「さてさて、次はっと…。」

貴島はまじまじと蓮を見ると真剣に聞いた。

「敦賀君さぁ、親はいるよね?!」

あまりに真剣に見つめられたので何を言い出すのかと思えば大した内容でなくて、気が抜ける。

「いるけど?今は仕事の関係で海外にいるから滅多に会わないけどね。なんで?」

「それって人間?天馬博士が親とか言わないよね?」

貴島が何を言いたいのか全くわからない。そんな名前の博士だって知らない。蓮は片方の眉だけあげて「当たり前だろ」と目で訴える。それだけで答えを理解した貴島はホッとした表情をみせた。

「いや、何となく、もしかしたらアンドロイドとか宇宙人とかだったりするのかなと。そうだと言われても納得しちゃいそうで怖いんだけどさ。」

かつてのミュータントと言われた自分を思い返し苦い気分になるが貴島は貴島でしかない。蓮の表情のわずかな変化を見つけはしたがそのまま続けた。

「なんなんだよ。だって12頭身とか顔とか体の黄金比とかできすぎだろ?筋肉のつき具合とかさ。まぁ、そこは努力してるんだろうけど。」

貴島は横目で蓮を見やるとニヤリと笑う。

「でもその顔で恋愛初心者とか酷く嫉妬深いとか、紳士面して腹黒いとか…。うん、安心した。敦賀君も普通の人間だったみたいだね。」

酷くみっともない部分で人間認定されて喜んでいいのか怒ればいいのかよく分からない。複雑な表情の蓮をしり目に一人納得したような貴島はさっさと話を本題に戻した。

「で、ご両親はご健在?」

「あぁ、二人とも元気だよ。」

「ふーん、仲はいい?」

良すぎる二人を思い出して苦笑いになる。

「…いいよ。」

「何?その間は?」

「いや、本当に良すぎて時々俺の存在を忘れるんだ。」

「ネグレクト?」

「まさか!親バカって言われるほど子煩悩だったよ。」

「へー、兄弟は?」

「いないよ。俺の家族構成がそんなに重要?」

質問の意図がわからない蓮に貴島はまたしても呆れ顔だ。勝手に恋愛相談を始めてから随分たつが蓮の感覚に何度驚いたことだろう。最近では蓮はトンでもないセレブ出身なのだと貴島は確信している。あまりにも世間一般と感覚がかけ離れすぎている。

「だってさぁ、結婚すればキョーコちゃんは敦賀君のご両親とも家族になるだろう?とりあえず小姑はいないみたいだからいいけど。京子ちゃんは嫁って立場だからね。京子ちゃんのことだからしっかりお姑さんをたてそうだけど、それはそれ古今東西古から嫁姑問題は家族問題の永遠のテーマだからね。どう?敦賀君のお母さんは京子ちゃんと気が合いそう?」

母さんとの相性なんて考えたことがなかった。家族かぁ。キョーコちゃんと家族になったらメチャクチャ喜ぶだろうなぁ。娘ができて嬉しいって言って連れまわしそうだよなぁ、二人とも。連れまわしすぎて帰ってこられないかも。それは困る。キョーコちゃんは俺のものなのに!!!
蓮が幸せそうな笑みを見せたから相性が良さそうなのかと思ったけれど途中から困惑に変わる。

「あのさ、京子ちゃんじゃないんだから百面相やめない?で、いいの、悪いの?」

「んあっ?!あぁ、気が合いそうだよ。前々から娘が欲しいっていってたし。最上さんも母さんとは気が合いそうだ。」

「随分、はっきり断言するね。」

俺が言うのもヘンだけど、キョーコちゃんは母さんを見たら女神様とか言って崇め奉りそうだし、おかしな波長が合いそうだし。父さんに至っては既にお互いに父娘認定だし。

「敦賀君マザコン?」

「なんでそうなるんだ?」

「気が合いそうだってことは似てるってことでしょ。母親と似てる人が好きってそういうことじゃないの?」

キョーコちゃんと母さんが似てる?そうなのか?

変な思い込みとか、斜め上の発想が似てると言えば似てるかもしれない。でも、母さんは天然腹黒で無邪気に他人を操るけどキョーコちゃんはそんなことしないし。あっ、でも天然たらしは一緒かぁ。

「どうかなぁ。似てるところがあると言えばあるけど、やっぱり違うよ。」

「マザコンは否定しないんだ?」

「親が大切なのは普通だと思うけど?」

「ふ~ん、でも、海外じゃなかなか会わせられないね。将来を考えてる人がいるんだくらい匂わしとく?突然連れてくのもありだけど、まだ早すぎるって言いそう?それとも喜ぶ?」

「それは、危険すぎる。」

「そっか、早いか。京子ちゃんまだ未成年だもんね。」

「いや、そっちじゃなくて。危険すぎるほど大喜びする。仕事ほっぽりだしてすっ飛んで来て最上さんを拉致しそう。」

「拉致?」

「うん、ドレスだ新居だと勝手にすすめそう。」

「えっ、いきなりそこ?!普通、人となりとか家の格とか気にするんじゃないの?」

「人となりは大丈夫。息子が選んだんだから反対なんてしない。それに最上さんを気に入らないなら誰が行っても気に入らないんじゃないかな。それに家の格なんて気にしないよ、貴族でもあるまいし。」

「やっ、なんか敦賀君ちってセレブっぽいから気にするのかなって。」

貴島は俺のことどう見てるんだ?アンドロイドとかセレブとか。まぁ、両親が有名人ってところは当たりだけど、こっちじゃセレブって上流とか金持ちって意味が強いけど、なんだかな。

「そんなこと気にしないよ。」

「じゃ、敦賀君ちは最後でいっか。」

「うん、それでいいと思う…。」

蓮は遠い目で答えた。




<ジュリ・クーは抑えとく?>

「くしゅん。」

「ジュリ!!まさか風邪か!?暖かくしてもう寝よう!薬!医者!いや、行ったほうが早いか?ヘリを呼べ!!!」

「もう、貴方ったら…。なんか急に鼻がね。大丈夫よ、治まったから。」

「本当に?無理はしないでくれよ。日本ではね、誰かに噂されるとくしゃみが出るって言うんだ。きっとジュリの美しさを誰かが噂しているんだね。」


「もう、バカねっ。」






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コメント頂いているのにお返事しなくてごめんなさい!!!


蓮て12頭身でしたっけ?8頭身?まぁ、なんでもいいからかっこいいってことで(笑)