朝、目覚めるとベッドにはひとりだった。


(蓮さん、帰ってこれたんだ...。)


ベッドの中央で目が覚めたことで彼の帰宅がわかる。

ひとりの時はいつも端に寝るのに、中央にいるのは彼が左側に寝るために移動させられるから。

私はどちら側でもいいのだけれど、彼が左側のほうが落ち着くからって

最初からふたりで寝るときは右に私、左に彼。

ひとりで寝るときは左側に寝る。そのほうが彼の匂いが残ってる気がするから。


ダイニングにいくと昨夜の夜食の器が洗ってふせてあった。

流しにおいておくだけでいいと言っているのだが、作ってくれた上に片付けまでさせては申し訳ないといつもきちんと洗ってある。最初のうちはそれぞれ小皿にわけておいたが、今は洗い物が少なくてすむようにワンプレートにしている。

昨日のメモの下に今日のスケジュールと「美味しかった。ごちそうさま。」の文字。

今日のスケジュールも帰ってこられるかこられないかの微妙な時間だった。

ここ数日こんな調子で顔を合わせて話をしていない。

やっぱり顔をみたいと思ってしまうのだが、以前に帰りを待っていてリビングで転寝をして風邪をひき、「役者は体調管理も仕事だから!」と説教されて以来、0時まで待って帰宅しないときは先に寝ることというルールができた。


寂しくないといえば嘘になる。


彼は私の身体が少しでも離れようものなら、必ずすぐに引き寄せる。

私はいつでも彼の抱き枕状態だ。

自分のせいで眠りが浅いのではないかと思うのだが、長期の地方ロケなどで十分睡眠時間がとれるはずのスケジュールより『最小滞在時間3時間』の続く日の方が体調がよいのだそうだ。これは社さんも言っているから間違いない。

そんな抱き枕状態の私の体には彼の腕の重みと匂いがついていて、抱きしめられている感触がずっと残っている。


私はひとりじゃない。


いつでも彼がいてくれる。


そう思うと勇気と自信が湧いてきて今日も1日がはじめられる。
















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調子に乗って2つ連続更新。

蓮は右利きにしました。

もしかしたら左利きかなと思うこともあったのですが、ここでは右利きにしました。

左側が落ち着くというのは言い訳で、右手が自由になるから左側がいいのです...。