駅の西口から直通で行ったら人がいっぱいいて、今日はまだ開かないのかな、遅いなーと思い、よく考えたら19時開演だったんですね。ちゃんと18時半少し過ぎに開場していました。グッズ売り場がそんなに混んでなかったので、ロゴがかわいいーとパンフとともにトートバッグなどもついつい衝動買い。

 開演前のステージは黒の紗幕で覆われていて、中は見えません。
 20分押しぐらいで開演、SEはドラムの音が印象的な感じでした。ちょっと真っ赤な夜っぽい?感じもしたかな。
 いつ落ちたのか分からない紗幕の中は、まん中に結構大きな白い風船のようなものがあって、そこに曲に合わせて映像が映っている。それは海だったり水の流れとか、赤いハイビスカスが一輪、そして自転する地球。グルグルと回るような、まるで地球儀をくるくる回しているような映像がカラーからセピアのモノトーンぽくなっていって、温暖化?とか、ついついそんな考えを。それに混じってメンバーの顔も。あっちゃんの顔がだんだんアルバムジャケの髑髏みたいになっていったり。
 SEが終って、始まったのは「真っ赤な夜」、ギターのイントロからあっちゃんの歌声もする。しかしまん中には風船があって、当のボーカル本人はどこに?まさか、と思ったそのとき「お前の肌に~」あたりだったか、その風船の真上が横に割れて、前後にひらりと落ち、中にいたのはあっちゃん。
 へっ? しかもあっちゃん、ぴょんと風船から飛び出してきたよ。その風船は後ろに片付けられてました。

 そんなサプライズで始まったツアー初日、まずはステージセットから。
 何となく古代超文明って感じの遺蹟っぽい雰囲気、後ろ半分ぐらいのアニィとユータの台のところがいつもよりかなり高くなっていて、中央はあっちゃんとかが乗れるようになってるみたい。左右には鉄の階段みたいなのがある。上にはこれも古代風の円盤みたいな照明を仕込んだオブジェっぽいもの。後ろは古代神殿風の柱がたぶん5本(私の所からは見切れてました)、柱の間がスクリーンになっているのは後で知る。前半は十字架とか映し出されたままだったので気付かなかったのだ。

 そして衣装、あっちゃん白のフリルシャツ、たぶん黒の蝶ネクタイ、長いベロアっぽい素材の膝丈長めコート。燕尾服の下にスカートつけたみたいなシルエットで、その下には赤い小さめベストを着ていた。ベルトは光ってて、靴もエナメルっぽい光沢があった。髪は出てきたときは撫でつけていたみたいだけど、すぐに取れた。
 今井さん、最近よく着ている感じの黒のさらっとしたエスニックっぽい上着。中は黒で胸元が結構あいていて、胸元に印象的なネックレス、下は黒で、足もとが何だか赤かったのは、靴なのか靴下なのか。黒づくめなのでそれが妙に目立った。髪はお団子で一つにまとめてあって、その下に太いのが1本と小さい三つ編みが何本か。髭は・・そこまで見えませんでした。
 ヒデさんも今井さんと同じような黒のさらっとした上着、今井さんのより丈が長め、カシュクールみたいになってたのか?構造不明。下も黒。
 ユータが短めのライダースみたいな黒のジャケット上下で上着には銀のファスナーがいくつもあった。アニィは袖と身頃がクリーム色っぽい黄色で、あとは薄いグレーのジャージみたいな形の上着。動きやすそう。
 なんだかあっちゃんだけかっちりしすぎていて、どうせこんな神殿風のセットにするなら、ファンタジーみたいなコスプレ衣装にすればいいのにーなんてちょっと思った。ベストがぴちぴちだった以外はあんまり変じゃなくて、櫻井ファンとしては衣装の楽しみは半減。

「Les Enfants Terribles」は、何となく声が上ずって歌いにくそう、で、どこでノっていいのか何となくわかりづらい気がしてました。あと「骨までしゃぶっていいかな」のウィスパーのとこが、なんかテープだったみたいで残念、是非生声で聞かせてくださいーーっ。
この曲だったか、ドラムとベースの間の台の上から、マイクスタンドを下にポンと投げつけていて、あっちゃんがこんな乱暴な事をするのは珍しいかもと思った。壊れなかったのかなーとか。
次が「Baby~」あら、またこれ入ったのーと、ちょっとそういう気分でした。最後はこのところやっていた「Baby, I want you」の連呼はなしで、さらっと終わった感じ。
でここで最初のMC、「ようこそ、どうもありがとうございます」とか、その程度。

 ヒデさんにイントロのスポットが当たる「MOTEL 13」、かなり歪んだ音で引き倒してましたが、もうちょっと陶酔系でやってもいいかなーとは思った。でもCDより印象がいいかも。B-Tでこういう感じの曲は珍しいなーと改めて思った。
そして「アンブレラ」、これもなんかやたら曲が早くて歌が前のめりな感じが ?とおもったら、なんか息切れみたいな感じで詰まったりして、さっきからやたらと水を飲んでいるし、あっちゃんもしかして調子悪い?とか思ってしまいました。
なので、女ことばの歌を楽しみにしていた「勝手にしやがれ」も動きがなんとなく鈍くて、あれー?って感じ。マイクスタンド握って棒立ちで歌ってるみたいな感じがしてしまい、ありそうだと思っていた身振りとかが出てこないのがちょっと心配になってる。

 ここであっちゃん、「アルバムをみんなに人に気に入っていただければ嬉しいんですが、そうもいかないので…一生懸命やります」とか。
そして「まだこの先長いんで、座って聞いてください」と客席を座らせる。どうしようかと思っているうちに「ありがとう」なんて言われてしまったら座るしかない。そして全員着席で始まったのは「Message」。
青紫と黄色と緑の照明が、左右と上から注ぐ中、この歌は迫力だった。ピアノの音はかすかにあるかどうかという程度で、ベースがいい感じで音を入れてたかな。子供への歌と同時に、これは幻の世界に生きる私たちにも向けられたメッセージなんだろうなーとそんなことを思った。

 曲の終りと同時に今井さんの音なのかSEなのかがちょっと入って、ここで後ろの柱の間がスクリーンだったことに初めて気付く。
ドラムの音で、ここで「Memento mori」が入るのだと知る。なんか意外な場所に・・。
 後ろには燃える炎の映像、そしてステージ前方の5か所位からは「ウォーウォー」のタイミングに合わせて。燃える火からポッと火を噴くような仕掛けがしてあった。これ、地方へ持って行って大丈夫なのか?、許可はーとちょっと心配になるな。
 間奏では今井さんが「Boys&Girls~」のところの歌メロ弾いてた。一瞬「島唄」かと思ってしまったのは内緒。

 次の「Alice~」がメメントモリの曲より盛り上がるのはちょっと複雑な気分になった。まだ初日だし仕方ないんだけど、客席の反応が如実に出てる感じ。
 で、ここに入るのかーと思ったのが「謝肉祭-カーニバル-」何だかモナリザツアー思い出したんですけど、手に後ろにあったオブジェの髑髏を持ち、顔をよせて歌うのが、前に仮面持ってなんかやってませんでしたっけ?と、思っちゃったのだ。
シリアスに終わるかと思いきや、最後に客席に髑髏を投げるような仕草もあり、ちょっとお茶目。
 いつの間にかステージにスツールというか椅子が出ていて、あっちゃんがその椅子の上に髑髏を乗せていたけど、安定しないのかちょっと手こずってた。
始まったのは「Lullaby-III」、動きが固かったのが嘘のように生き生きと、バーテンのような店の客のような、そしてアブサンを飲み干し、椅子の周りを回り、腰かけて魅せる。こういうのって得意技だよねーと思うにつけ、やっぱり今まで初日でかなり緊張していたのだろうかと思わずにいられない。
 この次に「ROMANCE」とかが来てしまうと、これは何のツアーだろうって気分になってしまう。この曲にしては珍しく、途中の歌詞が出てこなかったみたいで珍しいーと思ってしまった。

「僕の大好きな曲で。コヨーテといいます」とか、曲紹介して始まったのは「Coyote」。
 ユータはウッドベース、ギター二人もアコギっぽい音。これはやっぱり迫力の歌でした。あっちゃんの声っていい時はぬめるような艶のある独特の声なんだけど、これなんかは一番それが堪能できる感じ。後ろのスクリーンには水面とか砂漠みたいなのが映し出されていた記憶がある。
 「天使は誰だ」は、CDよりテンポが速い気がして、それがとってもいい感じだった。「愛愛 ラブラブ」と盛り上がるのが楽しい。今井さんがコーラスして、あっちゃんそこは客席に歌わせてました。
 そして「スズメバチ」、台の上にいたあっちゃん、途中でユータのモニターあたりでこけたのか引っかかって落ちそうになってて、危ないっと思ってしまった。腰をフリフリ・・「熱く甘く~」のところの右手の手つきがエロかった。
 次が「Jonathan Jet-Coaster」ここのところの曲の続き方は好きだなーと思う。これも速い感じで、後ろのスクリーンにはカモメが飛ぶ、「僕の羽は~」とか、羽がひらんと落ちてくる感じで、なんかベタな画面だなーと思っちゃった。まん中のスローパートなところと、早いところのメリハリがつくともっといいかも。
そして、これで本編終わるのがあまりに意外で、えっ?て感じだった。


 アンコール1曲目、いきなり「FLAME」は予想してなかった。好きな曲なんでうれしいんだけど「花が咲き乱れるように~」のところがテープなんだよね。それがなんかいやだなーと思う。せめてもうちょっとコーラスのテープの音量抑えて、歌も入れてーって感じ。
 今井さんのギターの音でわかった「絶界」、ここでコレですかって気もしたけど、なんか「Coyote」と世界が似てるなーなんて同じステージで聴いて思った。手拍子とかフラメンコ系の動きはほとんどなかった。あ、1回目「あなたがいい~」のところ、二人で花いちもんめの足を繰り出していて、シンクロしてるー、はないちもんめ復活、と嬉しくなってた。二度目はしてなかったけど。
 あっちゃんが1回袖に戻り、上着を着て黒い帽子(たぶん十三階の時のと同じシルエットだった)に羽根のストールみたいなのを装着してきて、あれ?と思ったら「夢魔」だった。うわー、ここで出るのか、そのための帽子とストールなのか、あっちゃん。
一瞬にしてツンドラ教の集会場と化す会場、しかしなんでここで「夢魔」?と、一気に「十三階~」ツアーに逆戻りした感じがしてしまい、まぁ、楽しいのだが、私的には疑問が収まらず。

そんなんで1回目アンコール終了。この時点で9時ちょっと過ぎてた。

 2回目、出てきて「どうもありがとうございました」と挨拶。「じゃ、新曲を・・」なんて言い出すから、まだこの他に次の新曲あったのかと思ってしまった。アルバムツアーなんで、ほとんど新曲だらけなんですがあっちゃん・・と心の中で突っ込み。

 前ふりをしてすぐ始まるのかと思いきや、まだヒデさんがギターをかけてなくて、「ごめんまだだった、ごめんね」とかわいく謝る。
「じゃ、かわいいやつを」といって始まったのは「セレナーデ」。
 今井さんが左側の階段に座ったままギターを弾いている。階段が横向きについているので、途中であっちゃんが反対側の階段に腰掛けると向かい合せになって、ここってカップルシートですか、みたいな状態に。
 すんごい優しい、いい声が出ていたし、ヒデさんが「泣いたりしないで~」のところをコーラス入れていて、あっちゃんがずらす為に歌わないところとか、メインボーカルみたいになってた。わざと歌わせてるような気もしてしまい、ヒデファンには楽しいシーンかも。

 「GALAXY」はだいぶ歌いなれている印象。さあはばたけと手で羽根を振り、ほらと前に差し出す仕草の優雅なこと。「天の水辺~」のところも体の横で手を小さく羽根振ってました。

 最後はやっぱりというか「HEAVEN」、曲のイントロ、まるでプロモのような白い木の景色が背後に映し出されていた。最後はきちんと踏ん張って決めていたね。


 ここ2曲は、NHKのBSでやってた手ぶりが定着してしまいそうで、「GALAXY」の両手を上から下へ振るような手振りとか、「HEAVEN」の両手をくるんとひっくり返すようなのとか、無理に手振りさせられたのが、見ていた人にはそこでの定番だと思われたのか、なんかちょっと嫌だなーと思った。

 最後はあっちゃん、ステージの右端と、真ん中と左端で1回ずつ止まって深く礼をして、それから下がっていった。
 今井さんが最後、「真っ赤な夜」のイントロを弾き出し、そこで、あ、ループしてるんだと思った。残響を置いて去った後、しばらくスクリーンに映像があって、「真っ赤な夜」がかかって、まだ何かあるのかなと思ったら客電がついて終演でした。このまままたライブが始まるみたいな錯覚が面白かったけど、ちょっと中途半端な感じもしてしまい、何がしたかったんだ・・と。
 そんなんで初日はちょっと波乱の幕開けかなと思いました。

 

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 風船から出てくるという驚きの演出から、なんか動きが硬いような、声が出ていないような・・やたらと水を飲んでたりしゃべったりして、なんとなく調子が悪そうだな~と思ったりした。
 20年やってても初日はやっぱり緊張するものなのかもしれないけれど、ここ数回のツアーは初日から結構いい出来だったので、これだけ崩れたライブを見たのは久しぶりな感じ。それでもちゃんと後半立て直していい感じに聞かせてくれたのは凄いなーと思った。
 やっぱりおこがましいようだけど、一番いい時の動きとか声の、鳥肌立つくらいの凄さを知っているから、歌い方とか声の調子でわかっちゃうんですよね、なんか違うなって。
 そして自信のある曲とない曲で声の大きさとかも如実に違ったりして、まだ初日とはいえこんなライブは最近ちょっと珍しい感じがしました。
 そして天リボと十三階の曲が多いから、このアルバムツアーの色を薄めちゃってるのかなーなんて個人的には考えたりもして。

 まぁ、このままでいっちゃう人たちではないので、初日がイマイチのときは、その次はきっちり立て直してくると思われるので、次がどうなるのか、楽しみだったりもします。千葉に期待。