「オッペンハイマー」の再上映があったので、観てきました。
原爆の父と言われる物理学者ロバート・オッペンハイマーの学生時代から、
原爆後の様子を描いた伝記ものです。
クリストファー・ノーラン作品は
「ダークナイト」と「ダンケルク」しか観たことがありません。
なんか難かしそうな気がして。
3時間もある映画なので、映画館のカフェで、サンドイッチとスープでお腹を満たしたものの、食べすぎたのか数回眠りに落ちました。
セリフを追う映画なので、英語についていけなくて眠くなったのもあります。
ノーラン作品ですから、時系列があっちこっち行きましたが、
ストーリーは意外に分かりました。
映画は、はじめから心つかまれる映像で、すぐに入り込めます。
ザ・ハリウッドという作りで、久々にアメリカの大作を観たという気持ちです。
年に数本しか映画を観ないという人は、これを観るリストに入れるのはありだと思います。
アカデミー賞で沢山の賞を取るはず。ただ楽しい話ではないですね。
キャストは、英語圏の俳優さんが沢山出ていました。
キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、ロバート・ダウニー・JR、マット・デイモン、
ラミ・マレック、フローレンス・ピュー、ケネス・ブラナー等。
ほかにも、映画やドラマで見慣れた顔の人が多くいます。
キリアンは安定の上手さだし、ロバート・ダウニー・JRにはいい意味で驚きました。
フローレンス・ピューは相変わらず大胆で惚れ込みます。
原爆関連のシーンは、日本人としては、ちょっと微妙な感じになりますよね。
オッペンハイマーに罪の意識があるのはちゃんと表現されています。
原爆の被害は、割とさらっと触れられる程度なので、
観客がどこまで被害の甚大さに心を寄せられるのかは疑問です。
反戦というトーンよりは、科学者の苦悩ですね。
今までの歴史を考えても、科学者は科学の進歩のために心血を注ぎ、
そこで起きる犠牲をどう思っているかを語ることは少ないと思います。
この映画でも、国のため、私利私欲のため、
犠牲など気にしないでいられる人と、そうでない人が出てきます。
科学者としての姿勢を描くとともに、政治に利用される科学者の一面も描かれます。
オッペンハイマーは仕事一筋で、職場で信頼されている感じだし、紳士ではあるんだけれど、
なにかヤバさを秘めているんですよね。
特に、恋愛対象になった女の人たちが、もう気の毒で。
数々の賞を取るのも納得の、良い映画でした。やっぱりノーラン上手い。
映像も音の使い方も良かったです。
でも私のフェイバリットにはならないんだよなと再確認した次第です。
日本公開は3月29日です。