせいか、「ユータを見てみろ デラシネのBoys&Girls」…と指さしながら替え歌。最後は「ベイビー、福岡ベーイビー」とか優しい声で呼びかけるようにしていた。

アンブレラ
曲前に「あ、雨…」と上を向いて手をかざしていた。この曲のイントロがかかるともうパンパンと手拍子したくなるー。
赤コートを脱いだと思ったら、それを頭にかぶって歌い出し…途中、頭から肩に掛ける…ずり落ちて片方の肩だけになる…落ちる寸前に右手で拾ってモニター前に置く。間奏で後ろに行ってまた被り直して、歌い出してずり落ちて、今度は左手で拾う…と。そんな感じで曲の間中、ずっとコートと戯れてました。
「真夏の朝日に黒い」「花が咲く」ってブレスを切ってた。苦しそうではなかったけど、それでもまだ息継ぎは無理矢理かなぁと。

勝手にしやがれ
「好きかい、嫌いかい、勝手にしやがれ」とか言ってたかな。
この曲はどうしてもヒデさんの後ろに背中をくっつけるようにして、手を広げてバタバタしてる。無表情のヒデと手だけのあっちゃんの対比が面白い。

Message
「またツアーになって、九州までこられて幸せです」てな感じのことを言って、「今日来てくれた天使たちに優しい曲を」と
この曲の声がちょっとざらついた感じがして、あれ?調子悪いのかな…と思ってた。そのほかの曲では感じなかったけど、これは歌いにくいのかな。
天使の頭を撫で、小悪魔に驚くようなリアクションに、やっぱりこれって…という感じで、優しい歌でした。

Memento mori
今井さんは昔見たことのある角の被り物装着、太古の歴史?って感じ。間奏が忌野清志郎さんの「スローバラード」になっていた。あっちゃんのカチャーシーはなかった。

Jonathan Jet-Coaster
神戸で落ちたと聞いたので、モニターには乗らないかと思いきや、それでも乗りたいのね(笑)と。でも片手でマイクスタンドを握りしめて支えてました。
「急上昇」「急降下」と手を上下にくねらせてジェットコースターをしてました。
後ろのモニターに何も映ってなかったのだろうか…あまり気にして見た覚えがありません。
 
Coyote
「いっぱい楽しもう、今はそれしか…。みんないつかは灰になる…その前に楽しみましょう、よろしくー」
後ろは水面の映像、そしてなんか照明とかいろいろ変わってる?って感じがしました。
全体に薄暗く、あっちゃんにだけ淡くオレンジの照明がまるで夕焼けのようで、今井さん側の後ろからスモークが吹き出してオレンジのライトが幻想的。荒涼とした感じを作り出していて、そんな雰囲気で歩くような仕草をしながら歌う声は絶品でございました。
そういえば、最後の方の爪弾くようなギターフレーズはヒデさんかと思ってたんだけど、あの音はもしかして今井さん?と今更のように思った。ボーカルに重なるようにして、音を追って聞き惚れてしまうような感じ。

謝肉祭-カーニバル-
コートを取り出してマイクスタンドに掛け、髑髏をのせ、その上の帽子をかぶせる。嬉々としてそんな工作をするあっちゃんに、思わず笑いが…。
ちゃんと帽子を目深に被せ直したりして、こだわりがあるよう。
そのせいか前より髑髏プレイはなく、顔を寄せる程度で、歌に集中してた。

Lullaby-III
今井さんがキャバレーみたいな雰囲気のギターを爪弾いていて、あっちゃんがそれに「ようこそ、いらっしゃーい」とちょっとオネェ風の声を乗せる。
そのあと「さあ、始めようか」と椅子を持ち出して、背を前にしてまたぐように座る
最初の時はアブサンでなくシャンパンを飲み干してたかな。椅子に座ったまま身体を左右に揺らして歌う。上手いなーといつも感心する1曲。

天使は誰だ
「おまえ、誰だ」「誰だー?」って、手に持ったドクロをのぞき込むようにして聞いてた。まるで自問自答のように「俺かい?俺は誰だ」…「天使は?」と聞くと客席から「誰だー」って。それを聞こえないというように耳に手をかざして、「何て(言ったの)?」と聞き返すあっちゃん。この声が甘えたような声で可愛かった。「そう、天使は誰だ」と囁くように言って曲が始まる。
今回一番うわーっと思ったのはこの曲。
初っぱなから手拍子でノリが良いんだけど、間奏で客が手拍子しているのを、あっちゃんも手を叩いて煽り、そして静かなところに行く前に、鼻のところに人差し指を当てて、「しーっ静かに」というようなさり気ない感じの動作をしてたところ。
盛り上がっていた客席の手拍子がスーッと止み、静まったところで「さぁ、無限だー」ってあっちゃんの歌が入るところで、ゾクゾクしました。
そんな仕草一つで客席をコントロールして静まらせてしまうんだーって、そしてまたそのタイミングが絶妙で、動作がかわいらしくもあり、とっても得な気分でした。

スズメバチ
この曲は台の上がお約束なのか、あんまりエロイ感じはしなかったかな。歌い慣れてきた気はしました。

セレナーデ
コーラスっぽい感じで「ラブリー セレナーデー」とか聞こえるなんか変な前奏が付いてた。ちょっとくどい感じがして私的にはなくてもいいなーと思うんだが…。
しかしその時にあっちゃんが指をパチンパチンと鳴らしていて、マイク越しにその音が聞こえてくるのが格好よかった。ステージを左右に動きながら歌う。
今井さんは後ろの階段に座って引いていて、途中から前に出てきた。
「泣いたりしないでー」のところはギター二人のコーラス、3人の声が合わさるとまた面白くていいんだー。

HEAVEN
「舞い上がれー」とか声を伸ばすところの声が、まだ伸びるかと思う言うほど余裕を持って空に上がっていくほどで、気持ちいいなーと、聞き惚れました。
昔は伸ばしたりないなと思う曲もありましたが、最近はまだ声が出てるーって驚く場面もあり気持ちよく聴きました。
最後の「赤いカーネーション」と長く歌い上げる声がもう、凄すぎ。
最後は今井さんが、少し長めにキューンキューンとノイズをまき散らして終わるのだが、ちょっと長過ぎじゃ…と思わなくもない。

E1
Alice in Wonder Underground
あっちゃんは黒の長いコート、杖を取り出してきて、くるくる振り回す。今井パートの前で「紹介しよう、ボーカル今井寿」と指さしてた。いつの間にボーカルになってたんですか、今井さん。だけどこの部分ってどうにもワクワク感があるのよね。

絶界
今井さんがギターをジャカジャカやってて、それで曲がわかっちゃった。すごく好きなんでこれは嬉しいー。
ギターの感じが「天リボ」の時とは違う気がするんだけど、どこが違うのかと言われてもわかんない。ちゃんとツアーに合うようにアレンジし直してるんだろうなぁ。

夢魔
イントロがかかった瞬間、客席が悲鳴のような驚きに包まれてて、「おー」と思った。つい手が…両手が上がっちゃうんだよー、ツンドラ教。
あっちゃんが黒コートの裾を持ってバサバサしていて、途中台の上に乗っていて、両手に裾を持ってコウモリみたいに広げたなーと思ったら、そのまま台の上から飛び降りていて、「うぷぷ…」と笑いが。


E2
GALAXY
「どうもありがとう、もう少しお付き合い下さい」とか、「明日のことはどうでもいいや、確か熊本だったと思うけど」みたいなことを…。
明日も行く人いるのになーとちょっと思ったけど、明日があるからって余力を残しておくんじゃなくて、今を精一杯やるっていう感じがいいね。
この歌も絶品で、聞き惚れますー。

NATIONAL MEDIA BOYS
「狂いのファンファーレ」と横を向いてラッパを吹くような仕草、「片足バレリーナ~」とマイクに左足を巻き付かせたようにして歌ってた。これもやってくれるとなかなか胸躍る曲。

あっちゃんが足元のピンスポを取り出し、メンバーに当てながらメンバー紹介。
いつもと逆に今井さんから、自分でピンスポを振り回して当てながら、「ギター今井寿」から「ギター星野英彦」、「ギター樋口豊」と…場内はえっ、という雰囲気。あっちゃんも一瞬あれっと思ったのか、その後「ベース…」とポツリ。その時は既にアニィにスポットを当てていたのだけれど、「やり直します」というようにもう一度「ベース樋口豊」とコールしてました。
最後に「ドラムス、ヤガミトール」と呼び、アニィのソロがあって、そのままダカダカと叩いたまんま「LOVE ME」へ。あ、そのためにメンバー紹介を逆にしたのかと思わず納得。

LOVE ME
 今井さんのギターフレーズに、思わず手が伸びる1曲、間奏はメメントモリ、最後の方に競馬のファンファーレみたいなのが入って、最後はあっちやんが下がっていっちゃったあとで、4人で〆。終わってほしくないかのように、いつまでも弾いてた感じ。

 下がるときにユータが「また来るけん」と博多弁?で言ってた。アニィが投げたドラムヘッドは、右手側の脇の壁にぶつかって落ちてた。

 

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「ようこそいらっしゃいました」って、もてなされているような、優しい、温かい雰囲気があるなと感じました。
 いつも思うけどこのバンドのライブって、いかにもロックバンドって感じの「おら、のれー、声出せ」っていうんじゃなくて、よかったら一緒に楽しんで、しばし遊んでいってくださいって感じなんだよね。
ノリたかったら乗るし、棒立ちで見ていても、それこそメンバーをうっとり見ながら曲を聴いててもいいという、そんな懐の深さを感じられる。それでいて会場の雰囲気を掌握している感じのあっちゃん、音のコントロールをしているような今井さん。
 メンバーの音が楽しそうに合わさっていく感じが凄くよくて、毎ツアー何公演も見ているはずなのに、「格好いいなぁ」「すごいなー」としか、感想が出なくなっちゃう。いまだに最新のライブが最高のライブであり続けているってどうよ?
 そして今回のツアーは「十三階~」と「天リボ」を合わせたような風味なのかなーと、ライブを見ていてフッと思った。
「十三階~」ほど濃く演劇的ではなく、「天リボ」ほどストレートにロックっぽくもない。それを上手く組み合わせたような微妙なさじ加減、だから見る方に偏るとのることも忘れて棒立ちになってしまうし、音を聴いて騒いでいればロックっぽいノリで聴けるみたいな感じなのかなと、当初の固さが取れて全容が見えてきた今となってはいろいろと考えてしまう。
 あっちゃんは、かなり痩せた感じがして手足が長くて動きが優雅で凄くセクシー。髭があるとあなたどこの国の人よって感じで、どちらかというと西洋人っぽい。対する今井さんはアジアンテイストで妖しげなマジシャンみたい。ヒデさんも普通にしててもいい男だし、本当にみんないい年の取り方をしているなーと思いますわ。見飽きないどころか見るたびに素敵になっていくんだから…何度でも行きたくなって困るよ。
 そんな感じで、盛り上がりも良くて、幸せな感じでライブを見ていました。