ツアー4本目、あっちゃん言うところの「地元」のライブである。
6時15分ごろだろうか、いきなり客電が落ち例のSE、武道館より小型ながらちゃんと舞台が回る(笑)。セットは基本的に武道館の時と変わりなし。照明はもっと小刻みになってて、きれいだな一と思った。
衣装はあっちゃんの衣装のシルエットが結構好みだったのと、18列目で暗くって後二人はよく見えないので、今井くんが黒系のフードのついたビニールっぼいコートではじめだけ長い赤いマフラーしてたのと、ヒデが武道館と同じで、頭が緑っぼくて立ってたのしか覚えてない。

あっちゃんは上下違う素材らしい黒。柔らかそうな素材のスカート(?)というかドレスというか。初め遠くてシルエットがワイドパンツのようだと思ったんですが、どうやら巻きスカートっぼくて、前後の真ん中が重ねでだ一っと開くような感じの、まるで腰巻きみたい。足さばきによってピラピラしてました。しかしこんなにスカートの似合う男の人もいないのでは?と呆れつつ感心もしてしまいました。縦長で細く見える(足も長く見える)感じ。音は武道館より格段に良くて中身も濃いように思う。時間も長いぞ、珍しく気合い入ってる。
「ヒロイン」、次がいきなりの「蝶蝶」、そして「迦陵頻伽」、生のあえぎ声入りの「囁き」。あっちゃん今井くんの首にマイクのコードを回して寄り添って、冒頭の危ない歌詞歌ってました。

はじめのMCは「ようこそ。人間応答せよ、こちらSEXTREM LINER」てな感じ、でも応答はできなかった。久しぷりのMCのようなもの(笑)。そしてこれはありかな一と思ってたけど、なんかまわりの演奏が大人しくて、思いっきり声が出てて歌い上げてた「Tight Rope」。烏肌たつほどにすごくって固まって動けなかった。
そして意外な選曲「LOVE LETTER」(これをライブで聞くのは2回目くらいだ)と「My Fucki'n Valentine」で盛り上がる。曲頭であっちゃんが珍しく客のほうヘマイクを向けたりしたので、今井くんのパートをみんな歌ってた。例のテルミンを操る今井くんの手は、誰かが書いてたように確かに色っぽくてなんかアヤシイ。

「螺旋虫」はビニールの唇形みたいな風船が降りてきて、(個人的にはこれあんまり好きじゃないんですが)中がうごめくように光る。そこから今井くんのギターが続けて聞き覚えのある感じを弾きだす。これは「キラメキのなかで…」。重低音が身体にぶつかってくるようなズンズン地を這って足元へ響く音で、しかしこれも余裕の演奏に歌、あっちゃんは一曲ず一っと黒い布を被ったまま歌い通す。

2度目のMCは「漢字で言うところの地元」「生まれたところに近い」「そしていいところ」などとぼつんぼつんと独り言のようにそう言ってたけど、なんか浮かれているみたいな感じもする。それでも言いたいことだけ言ってさっさと曲へいく。
後半、実はメモも取らずに見てたので、曲順がここだけどうしても思い出せない3曲。「無知の涙」「見えないものを見ようとする誤解~」「リザードスキンの少女」。
「無知~」ではブリキの兵隊みたいにかちんこちんに歩いてみたり、マシンガン打つような手の形しながら歌ってたり、「リザードスキン~」では「少年は帰らな一い」のところで手で扉を閉めるマイムみたいなの、オレンジ色の光る手の動きがきれいでした。
「キミガシン…ダラ」から、中央の坂に座り込んで歌う「Schiz・o幻想」。ラスト「タナトス」はブレイクと真ん中へんの切れ目にかかるあっちゃんの声がどわ一っと迫カで。武道館ではスモークの向こうへ消えてったメンバーは、今回は普通に歩いていきましたが、あっちゃーん、全部終わってないのに自分のパートが終わってとたん袖に引っ込んでくのやめてくれませんか。
今回は全体に盛り上げては落としての繰り返しで、浮き沈むというか、ジェットコースター気分ていうか(そういっても聞いてるだけがほとんどなんですけど)そのかわし方のタイミングみたいなんがすごくうまい気がする。

しかしライブのことを書くといつも思うけれど、いくらいいCDを作ってもやっぱり生にはかなわない。音の洪水と日々変わっていく、変化していく曲と、生の歌の声の調子とか表情・手の動きやら足さばき、そして照明やセットの色づかいも含めて。セットもライトも大がかりで後ろで派手にしているのだけれど、無駄にライトが主張してない、だけどあればそれだけじゃない価値が倍加するというか、すべてが一体化して、昔と動きと光の色がうまく交じり合ってるというか。とにかくすごいものになってる感じ。実は12月の武道館評やら、自分の見た感じでも、なんか動き硬いし大丈夫かな一と、老婆心ながら心配してたのだが、さすがというか、心配することなどないステージで安心して浸ってられました。
一曲一曲書こうと思うと色々あるのだけれど、すごいぞ今回、てのが第一印象で、明日にでもまた見たい。
アンコールは「ICONO~」「die」ときて、あっちゃんが袖にいっちゃったので、もう終わりなのかな一と思ってたら、他のメンバーはギターを持ちかえていた。

最後はタイトル不明のひまわりとあじさいのでてくるあの歌でした(月世界)。照明が暗めで、歌と音だけが暗がりを漂う感じで、まだこの展開を知らなかった人はポカンとしてた。終わってメンバーが引っ込んだあとも2度目のアンコールの声がかからず、ぼ一っと息つく間に終わってた。いつもならまだアンコールってかかりそうなんだけど、なんか満足しきった感じもあるし、呼べる雰囲気でもなかったけど、メニューどおりっていうか誰も彼もこれで終わりってことを受け入れてたみたいで、すごく不思議な感じの終演だった。

帰りの電車が桐生始発で、B-Tライブ帰りの人々しかほとんど乗ってなかったのも面白かったな。