満開~散り始めた桜を横目で見ながら会場へ急ぐ。黄昏かけた街並みと桜が妙に春の浮かれた気分を運んでくる。
今日の気温は25度越え、昼から初夏のような陽気だった。

 音楽センターは横が長い扇型の会場で2階がなく、その分席が徐々にステージに対して高くなっている。ステージは見やすいがステージの天井が低く、舞台装置はセットしにくそう。そんなんで天井の円盤状のものもかなり低め、そしてドラムとベースの台は置いてもその真ん中の高くなったステージはなく、階段もきれいに向かい合わせに二つとはいかなかったみたい。円柱の後ろの画像が何となく見にくくて、あまり映えない感じがしました。

 今日もSEのところで風船に写し出された画像がちがっていた気がしました。あっちゃんの顔から変わった、アルバムジャケのドクロが最後に映し出されているのは、前回まで見なかったもののような気がした。

 今日は今井さん以外は川口のパターン、今井さんだけが千葉と同じお団子に羽根のかんざし、チュニックだかスカートに、白ブーツのバージョン。
 あっちゃんは前回も夢魔でかぶっていた帽子を標準装備、最近髭があったとあちこちで聞くのですが、席が遠いしオペラグラスでも確認できなくて、3回も見てるのに未だに全貌がつかめません。ギター二人が剃ったので代わりに伸ばしてみたかったのかな、しかしなんで今頃?


真っ赤な夜
Les Enfants Terribles
 この辺はだいぶいい感じになってた。楽しく体が揺れました。

Baby, I want you
 手拍子からガンガン続いて行くのがいいね。ユータが間奏で出てきて真中で弾いていて、曲が始まってあっちゃんの隣で少し構われてた。
 最後は「ベイビー・・ラブリー高崎~」と言ってた。

「今日はよく来てくれました、ありがとうございます、最後まで楽しんでいってください、よろしくお願いします」って、やたらと丁寧な感じで挨拶。メンバーの親御さんや親戚ご一同様はいらしてるだろうと思うので、そういうのもあるのかしら。

MOTEL 13
「セクシーなやつ」と言ってこれ。
 少しだけコート片肌脱いでみたりして、色っぽい雰囲気だけど、やっぱり父兄参観だから千葉ほどは腰の振りが激しくなかったかな。ヒデが前以上にギターを弾きまくってた感じがして、うわ、すごいと思った記憶が・・。

アンブレラ
 黒いコートを羽のようにパーっと広げてた。
 手拍子も上がって最初のほうはいい感じなのに、最後の息継ぎがやっぱり厳しい感じなんだよねー。「真夏の朝日に」「黒い花が咲く」って、息継ぎすると忙しすぎて、しないと歌いきれないみたいで、ここは難しそうだなぁ。

勝手にしやがれ
 これもだいぶいい感じで楽しかった。「いいじゃないちょっとくらい」と手を振りながら、誘いかけるような、そして腰に手を置いて歌ってた。


 「どうですか皆さん、あと35曲あるんで、1曲くらい座ったほうが・・」と言い出し、「これは強制ではありません、思いやりです」・・と。それで客が座りだすと「よっこらしょっ、と」・・そんなお茶目な声をかけていて、思わず笑ってしまったよ。
 なんか綾小路きみまろの漫談の口調を思い出し、あっちゃん、そういうCDでも聴いたのかと想像してしまった。

Message
 白と青と緑の照明の独断場。
きっとあっちゃんのお兄さんとかはこんな歌を歌えるようになったあっちゃんが嬉しいだろうなと、そんなことも考える。
 高めのよく通る、きれいな声なんだけど、「ずっとここで」のとこだったか、低くして歌っていたところがあり、多少きびしいのかなと。
 あっちゃん声の感じとか出し方、少し変わってるのかななんて思った。

Memento mori
 これが意外とライブ映えしないのは何なんだろう。ラジオとかCDで聞いた時には、これはライブで一番盛り上がるだろうと思ってたのにな。テンポがイマイチとかなのか、まだ客も曲構成を理解しきれてないのか、めまぐるしすぎて結構ノリにくい感じもするんだけど・・。

Jonathan Jet-Coaster
 ここでいきなりジョナサンが来て、あれ、セットリスト変えてきたーと驚いた。やっぱりジョナサンで本編最後を締めるのはちょっと弱かったのかもしれない。曲としてはメメントの後ろなので、CDどおりの曲順だ。後ろの映像もなんか変わってるなーと思った覚えが・・。

 「じゃ、熱を冷まそうか、とってもいい曲です、Coyote」とMCして。

Coyote
 普通にうたっている低いところと、声を張り上げる高いところの、声の落差があるな~なんて思った。
「胸を焼き焦がす情熱ー」「俺の名前呼んでくれー」のところとか、今まで普通な感じに歌っていたのが、カーッと高くなって声量も上がってしまって、何となく聞きづらい気分になったりして。ただこれを聞くと、また声量上がって声が透き通るようだなと思う。
 死への行進、というようにその場で歩くような仕草をしながら歌っていたあっちゃん、「ゆらり影は揺れ、どろり俺は這う」のところの、何気ない動作が好き。最後のほうの、たぶんヒデなんだろうコヨーテの歩くようなギターの音が、コロコロと鳴るようで気持ち良かった。

謝肉祭~カーニバル
 あ、でもやっぱりこれは入るのね、って感じで。ドクロを持ち出して、顔の横に掲げて歌っている。途中からマイクスタンドに差し込んでいた。
 ファルセットの出来は昔ほど気にならなくなってきたから、だいぶ上手くなっていい感じ。最後には今日は黒い帽子をかぶせられていたドクロくんでした。

Lullaby-III
 これはどうしても椅子がいるんだな。片手でひょいっと椅子を持ち出して自分でセットして座り、帽子付のドクロをマイクに差したまま、いつものように寸劇。
 これ、最後が暗転でパッと終わる瞬間のあっちゃんのキメポーズがかっこいい。

 「盛り上がっていこう、高崎」とやたら地名連呼。

天使は誰だ
 気持ち良くて、これが結構盛り上がる。今井さんがヒデ側花道に行っちゃって、自分のパートのときに戻ってきてなくて・・あっちゃんがそこを歌って今井さんのほうを指さしてチェックしてました。
 中間で「ドラムスヤガミトール、ベース樋口豊ー」と叫んでたんだけど、あとのメンバー紹介は不発。
 「リンゴを食べてとろけちゃった」とあっちゃんがどろんと力を抜いてとろけていくのがちょっと好き。

スズメバチ
 腰に手を置いて足踏みしながらちょっとだけ腰もフリフリ。「腰の継ぎ目さ~」と股間を抑えて飛ぶようなモロな振りを・・。

セレナーデ
 あ、ここでこれが来るのか・・とセットリスト変更したってことは、これで終わりなのか、それとも・・って考えた。階段がないので、今日は今井さんは座るところがない。

HEAVEN
 アンコールだった時と違って、最初、青空に白い雲みたいな映像が映っていた。
 あっちゃんが最後を少し伸ばして歌いあげて、しめたあと今井さんのギターがノイズをまき散らして終わる感じ。
 やっぱりこれがラストのほうが本編が締まるような感じがする。メメントモリのツアーっていう色が濃くなったような・・。

 そういえば音楽センターはステージへの出入り口がヒデ側なのだが、あっちゃん間違えて今井さん側へ歩いて行って、戻ってました。


アンコール1
 出てくるときからフル装備のあっちゃん、暑くないのかなー。場内かなり暑かったです。

絶界
 「ラブ」とか言ってて、何かと思ったらこれ。ユータはアップライト、そしてギター二人はアコギ。
 手拍子とかそういうのも無くて、歌に集中している感じで、なんか前のツアーとかと音やアレンジ変わってる?とか思ってた。まあユータのペースが違うので、それだけでも感じは変わるんだけど。

夢魔
 いきなり「ハハハハ・・」と高笑いからイントロが始まって、髑髏を片手に抱く魔王(笑)、シャレにならないくらい似合いすぎ。帽子に黒コート姿は、そのまま黄泉を彷徨っても不思議ではない姿で、中間部にはすごいきれいな絶叫が入ってた、絶好調って感じ。
 途中で自分が被っていた帽子を髑髏にかぶせて、頭のななめ上に掲げて歌っていて、まるであっちゃんと髑髏が立場交換したような感じに見えて、・・そんなところまで計算してる?・・まさかね。

ICONOCLASM
 「ハリーアーップ」とオカマさんみたいな声で言ってて、思わず爆笑。最後のほう「ファイブファージャパニーズベイビー」といつも歌ってないところまで歌ってた。


アンコール2
 「ありがとう、もう少し盛り上がっていきましょう、さあ行きますよ、いいですか」と客席に聞く。場内「はーい」とか「イエイ」と答えていたのに、イヤモニをしていたあっちゃんには何も聞こえてない感じで、「あ・・」って耳のを取って、もう一回「いいですかー」と聞き直していた。そのボケ具合がなんかかわいらしかった。

GALAXY
 他2曲を本編に持って行ったので、これがオーラスかなと予測していたので、しょっぱなからこれが来たのはちょっと驚き・・最後どうするんだろうとか、あと何か曲があったっけ・・みたいに考えを巡らし余計な心配を・・。
これは危なげなく聞けて気持ち良かった。

Alice in Wonder Underground
 「かわいい君にピッタリなやつ」・・といってて、何かと思ったらこれだった。そうか、これも本編から抜けてたな~と、気がついてなかった。「ROMANCE」もそうだけど、他のアルバムの色の濃いものを抜いて、今作の曲を入れたのか。
 アンコールのほうが気兼ねなく、というか盛り上がれる感じがしていいなと思う。帽子をかぶり、前半は杖を持っていた。

LOVE ME
「最後ですよ、いいですか」などど、含みのある言い方で、これでオーラス「ROMANCE」とかじゃないよなーと思ってたら、これが来た。
 無条件で体が動く感じで、手を左右に振ってしまう。今日の場合は、ここに入るのはこれしかないかなという選曲だと思う。
間奏でたぶん今井さんが「Memento mori」の歌メロ入れててにんまりしてしまった。よくこういうのを合わせて入れられるなーといつも感心したように思う。今井さんはいつもこの曲でするような、ピョンピョンと足を入れ替える感じのステップ踏んでた。
 今井さんの最後の音がファンファーレみたいだったのは覚えてる(競馬の出走のときの音みたいなの)。あっちゃんが去ったあと4人でしめて終わり、気持ちのいい終わり方だと思った。

 最後にユータがあっちゃん前のマイクで、「また来ます」と言って手を振り、そのあとアニィが「ヒャッホー」と笑い声から「俺の町だぜ」とマイクでしゃべって去って行きました。この二人は高崎、地元だもんね。

 「HEAVEN」が本編に行っちゃったので、ループしなくなっちゃって、どうにも最後に「真っ赤な夜」がかかるのがちょっと半端に思えてしまうのだが・・

 

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 先日の千葉でもだいぶいい感じになっていたので、今日はあまり心配なく音を聴くことのできるライブでした。
 千葉のレポにシングル2つもアンコール最後にすることないじゃないかーなどと書いてしまったのですが、そんな意見を見透かすようにセットリストを変えてきました。やっぱりジョナサンで終わらすには弱いのか、そして「ROMANCE」と「Alice~」が抜けたのも、他のアルバムの色が濃すぎてしまうからかも。まあ何も知らない素人の私がそんなことを考えてしまうくらいでだから、やってるメンバーはもっとよくわかってるんだろうと思いますけど。
 本編ラストに「セレナーデ」と「HEAVEN」を入れてしめたら、なんとなくメメントモリのツアーっていう色が出てきたなって感じがしました。本当にここ3本の試行錯誤ぶりは、こう言ったら申し訳ないけどすごく面白い。毎回修正されていい方に変わっている感じを1本ごとに実感してました。

 そして、なんか自分がうまく気持ちよくのれてないなーと感じるときは、微妙に演奏のアンサンブルがうまくいってない時なのかもしれないなと思った。5人がうまく噛み合って、一つの楽曲を作り上げていくその均衡の脆さ危うさと、それゆえに成り立っていることがどれほどの奇跡であることかと、そんなことを考えながらライブを見てました。
 ずれてもこけても、何してても嬉しいし楽しいけど、やっぱり一番いい感じで5人が音の中にいるのを聞けている状態が一番至福じゃないかなーと思うので、このツアーのそんなジャストな瞬間が早くくるといいな。