社さんは、時々ブリザードを出すのだけれどそのタイミングがよくわからない。
敦賀さんのマネージャーだった時はファンに囲まれて身動きとれなくなったときとかに出していたみたいだけど、私はファンに囲まれるなんてまずないから、お目にかかれないと思っていた。
なのに、結構頻繁に見るのよね?
ブリザードをよく見るのは新しい現場に入って1週間くらいまでが多い。特に凄いのが出るのは私の楽屋に社さんのいない間にお客さんが来ているとき。
最初から社さんがいるときは...。あら?あんまりお客さんこないわね?
たまーに共演者の女優さんとかがおしゃべりにきたときはニコニコといつもの社さんなんだけど。
考えてみたら、俳優さんが多いかしら?いえいえ、スタッフでも時折見舞われている人もいるし...。
皆さん、お食事を誘ってくださったり親切でいい人なのに...。
社さんに聞いたら『火のないところにも煙が立つ』のが芸能界だから念のためって言ってた。
久遠さんも(敦賀さんの時から)男性からの誘いは気軽に受けないようにって言ってたけど、そういうことだったのね。
でも、誰もそんな風に私のことを見てないから、そんな心配いらないと思うんだけど...。
とりあえず、芸能界の大先輩と敏腕マネージャーのアドバイスは守っておいて損はないわよね?
そういえば最初のうち久遠さんもブリザードを見舞われていた気がするけれど、久遠さんて敦賀さんの時に免疫ができてるのかちっとも効き目がないの。
ただ、このごろは久遠さんに対する社さんの態度が、なんていうのか優しくなった気がする。
休憩やご飯を一緒にすることも増えてきた。どちらかというと社さんの方から声を掛けている気がするし。
久遠さんのことは信用してるみたい。
やっぱり社さんは敏腕マネージャーだけあって、人を見る目があるのね。
久遠さんが敦賀さんって知らないはずなのに、この短期間に久遠さんは信用できるってわかってるんだもの!
社さんってホント凄いのよね...。
...。
もしかして気付かれてる?
お弁当とか、お菓子の差し入れを久遠さんのためにしてるって...。
だって、ほっとくと何も食べないんだもの!
まさか、『京子』が『久遠さん』のために作りに行くわけにもいかないもの。
せめて現場でくらいちゃんと食べてほしいから...。
ちゃんと社さんの分も作ってるし。スタッフの分だって用意してるもの...。
何もこの現場に限らずに差し入れは作ってるし...。
でも、急に社さんの久遠さんへの態度が優しくなったのは本当だし。
ラブミー部卒業仮免許のとき、『好きなヒトできたの?』って疑ってたし...。
まさか、私の気持ちまでわかっちゃってるのぉ????
キョーコは楽屋で差し入れのお菓子を手に思考の部屋に迷い込んでいた。
そこへ社が戻ってきて声をかける。
「あれ?今日も差し入れあるの?休憩長くなりそうだから久遠のこと呼んでこようか?」
「...。」
「どうかした?」
キョーコは冷や汗を流しながら恐る恐る社に尋ねた。
「あのぉ...。社さんは、やっぱり御存じなのでしょうか?」
「うん。そりゃあね。」
あっさりと認めた社にキョーコは顔面蒼白になる。
「あぁ、そんなに気にしないで。そりゃあ、黙っていられてたのは少し傷ついたけど今は事情もわかったからもう気にしてないからさ。」
(だって、だってこんなこと恥ずかしくて言えないじゃない。恋なんてしませんってあんなにハッキリと宣言してたのに。まさか、分不相応なヒトに恋した上に恐れ多くも断ったなんて!どんだけ身の程知らずな!それでも側にいたくて何かしてあげたいなんて...。あぁ、本当に恋する女ってなんて愚かなのかしら...。)
キョーコが一人で赤くなったり青くなったりするのを見て社はホントにキョーコちゃんて面白いなと思っていたが、そろそろ現実世界に戻ってきてもらおうと声をかけた。
「キョーコちゃん?久遠呼んできていい?」
「ダメです!いえ...。その...。」
「大丈夫だよ。『蓮』だってことはちゃんと内緒にするからさ。社長のゴーサインがでるまでは秘密なんだろう?いくら素に戻っても小食なのは変わらないんだもんな。ホント、世話が焼けるよね...。」
「えっと...。」
「?」
「社さんがご存じなのは...。」
「『久遠』が『蓮』だったってことだけど?まぁ、クーの実の息子だってことは驚いたけど久遠は久遠だしね。他に何かあるの?」
「あっ...。いえ...。他には何も...。」
「じゃあ、呼んでくるね。」
社が楽屋を出ていくとキョーコは気が抜けてその場にへたり込んでしまった。
「なんだ...。私の気持ちがばれたわけじゃないのね...。」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ご心配おかけしました (^_^;)
体はすっかり回復しました。
でも、PCを開く時間がありません...。
3月はスローな更新になります。
あぁ、他サイト様を見に行く時間もありません...。
早く通常業務に戻りたい!