久遠はしばらく動けずに腹を抱えて丸まったまま床にうずくまっていた。
「何をしたのかよく考えてみろ。」
クーの言葉とキョーコの泣き顔が頭の中をぐるぐるとまわっている。
本当に自分は何てことをしてしまったのか。
何よりも大切なキョーコを自分で傷つけてしまうなんて...。
今となってはあのタイミングでクーが入ってきたことに感謝している。
でなければ、もっとキョーコを傷つけていただろう。
「ははっ...。」
乾いた笑いが漏れた。
やっと自分を許すことができて、久遠に戻ろうと決意したのに。
大切なヒトは作れないと思っていたのに、気付いたときには大切なヒトになってしまっていたキョーコ。
そのキョーコにやっと本当の自分をみてもらえると思っていたのに。
つまらない嫉妬でぶち壊してしまった。
本当にキョーコは蓮と久遠を好いてくれていたのだろうか...。
あれは自分の願望がみせた幻?
だがそうだったとしても今となってはそれももうないだろう...。
あるのは軽蔑か記憶の消去か...。
どうしようもなく自分に腹がたった。
それでももう一度キョーコに会いたい。
会って謝りたい。
許されなくても仕方ないと思う...。
でも...。許されるなら...。
久遠は立ち上がり車のキーを掴んだ。