「再会」の続きになります
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帰国したキョーコは社長室に呼ばれた。
ソファにドカリと座るローリィに意味ありげに見られ、冷や汗が出る。
「ふ~ん。まずまずかな。」
それだけ言うとセバスチャンに何やら指示を出しワインに手をかける。
「あのぉ、ワタクシメは何故こちらに呼ばれたのでしょうか。」
「ん?まぁ、色々と状況が変わったらしいからその対策をたてようかと思ってな。」
ニヤリと笑われ凍りつく。全てお見通しなのではないかと思わずにはいられない笑いだった。
暫くすると松島、椹、社がやってきた。
「おぉ、忙しいところ悪かったな。早速だが、社には最上君のマネージャーをしてもらうことにする。」
「!!!!」
一同の頭の上に!マークが踊った。
「最上君も忙しくなってきたし、マネージャーをつけることは賛成です。でも、社となると...。」
椹はちらりと松島を見る。
「そうですよ。蓮はどうなるんです?蓮には下手なマネージャーはつけられません!」
松島は必死に抗議する。
「優秀なマネージャーをいつまでもデスクワークに縛りつけとくのも勿体ないだろう?それとも、最上君じゃ、社は不服か?」
「そんなことありません!俺だって蓮が大丈夫ならキョーコちゃんのマネージメントは願ってもないです!」
実際に社はキョーコのマネージメントをしてみたいと思った。完成形に近い蓮よりも今まさに花開き始めたキョーコをサポートするのは面白そうだと思ったし、何より妹のように思っているキョーコを守りたいとも思う。
「なら、問題はなかろう?」
「というか、蓮はいつ帰ってくるんです?仕事の依頼は山ほどあるのに、それこそまたハリウッドからもオファーがきているんですよ?!」
松島はここぞとばかりにローリィに詰め寄った。
「あぁ?そんなこと知るか戻ってきたくなったらくるだろう?」
「そんな!そんなことでいいんですか?!」
絶叫に近い声で松島は叫んだ。
「とにかく、俺は知らん。今まで通り、これはと思う企画書や台本は向こうのエージェントに送ってくれや。気になる仕事があれば連絡してくるだろう?」
松島はもう言葉も出せずただうなだれるしかなかった。
「じゃあ、そういうことでいいな。」
「まっ、待ってください。私、ラブミー部員なんですけど!マネージャーさんをつけてもらっていいんでしょうか?」
「あぁ、そのことか。それは..だな。とりあえず、仮免許ってことで様子を見る。」
「???」
今度は松島、椹、社の頭の上に?マークが踊る。
キョーコは真っ赤になり俯いてしまった。
(なっ、なんでわかるの?コノヒト恐ろしい...。)
ローリィのことに関しては大抵驚かなくなったけれど、今回のことは驚きを通りこして恐ろしいとキョーコは思わずにはいられなかった。種を明かせばなんてことはない、ジュリアンとクーと連絡をとっているだけなのだが...。
「まぁ、蓮のことは帰ってきてから考えるとして、とにかくしばらくは社は最上君についておけ!」
社長室を出ると早速、今後の調整をする。
社は俳優部門からタレント部門へ異動するため、デスクの移動や名刺の印刷など細々した事務をすませていく。さらには、キョーコのスケジュールをもらい、もう一度細部を確認していく。忙しくなってきているのは知っていたが、ここまでとは思っていなかった社は驚いた。
「これを一人で管理してたの?」
「えぇ、でもほとんどは椹さんがスケジュールを組んでくださっていたので私はそんなに大変じゃないですよ。」
「でも、これって...。えっ?富士からTVジャパってこの時間で移動できるの?」
「大丈夫ですよ。電車で1本ですし、大目に見ても30分で余裕です。渋滞もありませんしね。」
くすくすと笑うキョーコにまたしても驚きを隠せない。
「電車って...。そんなことしたら大変なことになっちゃうんじゃ?」
「それが全然...。私には華がないのか気付かれませんよ?」
寂しそうに笑うキョーコに社はヘンに納得してしまう。
(確かに、素のキョーコちゃんってそのへんにいる子とかわらないもんなぁ。ちょっと注意してみれば美人ってわかるんだけどな。瞳も大きくて綺麗だし、他のパーツだって綺麗だし配置もいい。肌も綺麗だし、スタイルだってスレンダーだけど出るとこと引っ込んでるところのメリハリはついてるし、何と言っても脚がいいんだよなぁ。)
そこまで考えて闇の国の蓮さんを思い出し背筋が凍る。
(こんなこと考えてるって蓮にばれてみろ。絶対に殺される!)