2024/25 SV.LEAGUE の開幕は10月12日(土)ですが、現在までにSV.LEAGUEに参加するチーム(合計14チーム)が、続々と新外国人選手(SVLでは、「外国籍選手」と呼んでいます)を公表してきています。
昨季までは、外国籍選手は、1名+アジア枠1名の合計2名までだったと思うのですが(私が勝手にそう理解していたのかもしれませんが、実際そのように運用されていたと思います)、今季からは、どうやら外国籍選手の人数枠は、撤廃されたようですね。
ここまでのところ、新外国籍選手として、2名+アジア枠選手1名の合計3名が加入するチームもかなり出てきていますし、2名のチームも、両名ともがアジア枠ではないヨーロッパ等の選手になっているチームもあります。
なお、この点の本日時点のルールについて、少し調べてみましたところ、SVLの規定類からしますと、以下のようになっていました。
一般社団法人SVリーグ
選手の契約、移籍および登録に関する規程
https://vleague.or.jp/files/pdf/svl/53_regulations_of_players_20240719.pdf
第36条〔外国籍選手の定義〕
(1) SVLは、SVLにおける選手の国籍区分を次のとおりに定める。
① 外国籍選手
日本国籍を有しない選手
② みなし帰化選手
第1号の内枠として、日本国籍を有しないが日本で生まれ育ち日本の学校教育法に基づく義務教育を修了した、または中等教育学校、高等学校、高等専門学校もしくは大学を卒業した(この場合は本人の日本での義務教育修了を問わない。)選手
③ アジア枠選手(第38条)
第1号の内枠として、SVLが定めるアジア圏の特定の国籍を有する選手
④ 内国籍選手
日本国籍を有する選手で、満16歳となった後に国籍法(昭和25年法律第147号)に基づく帰化によって日本国籍を取得した選手を含む
(2) 特に指定がない場合においては、SVLは前項第1号乃至第3号を「外国籍選手」と総称する。
第37条〔外国籍選手の登録〕
(1) 外国籍選手は、第25条に定める手続を修了しないとSVLに選手登録することができない。
(2) SVL の選手登録における外国籍選手の契約区分(登録区分)は、原則として「プロ選手」とする。
(3) 外国籍選手の選手登録人数に上限を設けないが、出場可能人数は競技会の試合要項(オンザコートルール)で別途定める。
(4) 選手登録後に外国籍選手の帰化が適法に許可された場合、所属クラブは所定の手続きにより当該選手を内国籍選手として選手登録しなければならない。また当該選手の契約区分(登録区分)は原則として「プロ選手」とする。
第38条〔アジア枠選手〕
SVLは、日常的にアジア圏の多様な選手とバレーボール競技が行われる環境を構築し、アジア市場での事業価値を向上させるために、外国籍選手の内訳としてアジア枠選手(アジア特別枠選手およびアジア提携枠選手)を定義する。
第39条〔アジア枠選手の対象国〕
(1) アジア特別枠選手の対象国は次のとおりとする。
① インドネシア共和国
② タイ王国
③ 大韓民国
④ チャイニーズタイペイ(中華民国/台湾)
⑤ フィリピン共和国
⑥ ベトナム社会主義共和国
(2) アジア提携枠選手の対象国は順次定める。
(3) 選手が帰化により前2項各号のいずれかの国籍になった場合は、当該選手の帰化前の国籍が前2項各号のいずれかである場合に限り、アジア枠選手とする。
(4) 選手が複数の国籍を有する場合は、保有する国籍の全てが前2項各号のいずれかに該当する場合に限り、アジア枠選手とする。ただし、該当しない国籍を有するが前2項各号の国の代表選手としてFIVBにより登録された実績がある場合は、アジア枠選手としての登録を認める。
(5) SVL は、所属クラブがアジア枠選手を外国籍選手(第36条第1項第1号)の区分で登録することを妨げないが、同一シーズンにおいて登録の区分変更を認めない。ただし、特別な事情がある場合はこの限りではない。
2024-25 大同生命SV.LEAGUE 試合実施要項
https://vleague.or.jp/files/pdf/svl/55_match_guidelines.pdf
第 13 条〔試合エントリーとベンチ入り人数〕
(1) 各試合にエントリーしてベンチ入りできる選手の合計人数は1チームあたり12名以上14名以下をとし、その内リベロは2名以内とする。13名または14名をエントリーする場合は1名以上をリベロとしてエントリーしなければならない。
(2) 各試合にエントリーしてベンチ入りできるチームスタッフの合計人数は1チームあたり 8名以内とし、うち、クラブSVライセンスの基準に定める資格要件を充足するヘッドコーチ、アシスタントコーチを各1名ずつエントリーしなければならない。
(3) 第1項乃至第2項は、必要事項を記入した「コンポジションシート」をJURYに提出した時点で完了するものとし、クラブは試合開始時刻の 60 分前までにエントリーを完了しなければならない。
(4) 選手のエントリーにおいて、負傷疾病の症状により競技不可能な場合および負傷疾病により競技規則で認められない装具を着用しなければならない場合は、これを認めない。
(5) 第1項乃至第5項にかかわらず、エントリー完了後の負傷疾病等により競技可能な選手数が6名未満になった場合、または資格要件を満たすヘッドコーチ、アシスタントコーチの両者が不在となった場合は、原則としてその時点で試合終了または中止とする。
(6) 前項は、中止時点での獲得得点および獲得セット数にかかわらず、規約第 65 条に定めるとおりにその帰責事由あるチームがセット数0-3(0-25、0-25、0-25)で敗戦とするものとする。
第 14 条〔外国籍選手〕
(1) 各試合にエントリーしてベンチ入りできる外国籍選手の人数は、前条第1項の範囲内とする。
(2) 外国籍選手がコート上で同時に競技することができる人数(以下「オンザコートルール」という。)は、1チームあたり3名以内とし、その内訳は次のとおりとする。
① アジア枠選手を除く外国籍選手:2名以内
② アジア枠選手のうちアジア特別枠選手:1名以内
(3) 前項にかかわらず、アジア枠選手のうちアジア提携国枠選手のオンザコートルールは定めない。
これからしますと、今季(2024/25季)は、外国籍選手の人数に制限はなく、何人でも各チームに所属することができますが(選手の契約、移籍および登録に関する規程第37条(3))、コート上で同時に競技することができる人数(オンザコートルール)は、アジア枠を除く外国籍選手2名とアジア枠の選手1名の合計3名が上限である(2024-25 大同生命SV.LEAGUE 試合実施要項第14条(2))、ということになりますね。
なお、現時点でアジア提携枠選手(これは、特定のアジアの国のバレーボールを支援するために提携した場合のその国の選手のことのようです)というのは存在しないようですが、もしこの提携国ができたときには、その国の選手についてはオンザコートルールは適用されませんので(2024-25 大同生命SV.LEAGUE 試合実施要項第14条(3))、コート内では日本人選手として扱われる-外国籍選手としては数えない-ことになるようです。
こうした規程を受けて、今季は、アジア枠ではない外国籍選手が2名、アジア枠の外国籍選手が1名の合計3名、所属することとなったチームがいくつか出てきているわけですね。
なお、「2024-25 大同生命SV.LEAGUE 試合実施要項」第14条(1)によりますと、ベンチ入りできる外国籍選手は最大14名全員ということになりますが、外国籍選手は同時にコートに入れるのが3名(うち1名はアジア枠)とされている関係から(同条(2))、実際には、ベンチに入れる外国籍選手は最大10名ということになるでしょうか(3名を超える外国籍選手は同時にコートに入れませんので、ベンチ入り選手が14名の場合、日本人選手がリベロを含めて4名はいないと、コートに選手が7名(リベロを除いて6名)いられないことになり、チームとして成り立ちません)(日本人選手が3名出ずっぱりにすれば、残り11名が外国籍選手でもいいということになりますが、14名の中にリベロは必ず1名いないといけませんので、その場合のリベロは外国籍選手でかつアジア枠でない外国籍選手(リベロがアジア枠の選手の場合はアジア枠の外国籍選手)としか交代できない(日本国籍選手と交代するとコートの中に外国籍選手が4名になってしまいますし、アジア枠でないリベロがアジア枠の外国籍選手と交代するとアジア枠でない外国籍選手が3名になってしまいますし、アジア枠のリベロがアジア枠でない外国籍選手と交代するとアジア枠の外国籍選手が2名になってしまいます。まあいずれにしても余り現実的ではありません)リベロということになるでしょうか)。
いやぁ、しかし、これは昨季までとは大きな変更点ですね。
今季、外国籍選手が3名(うち1名はアジア枠)加入したチームは、例えば、OHとOPがヨーロッパや南米等の選手、MBがアジア枠の選手というように、コートの中の6名のうち3名が外国籍選手という試合が常態となる可能性があるわけです。
これは、大変な事態ですね。
これまで伝統的に外国籍選手の加入のほとんどなかった岡山シーガルズ(唯一、純粋の外国籍選手が加入したのは、一昨季のタナッチャ選手(タイ)が初めてのことで、それも一昨季のみで、昨季は外国籍選手は不在でした)は、今季も外国籍選手の加入はこれまでのところ公表されてはいませんが、このまま純和風を貫くとしますと、結構な苦労を強いられるかもしません。
まあ、外国籍選手が複数入ったからといって、常にそのチームが強くなるかと言えば、必ずしもそうではないと思いますが、少なくとも高さやパワーは、非常に増すことになるでしょうね。
岡山シーガルズとしますと、これまで以上に、チームのまとまりや強度の粘り、スピードやコンビを駆使した多彩な攻撃で、高さとパワーのある相手チームを交わす工夫をしなければなりません。
いやぁ、それは大変だと思いますが、しかしまあ、それはそれで、逆に今季が果たしてどんなことになるのか、楽しみでもありますね。
さて、前置きが長くなりましたが、それはともかく、今季、これまでに各チームから公表されている2024/25 SV.LEAGUEにおける新外国籍選手は、以下のようになっています。加入選手の多いチームから記載してみます。
なお、新しい外国籍選手については、私は全然知らない選手ばかりですので、選手の特徴等については、ここでは記載せず、単に列記するにとどめます。なお、基本的にフル代表経験のある選手(ほとんどの選手がそうだと思いますが)について「代表」をつけていますが、抜けている選手もあるかもしれません。
デンソーエアリービーズ
7 モンチベレ・ロザマリア選手(OP/185cm/1994年4月9日生/ブラジル代表)
11 デグズマン・ジュリア・メリッサ・モラド選手(S/170cm/1995年5月10日生/フィリピン代表)
20 コネオ・カルドナ・アマンダ・ダニエラ選手(OH/177cm/1996年12月20日生/コロンビア代表)
https://airybees.denso.com/news/13717/
デンソーは、昨季も所属していたロザマリア選手(OP/ブラジル)とジュリア選手(S/フィリピン)に、新しくコネオ選手(OH/コロンビア)が加わった形ですね。
KUROBEアクアフェアリーズ富山
3 アイリス・ショールテン選手(OP/191cm/1999年11月15日生/オランダ代表)
18 レーナ・シュティグロート選手(OH/184cm/1994年12月20日生/ドイツ代表)
19 マドレーヌ・イレネア・マダヤグ選手(MB/180cm/1998年2月7日生/フィリピン)
https://kurobe-aqua.jp/news/2630/
KUROBEも、欧州から2選手、アジア(フィリピン)から1選手の3選手です。KUROBEは、監督も全日本のコーチを務められた川北 元氏を招聘しましたし、今季は、相当力が入っていることが窺えますね。
PFUブルーキャッツ石川かほく
1 ナッタニチャ・ジャイサエン選手(S/172cm/1998年5月21日生/タイ代表)
15 タットダオ・ヌクジャン選手(MB/185cm/1994年2月3日生/タイ代表)
22 カシャウナ・ウィリアムズ選手(OH・OP/186cm/1999年1月12日生/アメリカ)
https://pfu-bluecats.com/activity-topic-detail?id=8fl199pj3
*PFUは、アジア枠の選手が2名に、アメリカの選手が1名という構成になりました。
群馬グリーンウィングス
19 タナパン ウィモンラット 選手(MB/180cm/2002年4月2日生/タイ代表)
22 リエフスカ ナターリア 選手(OH/192cm/2001年7月23日生/ポーランド)
40 マルティニューク アリョーナ 選手(OP/186cm/1991年6月22日生/モルドバ代表)
https://gunmagreenwings.jp/2024/09/6139/
*群馬も、昨季まで東レにおられたタナパン選手(タイ)のほか、欧州の2選手が加入されましたね。気合が入っています。アリョーナ選手(モルドバ(ウクライナの南にある国ですね))は、3年前に姫路に所属されていたそうです。
Astemoリヴァーレ茨城
9 ブリオンヌ バトラー選手(MB/195cm/1999年1月29日生/アメリカ代表)
14 マッケンジー メイ選手(OH/193cm/1999年1月12日生/アメリカ代表)
https://www.hitachiastemo.com/jp/rivale/topics/topics20240902/
リヴァーレは、アメリカから高さのある選手2名です。
SAGA久光スプリングス
4 ステファニー・サムデイ選手(OP/188cm/1998年9月27日生/アメリカ代表)
6 グレタ・ザックマリー選手(OH/186cm/1991年12月31日生/ハンガリー代表)
https://saga-springs.co.jp/news/2024/08/20/2085
久光も、欧米から2名ですね。
ヴィクトリーナ姫路
未定 アナ・ルイーザ・フヂゲル選手(OH/186cm/2003年1月2日生/ブラジル)
未定 ミンニャ・オスマジック選手(MB/192cm/2003年2月12日生/セルビア代表)
https://www.victorina-vc.jp/information/20240730-02/
姫路も、ブラジルとセルビアから各1名の2選手です。
アランマーレ山形
1 オレクサンドラ ビチェンコ選手(OP/192cm/1995年11月23日生/ウクライナ代表)
4 ドンポーン シンポー選手(OH/175cm/2004年6月21日生/タイ代表)
https://www.aranmare.jp/volleyball/news/20240830/
アランマーレは、欧州とタイから各1名です。
東レアローズ滋賀
7 ロホイス・ジュリエット選手(MB/190cm/1996年9月10日生/オランダ代表)
https://www.toray-arrows.jp/women/news/detail.html?contentId=ic4lcqim
東レは、上記のジュリエット選手1名の加入が公表されていますが、メンバーサイトでは昨季加入のシルビア・チネロ・ヌワカロール選手(15/OP/176cm/1999年8月12日生/イタリア代表)がおられますので、今季も継続されるのではないかと思います。
埼玉上尾メディックス
11 ニカ・マルコヴィッチ選手(OH/185cm/1997年5月15日生/スロベニア)
https://amg.or.jp/medics/news/2024_25/news20240604_02.php
埼玉上尾メディックスも、上記のマルコヴィッチ選手1名の加入が公表されていますが、一昨季加入のロゾ・サラ選手(24/OH/186cm/1997年4月29日生/セルビア代表)がおられますので、外国籍選手は2名になるのではないかと思います。
NECレッドロケッツ川崎
15 ロレイナ・メアリーズ・ダ・シルバ選手(OP/185cm/1999年6月19日生/ブラジル代表)
https://red.necrockets.net/news/20240711/
NECも、上記のシルバ選手1名の加入が公表されていますが、昨季加入のアチャラポーン・ コンヨット選手(18/OH/177cm/1995年6月18日生/タイ代表)がおられますので、外国籍選手は2名になるのではないかと思います。
クインシーズ刈谷
18 カヤ・フロベルナ選手(OP/188cm/1995年1月4日生/ベルギー代表)
クインシーズ刈谷は、上記のカヤ選手1名の加入が公表されていますが、メンバーサイトでは昨季加入のバムルンスック ハッタヤ選手(20/MB/180cm/1993年8月12日生/タイ代表)がおられますので、今季も継続されるのではないかと思います。
大阪マーヴェラス
5 リセ・ファンヘッケ選手(OP/191cm/1992年7月1日/ベルギー代表)
https://www.jti.co.jp/sports/marvelous/information/topics/2024/2408_03/index.html
大阪マーヴェラスは、昨季トヨタ車体(現クインシーズ刈谷、その前は久光)に所属していたリセ選手が移籍加入され、外国籍選手は1名になっています。
他にサンティアゴ選手(箕輪幸選手)(18/MB/195cm/1996年1月20日生/元フィリピン代表)がおられますが、サンティアゴ選手は、日本に帰化されましたので、今季からは、内国籍選手ということになりますね。
https://www.jti.co.jp/sports/marvelous/information/topics/2024/2408_06/index.html
岡山シーガルズ
未公表(公表予定無しかもしれません)
2024.9.11時点で、岡山シーガルズ以外の全チームの公表が出揃いましたが、シーガルズはこのまま純和風でいきそうな感じでしょうかね。
しかし、これだけ沢山各チームに外国人選手が加入しますと、これはもう、本当にどうなることやらという感じです。もはやひとつの挑戦と言っていいでしょう。果たしてどんな感じになるのか、楽しみではありますね。頑張って頂きたいです。
以上です。
各外国籍選手がどんな感じなのか、全然分かりませんので、何とも言えないことろがありますが、ざっと見る感じでは、各国代表選手または元代表選手が多く所属することとなっているようであり、今季はVリーグが新編成となったこともあって、各チーム、相当力が入っていることは間違いない感じですね。
いやぁ、果たして今季がどんなことになるのか、非常に楽しみではあります。